劇場公開日 2025年7月4日

夏の砂の上のレビュー・感想・評価

全138件中、1~20件目を表示

3.5事実を知ると、見方が変わる

2025年7月10日
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鑑賞方法:映画館

なんの前知識もなく、タイトルと出演者が気になって鑑賞。

観終わって最初に思ったのは、

「これ、雰囲気映画なの? 結局何が言いたいん…🤫」

満島ひかりさん、松たか子さんという、主役を張れる実力派のお二人を脇に配し、主演は雰囲気俳優の代表格・オダギリジョーさん。

年齢を感じさせない若々しさと整ったお顔立ちは、無精髭や不造作なロングヘアで隠しても、まったく隠しきれない。

オダギリジョーさん扮する主人公・小浦治には
・子どもを不慮の事故で亡くす
・誇りを持っていた仕事を失う
・妻に不倫される
・大切な仲間の死
・そして、自らの指を3本失う事故…

という、人生の5連不幸パンチが容赦なく襲いかかる。

──なのに、舞台となる長崎の映像は、どこまでも静かで美しい。

そして私の中に生まれた違和感。

「こんな不幸が一度に襲ってきた人が、あんなにも静かで美しい“佇まい”でいられるのか?」

どうしてもリアリティに欠けて感じた。
そう思った時点では、正直これは“雰囲気映画”だと思ったのです。

しかし家に帰ってから、映画について調べてみて、オダギリジョーさんが、かつてご自身のお子さんを亡くされたことを知り、思わず言葉を失いました。

「この役に、彼がどんな思いで向き合ったのか──」
それを知ったとき、私の中でこの映画の意味が静かに反転しました。

これはきっと、映画というより“祈り”だったのだと。

愛する人を失っても、生き続けるということ。
再び、誰かと向き合おうとすること。
そしてその姿を、スクリーン越しに見せてくれたオダギリさんの覚悟。

その存在こそが、
この映画の答えだったのだと思います。

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ななやお

5.0一見の価値ある、是枝裕和作品かと思わせる完成度。才能を感じる「演出 × 脚本 × 役者」により誕生した長崎が舞台の名作!

2025年7月5日
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本作は、タイトルだけを見ると正直パッとしない印象を受け、内容も分かりにくそうに感じるかもしれません。
しかし、予備知識が一切なくても問題なく楽しめるほど、非常にクオリティーの高い作品に仕上がっています。
物語が進むにつれて人間関係や登場人物の背景などが自然と浮かび上がってくるような、巧みな脚本と演出。そして、きめ細かい描写の数々は、まさに「映画ならでは」と言えるものです。
一言で表せば、「是枝裕和監督の作品を彷彿とさせる才能が詰まった一本」と言えるでしょう。
強いて気になる点を挙げるなら、音楽の使い方にはやや途上な印象がありました。
作品全体として音楽の使用は控えめですが、冒頭のシーンは印象的だった一方で、中盤のデートシーンでは若干の違和感が残りました。
とはいえ、それもほんのわずかな懸念に過ぎません。全体を通して、本作は間違いなく「名作」と呼べる作品です!
個人的には、台風のようにやってきて台風のように去っていく満島ひかりの存在が興味深かったです。
映画好きなら一度は観ておきたい、そんな一本です。

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細野真宏

4.5自分の居場所を見失った人々を描いた映画です。

2025年7月17日
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泣ける

悲しい

自分の居場所を見失った人々を描いた映画です。職を失ったり、子供を亡くしたり、愛を見失ったり、家庭や人生を見失った人々です。オダギリジョーも松たか子も森山直太朗もいい味出していましたが、私は髙山あかりの圧倒的な虚ろな存在感に惹かれました。私は大好きな作品です。

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トクさん

何だまだ居たのか!帰れと言うセリフが凄い

2025年7月17日
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何だまだ居たのか!帰れと言うセリフが凄い

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トム田ジェリ男

4.0傷だらけの男

2025年7月17日
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悲しい

難しい

驚く

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まこやん

4.0波乱を淡々と描いた映画

2025年7月17日
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acorn

4.5映画らしい映画

2025年7月17日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

癒される

じつに映画らしい映画だなという感想です。俳優たちの演技に手抜きがなく、各シーンの作りも丁寧で、全体に緊張感があります。地味なストーリーではありますが、映画館で堪能すべきクオリティーの高い映画ですね。

