「カタルシスを味わえないので、覚悟して鑑賞して下さい」夏の砂の上 いなかびとさんの映画レビュー(感想・評価)
カタルシスを味わえないので、覚悟して鑑賞して下さい
予告編を見て良い映画だと感じた。また、原作は戯曲で賞も取っているから、期待して鑑賞してみた。
残念ながら期待外れに終わり、映画好きならともかく一般の方には勧められない映画だった。
事故で幼い1人息子を亡くし、心に空洞ができ妻との関係がおかしくなった男と、親に見捨てられた未成年の姪っ子が同居生活を始め、心の穴を埋めていく物語だった。夏の猛暑で水道も止まってしまった長崎。突然の大雨で喜ぶ叔父と姪っ子。2人の心が交わり始める。ヤマ場はこれだけくらい。圧倒的なカタルシスを味わえない。というか、もともと人生とはそんなものだろう。そんなに何もかも上手く廻っていかないのが人生だ。戯曲はそこを評価されたのだろう。
本屋に原作があり立ち読みしていたら、原作の登場人物は4人だけ。映画だと情報があり過ぎて、戸惑ってしまう。舞台で鑑賞すると違っている感じがする。
らいむさんへ
舞台好き・映画すきならば観ても良いと思いますが、一般の方にはお勧めしません。
1人息子を亡くして、心に空洞ができ生きる意欲を無くしてしまったオダギリ・ジョーの毎日ふらふら過ごして部分は評価します。
その根底に息子の死が絡んでいる事が、良く表出出来ているとは思いません。
おそらく、舞台を観てた方が良いと思います。その前に原作を読んでいた方が良いかもしれません。早川演劇文庫で1,500円位でした。このところ、私は小説なり漫画なり原作を極力読んでから、観ることにしています。すると、読む本があり過ぎて、追いつきません。が、映画好きならば、やらないと作品に対して失礼な気がするのです。
今現在、映画化されて読もうとしている原作。「宝島」「野火」「美しい夏」「遠い街並み」「ロミオとジュリエット」。
ため息がでますが、定年退職した身なので、頑張ります。
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