劇場公開日 2025年11月28日

「人としての器の小さい男たち」佐藤さんと佐藤さん グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 人としての器の小さい男たち

2025年12月4日
iPhoneアプリから投稿

『立つ瀬がない』で割り切れてしまう男。
『どれほどの覚悟を持って引き受けても報われることのない』女。

立場や環境の違いなど背景はさまざまではあっても、同じような目標を持ち、同じようなキャリアを目指す場合に、なんでこんなに圧倒的に女性のほうが不利なのだろう。
母乳を与えたくても、男性(父親)には不可能で、この点だけは役割を代替できない。
が、それ以外の点では、いまだに〝子育て〟は男にとっては、他の何かを犠牲にしているかのように捉えている人が多い。そして、女にとっての〝子育て〟は当然の義務であって他の何か(仕事やキャリア)を後回しにすること=犠牲にしている、とは捉えてくれない。

「立つ瀬がない」とは、Google先生によれば、『自分の立場や面目が失われ、どう振る舞っても居場所や弁明の余地がない状態』を意味する。

子育てにおいては、立場や面目なんてどうでもいいことです。
なのに、男の場合、それらが一緒くたになって論じられたり、同情されたりする。

「もう修復できないから、離婚しよう」みたいなことを平気な顔をして言える男の厚かましさ。
早目に交代してあげる、と譲歩してあげてるみたいに振る舞える傲慢さ。

ベンガルも中島歩も、どちらのタイプの男も、身近に思い浮かべることができるほど本当に実在してます。

ラストの岸井ゆきのさんの表情と涙は、悔しさ、やるせなさ、もどかしさなどありとあらゆる感情を表しているようで、決して〝何も割り切れてなんかいない〟ことがまざまざと伝わってきて、思わずもらい泣きしてしまいます。

グレシャムの法則
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