「【”司法浪人の男は辛いよ!そして、結婚の様々な形。”今作は、前半はホッコリクスクスコメディ調で展開していくが、後半は「ミセス・ノイズィ」の監督らしい”様々な結婚の在り方”を描いた映画でありました。】」佐藤さんと佐藤さん NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”司法浪人の男は辛いよ!そして、結婚の様々な形。”今作は、前半はホッコリクスクスコメディ調で展開していくが、後半は「ミセス・ノイズィ」の監督らしい”様々な結婚の在り方”を描いた映画でありました。】
<Caution!内容に触れています。>
■大学で知り合った、佐藤保(宮沢氷魚)と佐藤サチ(岸井ゆきの)は、妊娠を機会に結婚する。
保は司法試験合格を目指すが、中々合格出来ず。
一方、会社勤めのサチは”チョっと、受けてみようかな。”と言う感じで勉強したら、ナント合格である。ビックリ!
だが、それがきっかけで二人の間には、微妙な距離が生じてしまい、徐々にその距離は広がって行くのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・宮沢氷魚演じる佐藤保が、息子のおむつを変えたり抱っこしたりする姿が、板についている。(そりゃ、そーだろうよ。)
だが、劇中の保の心中は複雑なのである。何と言っても妻は弁護士になり、”食わせて貰っている。”立場なのだから・・。
で、毎年毎年司法試験に落ち続け(と言うか、年によっては願書すら出せない・・。)彼は現実逃避を始めるのである。
アパートの隣室の失火により、一時的に東北の田舎に帰った保は、同級生達と毎夜飲む中、同じ学校だった先輩女性(佐々木望)に、”結婚してなかったら、受かっていると思うんですよね。”などと口にしてしまい、呆れられるのである。
更に、サチに対して”こちらで三人で暮らさないか”と電話で言ってしまい”逃げてるでしょ!”とバシッと言われてしまうのである。
格好悪いなあ。
■今作では、佐藤保と佐藤サチのキャラ設定が、上手いのである。
保は真面目で不器用なのに対し、サチは思った事は口にし、即実行で社会性もあるのである。
■印象的な登場人物達の、様々な夫婦関係
1.冒頭に登場する、離婚調停の際に弁護を担当するサチに対し、妻の事を”女性として、駄目なんですよ!”と宣う男(中島歩:こういうイタイ男役を演じさせたら、天下一品である。)に対し、ラストシーンでサチが皮肉たっぷりに言う台詞”では、料理も家事も完璧な夫と言う線で行ってみますか!”。
2.結婚50年にして、妻に愛想を尽かされ会っても貰えずに離婚を申し立てられている”俺が食わして来たんだ!”オジサン(ベンガル)。
ー あのさア、男である私が言うのもなんだけど、それって完全なNGワードだよ。主婦業って労働時間の長さと休みの無さで言えば、男の仕事より過酷だと思うけどなあ。数年前の経済紙フォーブスで【主婦の年収は、時給換算して、一千万!】と出た事、知らないのかな。
あとは、エラソーで申し訳ないが、オジサンの決定的な欠点は
”妻に対する感謝の気持ちが無い。妻の言葉を聞かない故にコミュニケーションを取っていない。”事だと思ったな。
それにしても、妻から“貴方といるのは、苦痛でしかない。”とは言われたくはないし、言われるような行動、言動を取ってはイケナイ事を学ぶシーンでありました。ー
3.サチの友人女性。夫に浮気され離婚に傾くも、自身が管理職になり夫とよりを戻し、二人目の赤ちゃんを授かるのである。
ー サチと同じく、自立する女性像であろう。ー
・で、到頭、サチに対し保が”離婚するか・・。”と言ってしまった時にサチが言った言葉。”養育費、払えるの?”イタタタタ。
保は必死に”合格したら・・。”と答えるのが、精一杯なのである。
目出度く、保はギリギリ10年目にして司法試験に合格するのだが、祝いの席で彼が口にしようとした事を察知して、サチは彼を会場外に連れ出すのである。この辺りも保の不器用さが出ていると思うのである。
だが、二人は別れても”良好な関係を保ち”子供を交互に預かり育てて行くのである。
<今作は前半はホッコリコメディかと思いきや、後半は「ミセス・ノイズィ」監督らしい”結婚の在り方”を問う映画でありました。>
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