「空蝉」夏の砂の上 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
空蝉
「そばかす」の玉田監督、高石さん出演というところに惹かれての鑑賞。
これまた良い具合に夏が味わえそうだと思いました。
んー…色々と登場人物が交錯して面倒な事になっており、それでいてどの人物も捻くれ具合が多種多様なのもあって中々にヘビーな仕上がりになっていました。
叔父と姪の話に絞ればもっと良かったのでは…なんで思ったりもしたり。
初っ端から主人公の妹が娘を預けに来る展開なのですが、どう考えても男に媚び売っていくからという姿勢が見てて痛々しく、そりゃ困るだろうし、おそらく別居状態なんだろうなーという主人公の妻もぶっきらぼうだったりとでなーんか嫌な感じが最初から付き纏っていました。
基本的にこの嫌〜な雰囲気は晴れることが殆どありませんでした。
乗船所が潰れたから仕事に喘いでいるという状況は察せれるんですが、それでもって喧嘩になったりする状況は上手いこと飲み込めないですし、元同僚が死んだ葬式で主人公の奥さんと違う同僚が不倫関係だから主人公をボロッカスに責め立てるシーンなんかは詰め込みすぎててややこしいことになっていましたし、その不倫のことを考えていたからチャリ漕いで大怪我したって言われても主人公もピンときてないものを我々がどう理解しろとと思ってしまいました。
姪とアルバイトの同僚の絡みも正直無駄に多い気がしてしまい、そんなネチョネチョせんでも…と思いましたし、それに連なるハプニングもなんだかなぁとなりました。
素晴らしく良かったのは2人で雨水を溜めて飲み干すシーンの爽快感は最高でした。
雨水うめ〜って笑いながらビシャビシャになっている絵面が超良かったです。
でっけぇ出刃包丁を使ってるから絶対あんな事こんな事起こるだろうな…と思ってビクビクしており、1回目2回目ときて3回目で親指と小指以外バッサリいっちゃうんですがこの描写いります?となりました。
すでに散々な目に遭っているのに日常生活に支障がきたる事までやらんでも…と思ってしまいました。
顔が吹き飛んだり、臓器がはみ出たり、ゲル状の溶けたりするよりも、指の怪我の方が目を覆いたくなる自分にとってこのシーンはかなりキツかったです。
役者陣は皆々様素晴らしくて、ダメ男が上手すぎるオダギリジョーさんに、危うい雰囲気しかない松たか子さんに、透明感抜群すぎる高石さんに、年頃なちょいヤンチャな高橋くんと超強い布陣でやってきたので演技合戦は見応えがありました。
まぁ好みではなかったかなという感じです。
これが舞台ならどうなったのか、というのは気になるところです。
鑑賞日 7/17
鑑賞時間 16:35〜18:20
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