無名の人生のレビュー・感想・評価
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不思議で興味深い
仙台の団地で暮らし、いじめられっ子で孤独な少年は、ある転校生との出会いをきっかけに、父親の背中を追ってアイドルを夢見るようになり、オーディションを受け、デビューし、人気となった。生まれてから死ぬまでに源氏名や蔑称などさまざまな呼称で呼ばれながら、本当の名前を呼ばれなかった男、の波乱万丈な100年の生涯を、高齢ドライバーの事故、芸能界の闇、戦争などの社会問題を背景に描いた作品。
わかりにくいところはあったが、全体を通して興味深く鑑賞した。
最新のアルファードやテスラのサイバートラックが出てたりと、新しい車を取り入れてたところにも共感した。
過去はちっちゃな画面、未来は横広のカラーと分けていた事に意味があるんだろう。
不思議な作品だった。
シュールでシニカルでエキセントリックな新境地
無表情でセリフも単調、シュールでシニカルでストーリーと動きがエキセントリック。
こういう作品はなかなか類を見ないのではないかと思う。
小学校時代からアイドル時代の人を殺す勢いの暴力から、本作を見誤っていたことに気づき
淡々と見せられながらも時折出てくるバイオレンス表現。
主人公の静かながらも激しい怒りには圧倒される。
神様と呼ばれて以降の展開が実に飛躍的。
震災後の地下世界、100年後の肉体を持たない精神世界、
主人公を通して、まるで未来を示唆しているかのような描きっぷりだ。
ただ、作品として面白いかというと話は別だ。
アーティスティックだが万人向けではない。
しかしながら一見の価値はあると思う。
名前というラベルのない世界の存在
名前とは
今まで見た中でレビューを書きづらい映画ランキングのかなり上位に入る映画だと思う。
ストーリーは一度で細部まで理解するのは難しいが、だからと言って困るということはなく流れに乗ってしまえばちゃんと最後まで連れて行ってくれるから心配はいらないかなと。
今の時代の男性アイドル事務所の問題だったり高齢ドライバーの問題だったりがシーンとして出てくるがそれを告発するというような流れではなく、むしろ主人公はそれを一方的に受動しつつどこかのタイミングで内なる暴力性が牙を剥くという展開が続き、かなり無茶苦茶で突飛ではあるがそういう生き方もあるのかと思って鑑賞していた。
パンフレットを購入するのを忘れたので未読だが、かなりしっかりと監督が解説されているようなので機会があったら手に入れて読んでみたい。
パワーはすごいとは思うものの
一人でアニメーション作り上げるって途方もないことだと思うんですが、そのせいか独りよがり感が特に最後の方すごくて同じくほぼ一人で作られたジャンクヘッドや侍タイムスリッパーって商業ベースきっちり意識して作られててすごかったな…と改めて思いました。(他作品名出すなって感じですが)
ジャ…の社長であろう人物、相当まんまでびっくりしました。グロさを感じるほどに。
未だに膨大な数の被害者に対して充分に償われていない現状であそこまでまんまにしなくても…と思う一方で最後のあたりの未来的世界の解像度の低さが合わず。
SF展開が一番顕著ですが現代的な色んなものを詰め込みつつほとんどのものに対する理解の浅さ解像度の低さ、特にどうすべきかなどの自分なりの答えを示すわけでもなくただセンセーショナルな部分を摘むという感じで誠実さが感じられず、一番解像度高そうなのがジャ…っぽいアイドル事務所の舞台裏的な話っていうのはすごく今の一般的な日本人な感じはするかも。
そういうところの波長が合えばすごく良い作品に感じるのでしょうか。
SNSやメディアでの評価かなり高かったので期待して行ったんですが…全く良さわからなかったです。
この作品ベタ褒めしてる人の評論は自分にはあまり参考にならないかもしれないなという今後の指標ができました。
新しい感性の世紀末感
『火の鳥・未来編』のような結末にだけ意味を感じた
アニメーションの割に、絵が不鮮明で動きが乏しかった。序盤はナレーションで説明が続き、途中から登場人物の台詞で進められるが、時間設定に飛躍があり、訳がわからない感じで進められていく。カリスマ的父親が薬物中毒で死に、残された息子を祖父母が引き取りに来る。父親と縁のある芸能プロデューサーがその息子を親友たちとともにオーディションに招き、できはさんざんなのに採用する。デビューに際しては、支配権を主張し、息子だけ反抗してそのプロデューサーを叩きのめして自分だけ拒否し、袋詰めにされて廃屋に放置される。いつの間にか這い出して、野生の猪等の獣を狩って食いつなぎ、冒険に来た少年たちに発見され、脚光を浴びて単独で芸能界にデビューし、偽の父親に感動の対面を設定される。戦争が起こり、息子だけ匿おうともちかけてきた男性がいて、また別の男性が一緒に逃亡しようとして殺される。息子は、インタビューした女性と一緒に逃亡する。逃亡した先で新しい家庭生活が始まるが、幸せは長くは続かない。女性も死んでしまう。周囲の人々は、顔のない丸い形で表され、息子だけ歳を取って、漫画『火の鳥・未来編』の水槽にはいり、顔のない一人が這入りこんで命を吹き込み、息子は水槽を飛び出して走り出す。そこだけ意味を感じた。全般的に訳がわからない。
ぐいぐいと魅せられてしまう
長編アニメを1人で全部やる新しい感覚、新しい時代の監督だな!と思いました。よくあるアート系すぎて退屈みたいなことは全くなく、むしろキャッチーだしポップだし、音楽のセンスも凄くて全く飽きずに走り抜ける感じでした。
パンフに、どのシーンがどの映画のオマージュかまで書いてあるところからしても、誰にでもわかる言語レベルに落として伝えよう(というか記録しよう?)という気持ちが強い感じがしました。おお、バレても構わないのか、、と思ったのですが、古い考えすぎますかね?
