劇場公開日 2025年7月4日

夏の砂の上のレビュー・感想・評価

全124件中、81~100件目を表示

3.5何を見せたいのか、感じさせたいのか、不思議な映画

2025年7月7日
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鑑賞方法:映画館

正直、「これは何の話なんだろう?」と思いながら観ていました。
内容はつかみづらいけど、退屈することもなく、眠くならず、最後までちゃんと観ていました。

「雨の降らない長崎」が舞台ですが、映像からは蒸し暑さや雨の匂いまで伝わってくるような、妙なリアルさがありました。全体的に静かで、劇的な展開はあまりありません。でも、空気や時間がじわじわと沁みてくる感じがして、目が離せませんでした。

オダギリジョーさんがただただ、よくタバコを吸います。
言葉は少ないけど、佇まいに色気と存在感があって、ただそこにいるだけで引き込まれます。

髙石あかりさんの表情の変化も印象的で、高橋文哉さんはイケメン感を控えめながら役に自然に溶け込んでいて良かったです。

感情移入できたかと言われると微妙ですが、嫌な映画ではありませんでした。
最後まで何の映画がわかりませんでしたが、不思議な余韻がありました。

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MiMa

3.5面白いとは思うのだけど破綻しないのが面白くない

2025年7月6日
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鑑賞方法:映画館

北の『オーバーフェンス』と西の『夏の砂の上』と言う感じのオダギリジョーを囲んでそれぞれの町に根づく人々の話。全員が夏のうだる暑さみたいな顔がいい。特に高石あかり。というか俳優陣がとんでもなく豪華なのは観て知った。これもオダギリジョープロデューサー効果か。ところどころドキッというセリフが混じっていて都度都度どこに落ち着くのかわからなくなる群像劇だが、冒頭とクライマックスの雨というものが台風クラブ的な効かせ方。反対に夏の路上の蝉の死骸や猫などもいい具合に決まっている。ただキャスティングの豪華さも合間って綺麗にまとまり過ぎている嫌いはあるが。

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ONI

4.0演技に

2025年7月6日
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渇水の長崎、子を喪い絆も無くしてしまった夫婦、愛を知らない少女。うだるような暑さの中で、いずれ訪れると予感されていた残酷な結論はやって来るし、ひととき心通う瞬間もある。
結局誰もが去ってしまい、男の左手のように親(指)と子(指)の思い出だけが残されるのか…?「ここではないどこか」を選ばなかった男にとってそれは希望なのか絶望なのか?

オダギリジョーは最近こんなんばっかやってる気がする。松たか子はぼんやりしてしまったおばさんができるようになったのがスゴい。が、やはり高石あかりの生気を消したり出したり出来る芝居は本当にスゴいと思う。
作品よりも演技に注目してしまう作品だった…

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ぱんちょ

3.0夏の砂の上

2025年7月6日
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鑑賞方法:映画館

日曜2時の回、17人は少ないのかな。
さて、作品です。
私如きには、何が言いたいのか分かりかねます。
光石さん以外、登場人物はクズばっかり。
ただ、退屈な作品ではなかったので、★は中立の3でした。
ゲンコツ割るシーン見た瞬間、きっとああなると思ってたら、案の定。
このくだり、要ります?
高石あかりさん、存在感あり過ぎ。
いろんな役をやる上で、それが邪魔しないかが心配です。

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映画館難民

4.0なんか良かった

2025年7月6日
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鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

カワイイ

梅雨が明けると、ほとんど雨が降らず、からからに乾いた夏の長崎。幼い息子を亡くした喪失感から妻・恵子と別居している小浦治は、働いていた造船所が潰れても仕事も探さずふらふらしていた。そんな治のもとに、妹の阿佐子が17歳の娘・優子を連れて訪ねてきた。阿佐子は治に優子を預けて1人で博多の男の所に行ってしまい、治と優子の同居生活が始まった。高校へ行かずスーパーでアルバイトを始めた優子は、そこで働く先輩・立山と親しくなった。父親代わりをする治との暮らしになじんできた頃、優子は治と妻・恵子の喧嘩に遭遇した。恵子は造船所の時の後輩と不倫していて・・・さてどうなる、という話。