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TOK_8439

5.0長崎は今日も晴だった。

2025年7月16日
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ちゆう

5.0夏の砂の上の  何か、、、が、ずっと残ってる

2025年7月16日
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泣ける

悲しい

癒される

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chicchitosally

4.5佳作 好みが分かれそう

2025年7月15日
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単純

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old-tears

4.0何があっても

2025年7月15日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

癒される

生きていかないといけない。

のかなと感じた作品。

ストーリーは、人物の設定等こちらから推測しなくてはならない感じであったが、そういう映画も良いかも笑笑😀

オダギリジョーさんの存在感は凄かったけど、高石あかりさんの演技が良かった😎

若いし今後が楽しみ😊

光石研さん、篠原ゆきこさん、満島ひかりさん、松たか子さんも良かったが、あまり出番なく笑笑。まあそういう台本なんだろうけど笑笑

辛いことがあっても生きていかなくてはいけない

頑張ろうと思った😀

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コタロー

3.5夏の長崎の空気の中で切なく心に沁みるも、もう一歩

2025年7月14日
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鑑賞方法:映画館

幼い我が子を失い、勤めていた造船所が倒産、仕事に就かず、妻とは別居という喪失感の中で彷徨っている主人公の治。

突然、身勝手な妹が連れてきた17歳の姪優子を預かることになり、治の姪っ子との同居生活が始まる。

それぞれが自身の痛みと向き合いながら、僅かな希望を見出していく姿を描いていく。切なさだけでなく愛おしさを感じさせる造りの脚本で、演じる役者たちもそれをうまく伝えてくれる。

キャスティングよくそれぞれの役者の演技は見応え十分。特にオダギリジョーは心の機微が伝わる演技、優子を演じた髙石あかりも不思議な少女をうまく演じていた。

その他、時折物を取りにやって来る別居中の妻恵子を演じた松たか子も好演。かつて働いた造船所の同僚を演じる光石研、森山直太朗らもしっかり脇を固めていた。

原作は戯曲のため、舞台ではおそらく室内中心にドラマが展開したと思われるが、この映画はオール長崎ロケ。それを生かして当地ならではの石段が続く道を歩くシーンが幾度となく出て来て、夏の暑い日に登るしんどさが伝わってくる。

高台から海を望む景色などからも、長崎の空気をとことん感じさせてくれる映像。そして雨が降らず断水になったり、うだるような暑さの中、水を飲むシーンや扇風機を回すシーンが何度か出てきて、更に観るものにその暑さを感じさせる上手い演出。

それぞれが話す長崎弁の台詞が心地よく響き、室内の雑然とした雰囲気やカメラワークも手伝って、地味ながらも心に染み込む味わいのある映画となっている。

一方で、もやもやが残る要素も幾つかあり、もう一歩掘り下げて深く心に迫るもの、深い余韻に繋がる何かを描けていれば更によかったという気はする。

すこぶる評価の高い「国宝」と比べると、二桁違う低予算の作品。インディペンデント映画ゆえ上映館も限られ、広く観られる映画ではないが、これはこれで映画を観る楽しみでもある。

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Toru

3.0似たもの同士

2025年7月14日
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叔父の治と、姪の優子。人や世間との付き合い方、折り合いのつけ方、いろんな普通をするにはちょっと無理をしないといけない二人。すごく仲良しとかではないけど、なんだか似ていて、一緒にいることでなぜだか安らぐ。
二人の関係の構築には台詞も少なく直接描写もされなかったけれど、そんな感じだったのかなぁと。

ラスト、あれで良かったのかなぁ。あのまま二人で、どこかへ行ってしまえば、少なくともしばらくは穏やかだったのかも。
治は結局全てを失ってしまったけれど、優子の存在や二人で過ごした日々が、治にとって安らぎになればいいなと思います。

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まだまだぼのぼの

3.5それでも生きて行くって事かぁ、。

2025年7月14日
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オダギリ・ジョーのやさぐれ感たっぷりの佇まいはいつものことだが、今回彼にのしかかった不幸はちと多すぎ。息子を水の事故で亡くし、妻の松たか子は不倫をして別居となり、造船所が閉鎖され失業、。そんなところに自分勝手な妹の満島ひかりが登場し17歳の娘を押し付けて(絶対に失敗するだろうと思う)胡散臭い話にのせられ博多へ行ってしまう。その17歳の娘の高石あかりは何考えてんだかわかんない感じで、。その後も同僚だった光石研がタクシー運転手に転職するも事故で急死し、その葬儀で妻を寝取った森山直太朗の妻の篠原ゆき子に激しく詰られる。やっと就職したちゃんぽん屋では慣れない厨房作業で大怪我(絶対に指が危ないなぁと思ってたら、。)をしてしまう。そして妻とは離婚。高石あかりは満島ひかりとカナダへ(絶対に今度も失敗するだろう)。断水が続く暑い夏の長崎に突然降ってきた大雨にオダギリ・ジョーと高石あかりが歓喜するシーンに少しホッとしたが、。
いつものようにだらだら続く坂を登り、たばこ屋へ寄ってから誰も居ない家に帰る。希望があるようには見えない。それでも生きていくって事は分かるが、。出ている俳優は大好きな人ばかりだし皆、持ち味を出していたが、。映画自体は好きにはなれないかなぁ、。ちょっと残念。

