「小学生のリアル」ふつうの子ども ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)
小学生のリアル
唯士を演じた嶋田鉄太くんが素晴らしかった。
彼の演技ですべて成り立っている作品と言ってもよい。
もちろん心愛役の瑠璃ちゃんも素晴らしいし、
もうひとりの女の子、長峰くみちゃんがとてもいいキャラ
で、癒される。
話としても心愛が好きな唯士は、彼女に好かれたくて
環境問題にイタズラを手段として取り組むのだが、
背中を押した存在が陽斗(味元耀大くん)であり、
加速度的にイタズラをしていく。
当人たちは至ってまじめに取り組むのだが。
唯士が心愛を「心愛」と呼んだ時に、
心愛が「あ"心愛?」とツッコむところは秀逸だった(笑)
唯士の母を蒼井優が演じているが、
夫との関係が微妙な中、唯士を大切に育てているのが
わかるし、コミュニケーションも絶妙だ。
唯士がいかにいい子に育ったがよくわかる母親像だ。
その対比が瀧内公美演じる心愛の母親だ。
毒親寸前だと言ってよいだろう。
それにしても学校の先生も超大変だ。
ましてやこんなイタズラをされたら尚更だ。
それを風間俊介が非常に巧みに演じていて好感が持てた。
ラストの心愛による声にならない
唯士への「I LOVE YOU」にグッときた。
※パンフレットで確認したところ、はう、であ、ゆぅ。
全然違った(笑)
現代小学生のリアルがここにある。
クスッと笑えるシーンが多々あるが、
リアルすぎて笑えないこともしばしば。
それが、ふつうの子どもなのであろうと感じる。
なんと言っても本作は嶋田鉄太くんの演技に尽きる。
そこを見事に引き出した呉美保監督は天晴である。
へんな話、パンフレットから闇を感じました。なんというか、本当のことを言うのを避けているような...何かを恐れているような...。まあ、それが奥深さというものなのでしょうね。
共感ありがとうございます。
最後のクチパク、I LOVE YOUだと私も思いました。パンフレットによると違うみたいですけど、I LOVE YOUという解釈が好みです。