ストーリーはどうって事無いんだけど、なんか良かった。
最初は、会社が潰れたあと、ぶらぶらしてちゃいかんよね、って観てたら、次々に問題発生。
娘を置いて男に走る妹。
姪の優子は男を家に連れ込みセックス。
嫁は後輩と不倫。
先輩はタクシー運転手してたが、事故で死亡。
中華料理屋に就職した治は指3本切断。
ま、どれも解決といえば解決していくんだけど。
オダギリジョー、髙石あかり、満島ひかり、など出演者が魅力的で興味深く観れた。
他にも松たか子、高橋文哉、森山直太朗、光石研など良かった。
個人的には、やっぱり高石あかりはいいな、って思った。

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りあの

4.0何だか見ていられる

2025年7月6日
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鑑賞方法:映画館

何の解決にもなってない
でもそれでいいんだと思った

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ハイボール

4.0こういうスクリーンから温度が伝わるような映画は好き

2025年7月6日
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鑑賞方法:映画館

おそらく劇場で予告編を観たことがなかったけど、チェーンマスターがテアトル新宿なようだし、気が向いたら観ようかなくらいに思っていたら、高石さんが出ているじゃないか。
急に気が向いた。

おじちゃんと優子を軸に進むけど、2人とも覇気がない上に茹だるような暑さで、全体的に気だるい雰囲気。
あまり表情も変わらないから、雨のシーンでの鍋を抱えて活き活きとしたやり取りとのコントラストが素晴らしい。
断水でカラカラな状態から、畳に水をぶちまけながらの鍋水祭りが微笑ましい。
ずっと暑さが伝わるような画面だったから、ちょっと青みがかって涼しげに見える対比も良い。

高石さんを目当てに行ったけど、篠原さんが数分の出番なのに強烈なキャラだった。どっちも被害者だから責めるのはお門違いなんだけど、とっても様子がおかしくて良かった。
あの怪我なのにスルーできるおじちゃんもなかなかすごいひと。

ストーリー自体はそこそこだったけど、登場人物はわりとみんな好き。
お松はもうちょっと出番が欲しかった。

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コビトカバ

3.0誰かの人生に自らの来し方を重ねて

2025年7月6日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

幸せ

癒される

造船所の閉鎖で失職した人々。
これからもささやかな幸せがずっと続くと思っていたであろう家族が色々なものを失い続けて人生がいつの間にかすっかり変わってしまう様子を、日照り続きの長崎の町を舞台に描き出します。

これといった大きな事件が起きない分、かえって誰の身にも起こり得る出来事が自らの経験と微妙に重なって胸に迫ります。
ずっと続くものなんて無いから、今この瞬間の輝きこそが人生の尊さなのではないかと。

誰かの人生のある時期を切り取って写し出したような映画を観ると
自分の経験とは場所も境遇も違うけれど、自らの来し方を振り返り自分が失くしてきたものに想いを馳せてしまいます。

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さとうきび

3.0平坦な印象なれど感情の起伏は激しい

2025年7月6日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

スマホや携帯が一切出てこないので、一瞬時代背景は古いのかなと思うのですが、他のオブジェクトや社会背景を見ると明らかに現代が舞台だったので、そこで当たり前のようにあるものが全く出現しないとちょっとした異世界的な雰囲気を感じて、なかなか興味深いところもありましたが、楽しい話でもないし、むしろ辛い感じが前面に出ていて、嘘だろと思うぐらいにすぐ感情的になる演出の数々に、なんか嫌だな・・・ってなっちゃいました。
長崎をじっくりと映し出す映像はなんかにいい感じだったんですけど、そこに当たり前のようにといいかとってつけたように被爆のことをつけたされてもねぇ・・・なんて─
正直、時間を割いてまで見たいとは…
ごめんなさい!<(_ _)>

