「大切な人と暮らす・暮らそうとしているすべての方に見てほしい」佐藤さんと佐藤さん Bigcatさんの映画レビュー(感想・評価)
大切な人と暮らす・暮らそうとしているすべての方に見てほしい
保(男性の方の佐藤さん)や紗千(女性の方の佐藤さん)のすれ違っていく言動が、どれもこれも他人事とは思えないような現実感があり、身につまされ心を動かされる作品でした。
恋人や配偶者のいらっしゃる方には特に、ぜひ1人でも多くの方がこの作品を見て、佐藤さんたちを反面教師として何か少しでも役立てられるところを見つけてほしいと思います。他人事ではないです...。
とはいえ、佐藤さんたちはどのときにどうすれば良かったのか、という正解を分かりやすく提示してくれている映画ではないと思いますので、本当に難しいですが。ただ、本作品で佐藤さんたちが目指した司法試験のように、自分とパートナーとで同じ道を目指して向かっていくようなことは、人生の中ではリスクが高い選択かも、ということだけはわりとはっきり教えてくれていたのかもしれません。2人で支え合って進んでいけるというメリットを打ち消してしまう可能性にも、人生では考慮しておく必要があるのでしょう。
保さんの方がもう少し早く合格できていたとしても、弁護士になってから2人が同じ程度に活躍できていないと、またそこで人間関係に亀裂ができたかもしれませんし。
もっとも、一番可能性が高かったのは、保さんも紗千さんも合格をつかめず試験はあきらめていく、だったのではとは思います。佐藤さんたち2人(プラスお子さん)の関係にとっては、実はこちらの道筋の方が良かったのかも、などとも想像してしまいます。
小説などの原作がないオリジナルストーリーでここまでの映画作品はなかなかないと思います。原作ありの作品でも、映画化する都合上のカットや変更で、ストーリーにはかなり歪みをきたしていることが多い中、この作品は非常に優れていると感じました。
この作品を見てもし心動かされなかった方がいらっしゃるなら、保や紗千よりも良い選択・良い人間関係構築がもうできているからなのかもしれません。私もそこを目指したいですが、まあ正直無理そうです。...などと本当にいろいろと考えさせられる映画で、見て良かったです。
コメントありがとうございます。
おっしゃるとおりと思います。なかなか難しそうですね。
難関資格ですので、せっかく司法試験合格したのに弁護士に転身せず終わるというのは、なかなか選べない選択肢のような気がしますので。
紗千が既に医師免許でも持っていて、司法試験に合格したとしても別に弁護士にはなるつもりない、くらいの人であればともかくですが。
それはそれで、紗千は医師で保は定職なし状態となって、保はやはりコンプレックスを持ってしまいすれ違っていったのでしょう。司法試験を2人で目指した時点で、2人のその後の関係性はもう決まってしまっていたように思います。
違う結果があり得たとすれば、受験開始1、2年内に2人とも合格(理想的には2人同年での合格)していたときくらいかもしれません。
個人的には、紗千が弁護士に転職しなければ、と思わなくもありません。
今の仕事が気に入ってるとか、抱えてる案件がとか、いくらでも理由はつけられますし。
素直に「合格おめでとう」が言えない保の卑屈さでは、大差ないかもですが…
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