内面の厚み、、とは逆な感じがします。
少しクールすぎるというか、北野武的な訳の分からない主人公の映画ですが、もっと主人公が薄いので、人間を遠くから定点観測、人間の観察日記、みたいな感じです。
後半わかりづらかったのが勿体ない
iPadを使って1人で作り上げたと聞いて驚く。それはどんな作業だったのだろう。ワクワクしながらなのか、魂を削るような作業だったのか、もしくは目的に向かって淡々と進めたのか。いずれにせよとても孤独だったことは間違いない。
滑らかに動くアニメではないので、ある程度動きが制限されていることは序盤から感じ取ることができた。なるほどと。だから、踊りのシーンはなかなかにひどい。仕方ないことだけど。
でも、せいちゃんから死神と呼ばれる男の人生はなかなかに興味深い。あまり喋らなくても人を惹きつける奴はいて、それがカリスマってことなんだろうなと思いながら観ていた。いじめられていたのも見た目がいいのに、周りに寄り添うことができないが故の嫉妬みたいな感情が含まれている気がした。中学を卒業してアイドル事務所に所属する流れも普通ではない。でも、どの場面を見ても主人公の彼からは孤独しか感じない。監督が伝えようとしたことが「人生は孤独だ」ってメッセージなんじゃないかと思うくらい。
なかなか興味深く鑑賞していたが、年代が未来に進むに従ってついていけなくなった。戦争?宗教?この映画でそんなものが絡むとは思わなかった。最後は、なかなかに難解な終わり方。これは観る人を選ぶな。あのあたりの描写がもう少しわかりやすければ評価はかなり変わるのに。ここらへんは1人で作っているマイナスポイントだったかもしれない(作っていない側が言える発言ではないが)。でも、印象に残る映画であったことは確か。いつかプロデューサーとか脚本の人が入って、いろいろやりとりする中で作り上げた映画を観てみたい。
なんにせよ作ったものが強い
映画サービスデー2本目は有楽町のヒューマントラストシネマから丸ノ内線で30分の新宿武蔵野館。ガンダしてなんとか会場5分遅れで開始には間に合うなど。真っ暗の中席に着くまで前通ってすいませんでした。バッグは始まるまで膝の上が良いと思うよ。
作品はいろいろ言われてますけど作ってないやつが何言っても雑音なんでモブに権利などないです(俺もです)。
なにせ音に対するこだわりがめちゃくちゃあるので絵が稚拙だろうがなんだろうがスッと見れちゃう感じでしたね。音本当に大事です。
内容的には人類史上最悪と言われているジャニーズ系性被害のトレンドを織り込んだ感じで進んで行くですけど、何しろ主人公の出自の部分が情報多過ぎて分かりにくくて物語に入り込む間もなくあっという間にパイプ椅子投げてましたね。ストーリーテリングで導入とキャラクターのバックボーンの説明は本当に大事と痛感した次第。監督さんめちゃくちゃ好きだったんだろうなSMAPと嵐。だべ?
それではハバナイスムービー!
分かりにくかった
ずいぶんとモテモテな『無名の人生』なことで
『無名の人生』というタイトルから、人知れずひっそりとした人生を描く作品だと想像したが、全く違った。
誰からも本名で呼ばれないことがタイトルに繋がっているのだろうが、それがそこまで悲観すべきことなのかと個人的には疑問に感じる。
映像表現は非常に独特。
アニメーションは動きが少なく、『ファミコン探偵倶楽部』のようなアドベンチャーゲームの画面が延々と続くような印象を受けた。
しかし、画面構成はかなり緻密に計算されており、監督のアートセンスが際立っていることは強く伝わってきた。
一方で、ストーリーはかなりシュール。
驚きの展開が連続し、衝撃は受けるものの、ただそれだけ。
あらすじには「高齢ドライバーや芸能界の闇、若年層の不詳の死、戦争といった社会問題を背景に」とあるが、これらのテーマは表面的な描写に留まり、深く掘り下げられることはない。
奇をてらうことだけを目的とした脚本のように感じられ、心に響くことはなかった。
エンドロールの作り込みは今年観た映画の中で群を抜いていた。
鑑賞後もあの曲が頭から離れなかった。
良い映画の時間を歩めたかなって
お勧めです!名もなき者の一大人生!【ネタバレ注意】 低体温の語り口と、ほとんど動かない?アニメが癖になる。
監督の作家性が爆発。個人制作のアニメがいきなり劇場公開の快挙!
淡々とした低体温の語り口と予想外の展開、ほとんど動かないけど突然動くアニメが癖になる。
特にカクカクしたダンスの動きには笑ってしまう。
独特の雰囲気が不思議。
登場人物たちもまた魅了的。
突然キック!いきなりパイブ椅子投げる!
考えてんだか考えてないんだか、主人公。
じんわり来るおじさん。
一番想定外だったラストの超未来!シュールな絵も面白いんだけど、その部分はちょっと長かった。
終わりでダレた(睡魔)のが超残念。
監督渾身のパンフレット、劇場ロビーのディスプレイも必見!
レビューに騙された
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