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SH

3.5人間関係における同一性障害

2025年7月6日
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鑑賞方法:映画館

ある解説によると、性同一性障害の方は「自らの生まれ付き備わった身体的な性的特徴に、持続的な違和感を覚えている」

人間関係においても、ある種のコミュニティや一定の傾向を持つ人たち、或いは一定の人間関係の範囲における暗黙の了解(それを空気ということもある)…そういうことにどうしても馴染めないことがある。

人間関係における〝持続的な違和感〟

生まれ付き備わった性格的なものか、生育環境によるものか、自らの経験から導かれたものか、人それぞれ要因は違うけれど、違和感を覚えながら生きてる人はたくさんいる。
趣味や推し活や他人とあまり関わらずにできる仕事(PCでできる仕事とか作家とか漫画家とか?)に恵まれた人は幸いだが、経済的環境も含めて、逃れようのない人たちもいる。

治(オダギリジョー)と優子(高石あかり)は、互いに抱える違和感を言語化して確認したわけではないけれど、二人とも誰とも馴染めないことは理解し合っていたのだろう。
人と馴染めないこと(生きづらいと感じることも)はひとつの個性であり、それだけで不幸なわけでもないし、解決しなければならない問題でもない。ましてや否定されることでは絶対にない。

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グレシャムの法則

3.5離婚寸前で別居中の主人公。妹の娘を預かることになるが、様々な問題が...

2025年7月6日
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鑑賞方法:映画館

単純

離婚寸前で別居中の主人公。妹の娘を預かることになるが、様々な問題が持ち込まれるなかを淡々と暮らしていく。メリハリは弱いが非常に重さを感じさせる。水不足の夏が設定のため、「渇水」を思い出してしまった。

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ショカタロウ

3.0断水中

2025年7月6日
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悲しい

幸せ

もうすぐ5歳の息子を亡くし職も無くなり妻とは別居でやさぐれる伯父と、母親が男のところに行く為に預けられた17歳の姪の話。

息子が亡くなってどのくらいか、働いていた造船所の下請けが潰れてどれくらいか、妻が家を出てどれくらいかわからないけれど、出ていった妻が所用で家を訪ねて来るなか、娘を連れて妹が来るとなって始まって行く。

色々とキツイ加状況下、後輩からも情けないと嘆かれる主人公だったけれど、そして姪はこの辺の学校に編入してない?夏休みだから?

治にしても優子にしても、なんか色々めんどくさいことが溜まって行く中、葬式のシーンで急にぶっこまれて何だそれ?

どの口が言ってんだ?なんで上からなんだ?大人ならせめてケジメつけるのが先じゃね?とモヤモヤ。

涼しい顔してクソな奴らばかりの中にいる2人の機微はとても良かったし面白くはあったけれど、これをみて何を思えば良いのかわからなかった。

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Bacchus

2.5狙い過ぎ?

2025年7月6日
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鑑賞方法:映画館

87本目。
オダギリジョーは、作品の中で絶対タバコを吸うは、俺の中では定番。
まあそれはいいとして、ひと夏的な作品になるだろうと予想。
でも正直な所、賞レースを狙いにいった様な作品。
作っている段階で、そんな事は考えていないだろうけど、叔父さんと姪っ子の距離感が、そんなに詰まっている様な感じがしない。
あるとすれば、なんか同情なのかなと思ってしまう。
天体望遠鏡も、なんかその後あるかと思ったけど、その場限りだし、指の所も働き始めた所から、あんなにアップにしてるし、あの持ち方いつかはやるなと。
いやそんなん、最初にこう持てと教えるだろうとか。
そんなのが、ちょっと多く感じる。

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ひで

4.0狭い世界で精いっぱい生きる人々

2025年7月6日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

難しい

全編長崎ロケの「夏の砂の上」を観た
長崎弁にはちょっと違和感があったが
風景もシチュエーションも長崎そのものだった
息子を亡くし仕事も無くした男の堕ちていく姿に
愛想を尽かせた妻の逃げ道も男だった
男を作っては飽きて他の男に逃げ場を求める女と
そのたびに振り回される娘の姿
狭い世界で精いっぱい生きている人々の姿が痛かった
そして自分が捨ててきた田舎を思い出してしまった
さっさと捨てて出て来たことを正解だったと思った

