「映画ファンとしては4点、F1ファンとしては1点…」映画「F1(R) エフワン」 しんなさんの映画レビュー(感想・評価)
映画ファンとしては4点、F1ファンとしては1点…
事前の期待:
昨シーズン、APXのガレージが実際にあったり、マックスやハミルトンと一緒に映るブラッド・ピットやダムソン・イドルスを見たり、表彰台にルクレールやラッセルと一緒に登るブラッド・ピットという、ネタバレを見たりしながら、不安と期待が入り混じる想いで、心待ちにしていた本作を鑑賞しました。
感想:
映画ファンとしては、ストーリー的にも破綻してないし、演出もコシンスキー監督の腕を感じるし、撮影も迫力があるしで、面白いとはおもいました。
ただ、映画に没入しかけると、F1ファンとしての余計な知識や思い込みが邪魔をして、我に返ってしまい、また没入しかけて、我に返ってるを繰り返して、心からは楽しめませんでした…
僕が特に気になった点を3つだけ挙げます。
※些細な事はまだまだありますが…
①序盤のプライベートテスト(フィルミングデー?)ソニーが事前のシミュレーターでのテスト等も無くポン乗りしていた事。
・現代のF 1はコーナー毎にステアリングでトラクション等の設定を変えたりして走っており、ソニーが乗っていた93年のマシンとは、電話で言ったら、登場したての携帯電話とiPhone16くらい違うので、どんな天才でも何の事前準備もトレーニングも無しで走れるとは考えられません。それに、シートもドライバー毎に型取りして作っているんですが…
このテストシーンには言いたいことだらけです。
②故意にぶつけてセーフティーカーやVSCを出して、味方に有利な展開を作る。
・中盤のレース(ハンガロリンクでしたっけ?)でソニーが何度も他車との接触等でパーツを壊してレースの流れを止め、JPをアシストしていましたが、こんなあからさまにしたら、ペナルティーポイントを一発で満点食い、次レース出場停止だし、下手したらスーパーライセンス取り下げですよ…
スケールの小さいクラッシュゲートになってもおかしく無いと思います。
※興味のある方はクラッシュゲート F1で調べてください。
③APX GPの目標が優勝
・2年半走っていてノーポイントのチームの目標が勝利って、いくら何でも現実味が無さすぎ。F1はトップチームとそれ以外では差が大きく、優勝するのは至難の業です。レッドブルが圧勝した2023年なんて、フェラーリが 1勝して、あとは全てレッドブルが勝ちましたし、少し混戦気味になった昨年ですら、レッドブル、マクラーレン、フェラーリ、メルセデスしか勝っていません。ここ5年をみても、レーシングポイント(現アストンマーティン)、それに奇跡的な展開でアルピーヌとアルファタウリ(現レーシングブルズ)が一勝ずつしているだけで、他は全て前述した4チームが勝っています。また、参戦して10年のハースレーシングは一度も表彰台に登っていません。なので、結果的には優勝しても良いですが、目標は一刻でも早く数回入賞してランキング6位、7位に上げるというのが、現実的だと思います。このチームで勝てないって嘆いていましたが、当たり前ですよ…なに言ってんの…
他には93年にキャメルロータスはオカシイとか、そもそもソニーにスーパーライセンス発行してくんないでしょ?とか、予選に出走してないドライバーは決勝でれなくない等、言いたい事は無数にありますが、コレくらいにしておきます。
しかし、最後にコレだけ…ルイスとリバティメディアが協力しているので、わかっていてコレを許したのが、余計にガッカリしました。
ただ、コレは僕が中途半端に90年からF1を見ていて、それなりの知識があるせいなので、もしこれがあまり知識の無いMOTOGPや、同じフォーミュラでもインディの話なら、もっと純粋に楽しめたと思うので、映画としてはオススメです!
おなじような思いで見てました。F1をフジTVで全戦放送する前から雑誌単発TVなどで見て、モータースポーツはほとんど見ていますが映画としては面白いけどありえない話でした。書いてあることは全く同感です。
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