「「クルマを走らせることが好きなら それだけで十分走り屋なんだよ!!」(高橋啓介)」映画「F1(R) エフワン」 ケミカルさんの映画レビュー(感想・評価)
「クルマを走らせることが好きなら それだけで十分走り屋なんだよ!!」(高橋啓介)
この映画の本質はここにあるとみた。
なぜ命がけでも走るのか。
頻繁に自問する答えはここにある。
私はクルマおたくで、F1も大好きだ。
ゆっくりウォームアップ、セイフティーカーでのピットイン、ソフトタイヤ残し、ブロック走法、どれも現実的な戦法で、F1の面白さの一つだ。
雨でのステイアウトは、前シーズンに我らがアルピーヌを表彰台に導いたのを忘れない。
後続車をブロックして、チームメイトのピットインを援護するのは、モナコで使われて批判もあった。
それらを駆使して戦う二人は、F1ファンにとっては、よりリアルに見えた。
特にスタート時の混戦は、リアタイの車内カメラの映像のようだ。
もしも劇場内で「ボックスボックスかー」とつぶやくような人がいたら、ヤバイ人だ。
映像の迫力を含めて、それも魅力ではあったが、何よりソニーの「レース愛」に心を打たれた。
事故をきっかけに、レースから身を引かざるを得なかった事。
それでうらぶれても、結局は「何でも良いから走りたい」という欲求に贖えず、あらゆるカーレースに参戦していくソニー。
そうなんだよ。俺たちは「クルマを走らせる事が好きで、好きで仕方ないんだよ」。
この主題が明確であった点で、私の評価は100点だ。
何をかくそう、私もレーサーではないが、クルマが好きでプロドライバーなのだから。
これは走り屋の映画である。