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高林夕子

4.5人間の営みが愛おしい。

2025年7月6日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

癒される

オダギリジョーが堪らない。髙石あかりはバケモノだ。松たか子は流石だ。光石研、篠原ゆき子の安定感、それにフラッシュな高橋文哉は本当に芸達者だ。「ブルーピリオド」「からかい上手の高木さん」「あの人が消えた」「少年と犬」と続き変幻自在だ。 長崎の坂の多い地形、かの傑作「いつか読書する日」を思い出した。玉田真也監督にはもっと映画を撮って欲しい。

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羅生門

3.0大人のひと夏の追憶

2025年7月6日
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鑑賞方法:映画館

好き嫌いが分かれそうな映画ですが、わたしはこういう映画は好きです。
不器用で生きづらそうな男の日常。そのひと夏の話。

舞台っぽい演出だな?と思ったのですが、何年も前に舞台でやっていたのですね。
映像も鮮明ではなくフィルムっぽく、そこも雰囲気があってよかったです。

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ももか

5.0滲み出す「乾き」を感じ取る映画

2025年7月6日
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鑑賞方法:映画館

閉塞感が漂う生活を繰り返す日々に
乾きを抱えた人々が交差する

そこに土砂降りの雨が訪れ
やがて通り過ぎてゆく

雨宿りを終えた人々はちりぢりになり
そしてまた変わらぬ日常が始まる

だか見上げた空には希望の光が

-----2025/07/06追記-----
この映画は物語からテーマだとかメッセージを読み取って何かをわかろうとする作品ではないと思いました。

つまりどういうことかと言うと、この作品は、乾きを抱えた人々の人生を垣間見て何かを感じ取る作品でそれをどう扱うかは観客に委ねられており、何を感じ取ればいいかとかどう扱えばいいかとかそういう正しい答えというものがない映画だと思いました。

それゆえ、人によっては何か凄いものを見たという感想にもなるでしょうし、よくわからなかったという感想にもなるのだと思います。

ですので、これからこの映画を鑑賞される方は、上記を踏まえて鑑賞されることをオススメします。

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すとらいだぁ

4.0期待度○鑑賞後の満足度◎ どことなく昔の日本映画を思わせる。内には抑えきれない想いが渦巻いているのに表には出せない昔ながらの日本人のメンタリティを抑制の効いた演出で映像化しているところとか…

2025年7月5日
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鑑賞方法:映画館

①冒頭シーンの風景が一瞬尾道に見えたので小津安次郎作品のイメージが初めから脳裏に有ったのかも知れない。

②冒頭の松たか子が初めてフレームに入ってくるところとか、満島かおり親子が到着して主要キャスト四人が一つのフレームに収まる図柄とか、元は戯曲らしく舞台劇臭さを感じるけれども、やがて映画らしくなってくる。

③エキセントリックであったり、斜に構えたり、暗い秘密を抱えていたりとか、いわゆる“普通”からちょっと外れた役が多いオダギリジョーが今までになく“普通のおじさん”に近い役を演じているのが何故か新鮮。
松たか子も限りなく“普通のおばさん”に近い役を髪型や衣装も含めいつもより人間臭い。

④何処かで見た顔だと思っていたら(年取ると若い子の顔と名前が結び付いて覚えられないのが悲しい😢…)、『ベイビーワルキューレ』で印象的だった(じゃあ、忘れんなよ)高石あかりだった(次期朝ドラのヒロインだと云うこともこの映画関連の記事で知りました。楽しみ)。
ああいう母親(またまたタイプキャストな満島あかり)の元に育ったやや屈折した少女が、オダギリジョーの叔父と暮らすひと夏の日々の中で少しずつ変わっていく様を微妙に表現していてやはり数いる若手女優の中でも特別な立ち位置でいることがよくわかる。

