「完璧な「アイドル」映画」映画「F1(R) エフワン」 水原秀策さんの映画レビュー(感想・評価)
完璧な「アイドル」映画
ブラッド・ピットのアイドル映画としてはパーフェクトな作り。とにかくカッコいい。レースコースを荷物を肩に担いで歩いてくる所から既に絵になっている。スターとはこうあるべきという見本だ。
あとレースの勝敗に戦術的要素を盛り込んだのもよかった。なぜ勝ったのかについてロジックがあるので納得しやすい。ダーティーな手でのし上ろうとするのも小気味がよくてgood。
難点は尺が少し長いことか。
① ピット作業を失敗するクルーとかオタク顔のスタッフとかあの人たちの話をちょっとずつ触れようとするから長くなる。しかも薄い。あれだったら完全にモブキャラとして省くべき
②女性ディレクターとの関係は淡いままで終わらせた方がよかったか。ファンサのためのセックスシーンに見えてしまった。彼女の人生の話とか正直興味が持てなかった。
③ ラストもごちゃごちゃやりすぎ。表彰台からいきなり消えたほうがよかったのでは?みなが探してる時に「がんばれよ、白鳥!」とかメッセージだけ残し、バギーレースのシーンになだれこむとか。そのほうがスッキリ終わったはず。
あと車の色が識別しにくかったのもあった。今のF1がそうなので仕方ないんだろうが。
とまあ多少不満な点はあれど、娯楽映画としては十全な出来。それは間違いない。楽しんで映画館を出られた。
