「ふつうがいちばん面白い!」ふつうの子ども hkr21さんの映画レビュー(感想・評価)
ふつうがいちばん面白い!
いやぁ〜、総じて面白い作品。
「きみはいい子」の時も思ったのですが、
子どもたちをナチュラルに撮らせたら、
呉監督の右に出る人はいないんじゃないかしら。
今回も、メインの唯士を筆頭に、心愛も陽斗も上手すぎる!!
今の子役たちが上手すぎるのか、
呉監督の演出が素晴らしいのか⋯末恐ろしいです。
心愛ちゃんの陽斗に実は好意がある感じとか、
言葉に一切出していないのに、
態度と表情で、わかるぅ〜!!でしたもの。
そして、唯士の嶋田鉄太さん!
『ちひろさん』を観たときの感想も、
「マコト(嶋田鉄太さん)の素っぽさ最高!」でしたからねぇ。
今回は、さらにパワーアップしていました!
このまま、スクスクと良い役者になっていく様を観続けたく、
楽しみでもあります。
とにかく、
「これは映画の中だけでしょ〜」「フィクションが過ぎるでしょ〜」
のような拒否感もなく、
ふつうの子どもたちとその親の生活を覗き見て、
こちらも一喜一憂しておりました。
そして、会議室のシーンが最高に面白かった!
三者三様の親と子ども、タイプの違う先生二人、
ヒヤヒヤ
ドキドキ
ニタニタ
ビックリ
シンミリ
いろんな感情のオンパレード!
心愛ちゃんの涙には息を飲みました。
もらい泣きです。
しかし、瀧内さんは流石でした。
パンフレットから、子どもたちにはセリフなどは知らされていなかったそうで、
あれは怖いよねー。元ヤンだよねー 笑
また、校長でいいのかしら?
風間さん演じる浅井先生の今どきな感覚との対比のような
金谷真由美さんの先生も良かったです。
蒼井優さんと少路勇介さんの夫婦も自然だったなぁ⋯。
とにもかくにも、全キャストが素晴らしかったんです!
そこに、呉監督、脚本の高田氏を筆頭に周りのスタッフの皆さんの、
作品や子どもたちへの愛が溢れ出ており、鑑賞後、とても心が温かくなりました。
ラストの唯士のキョトン顔、最高です!笑
また、パンフレットに書かれていた4年1組の生徒たちの撮影の思い出が、
29人それぞれ個性的で、とてもしっかりしていて、
読んでいて面白くもあり、なるほどと感心することしきりです。
子どもはおりませんが、もし、子どもがいたら一緒に観に行って、
どんな感想を持つのかしらと、とても興味深いです。
もし、先生だったら、道徳の授業で上映し生徒たち一人ひとりの感想を聞きたいです。
大人も子どもも、それぞれに何か大切なものを得られる作品です!
そして、温暖化問題についても、
真剣に考えなくてはいけないと思いました。
一瞬だけ映る耳裏タトゥーで、陽斗母の解像度と説得力を上げるのが見事でした。
インパクトあるのに実在感も損なわれない。
子役の芝居に関しては、モブに到るまでみんな素晴らしかったですね。