⑤最近やたらと説明的な台詞に溢れていることが多い邦画(それが必ずしも悪いことではないけれども)。ただ、最近の観客は何でもかでも言語化しないと内容が理解できないのか、老害とはわかりつつオジサンはついつい嘆いてしまうのだか、本作は極力説明的な台詞は抑えつつ俳優たちの表情・動き、家や町の佇まい、その中での人間の生活、背景としての自然といったものを描写する映像を通して余白という人間の想像力を喚起するもので物語を紡いでいく本来映画があるべき姿を提示してくれている。そこが愛おしい。

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もーさん

3.5独り彷徨う石畳。頬に零れる涙雨。乾いた心に沁みて行く

2025年7月5日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

斬新

1998年初演の戯曲の映画化と聞く。

主演の『オダギリジョー』は共同プロデューサーにも名を連ねている。
そう言えば彼は〔ある船頭の話(2019年)〕で監督・脚本も務めていたか。

舞台は坂の町、長崎。

急峻な山が海っぺりまで迫り、
住宅は斜面に寄り添うように林立。

見るだけで閉塞感はあり、
登場人物たちは始終階段を登り降っており、
彼等・彼女等が置かれた境遇のメタファーでもあるよう。

また、嘗て原爆が落とされた場所でもある。
戦後生まれの女性の口を通し
その様子は語られるが、
そこまでのリアリティは感じられない。

『小浦治(オダギリジョー)』は以前に幼い息子を事故で亡くしている。
働いていた造船所が倒産し、今は定職にも就いていない。

妻の『恵子(松たか子)』との間には距離が生じ、
今は別居している。

独り暮らす『治』の家を
妹の『阿佐子(満島ひかり)』が訪れ、
十七歳の娘『優子(髙石あかり)』を唐突に押し付けて行く。

二人だけの、奇妙な共同生活が始まる。

ここで”よそ者が来ることで世界が変わる”物語になるかと思えば、
その変化は微か。

また”喪失と再生”や”疑似的な家族関係”についても同様で、
何れもビビットな動きは見られない。

物語りは既存のストーリーや鑑賞者の期待をことごとく外して進行する。

ドラマは無いわけではない。

『恵子』との関係の行く末や、
高校にも行かずアルバイトを始めた『優子』の異性関係と
それなりの出来事は盛り込まれる。

また『優子』は『治』に
父親に抱くのに近い想いを持っているようで、
一連のエピソードは心を暖かくさせる。

それがどれもぷつんと途切れてしまう描写で、
意図的な肩透かしを目論んでいるよう。

勿論、最後にはそれなりの光明は示されるも、
そのために払う犠牲は大きい。

人が生きるスタイルは、
そうドラスティックに変わらぬのだとの、
過去作品へのアンチテーゼのようにも感じる。

〔長崎は今日も雨だった〕との唄もあるように、
同地は他の都市に比べ降雨量が多いよう。

嘗て、息子の命を奪ったのも雨だが、
その年はじりじりと太陽が照りつけ、
水不足が理性も刺激する。

感情はなかなかに爆発せず、
思いは表情から読み取るほかはない。

が、終幕で突然恵みの雨へと変わり
万感と精神が解放されるのは
〔台風クラブ(1985年)〕での乱痴気騒ぎを想起してしまった。

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ジュン一

3.5渇き

2025年7月5日
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鑑賞方法:映画館

長崎で家族と仕事を失った男が姪っ子と共同生活を始めることになります。

雨の降らない暑い長崎が舞台で、お家もエアコンではなく扇風機のみなので気怠さがこちらまで伝わってくる。

その土地に縛られているかのような治(オダギリジョー)と妹の阿佐子(満島ひかり)は対照的でフットワークの軽い自由奔放な雰囲気がありました。そして本作の要である優子(髙石あかり)も素晴らしく、声を裏返して土下座する陣野(森山直太朗)もとても好演でした。

どこか哀しさや切なさがずっと漂う作品ですが雨に歓喜する2人のシーンと(ヘレン・ケラーを思い出してしまった)潤いを少し取り戻したかのような最後の治の表情には救われました。

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Yum