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アベちゃん

4.0奇跡の共演による画力は、尊かった。

2025年7月14日
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オダギリジョー、松たか子、満島ひかり。
この3人が同じ画面に映ってる場面だけで、
ご飯3杯は行けるくらいの画力に震えました。

他の方も仰るように、
たしかにこの映画は他の俳優では成り立たないような、微かな感情の起伏を、まさに砂の上に僅かに表現して行くような映画だったかも知れません。
しかしそれは、この俳優陣が積み上げて来た経験でしか成し得ない、途方も無い高度な技術があってこそなんだろうな、と思いました。
高井あかり、光石研、森山直太朗etc.の存在感も素晴らしく、なんだかずっと観ていられる映画でした。

そしてもはやオダギリジョーのオハコとも言える、
少しダラシなくどこか頼りない父親像も、
目を細めてタバコをくぐらせるだけで、
それは「オダギリジョー」という俳優を凝縮して抽出した全てとなり、ただただ溢れ出る色気、カッコ良さの極地でした。

TVや映画のお決まりに馴れてしまうと何か物足りない、起伏が無いように感じるストーリーも、実際の現実ではやはりこのようなカタルシスを抱えながら生きて行く、進んで行く事がほとんどなのかも知れません。私はそれも含めて、そうだよな、そういうもんだよな、と少し諦めにも近いような感情で共感する事ができました。

乱文、失礼致しました。
もしかすると万人受けする映画では無いかも知れませんが、私はこの映画に漂う雰囲気や世界が、大好きでした。

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MOON

3.5ハッピーエンドは通過点

2025年7月14日
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泣ける

悲しい

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アントニオ3世

0.5雰囲気映画?

2025年7月14日
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物語に何もなく、姪の心情がよく分からなく進み???の連続。
何が描きたかったのか、主人公と姪の話が薄くお互いに何考えているのか分からない。

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るい

5.0役者がいい

2025年7月14日
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最初の松たか子の方言の下手さにこれはダメかと思ったが、それ以降は文句なしに役者がいい。特に高石あかりのスキのある不安定な感じに目が離せなかった。何気に森山直太朗もよく、まあよくこんな演技引き出したなと思った。

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khapphom

4.5水と坂と猫と煙草と残心

2025年7月13日
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幸せ

ドキドキ

「国宝」「フロントライン」「ドールハウス」『でっちあげ」と邦画の傑作が、集中してしまって埋もれてしまうのが心配です
この作品当たりでした
監督が作者が何を語りたいなんて、どうでもいいんです
この作品の世界観に浸れたらそれで幸せです
オダギリジョー、高石あかり、初見ですが素晴らしかったです
優子(高石あかり)の視線がものを語ります
治(オダギリジョー)の誠実さが心痛いです
松たか子と満島ひかりは、この配役じゃなくてもいいんじゃないかと思いました
もったいないです
最後まで緊張感をもって鑑賞できました
よかったです

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rokuro

4.0「砂の上にも立つ二人の強固な結びつき」

2025年7月13日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

癒される

まったくの予備知識なしで監督が「そばかす」の玉田真也監督、キャストを見れば、オダギリジョー、高石あかり、松たか子、満島ひかり、に誘われるように映画館へ見に行った。

お客さんも8割くらい入っていて、私みたいな中高年、若いカップル、年齢層も幅広い人たちを集めていました。

私の感想文を読んでください。
【映画感想文】
 80年前、世にも恐ろしい爆弾によって火と血にまみれた街に強い雨が容赦なく降り注ぎ川は激流となっていた。

 小浦治は、幼い子供を亡くし、仕事を失い、妻に浮気され家から出て行かれた、まさに三重苦に陥っていた。そこに妹が、娘優子をしばらく預かってほしいと言われやむなく姪の優子と同居することになった。

 仕事を探していないと元同僚に叱責され小浦は激怒する。小浦は無力であるとともに頑張る意志も力もすでに枯渇していた。吸い上げようとしてもカラカラに干上がった井戸のように。

 預けられた優子は学校にも行かずバイトをしている。ただ優子も無気力で何もない。目標、やりたいこともなく、そもそも生きる意味も持てないでいる。

 優子の親代わりとなった小浦と優子の共同生活は、なにかまったりとした余裕がある。優子に嫌いなことは無視しろという小浦の言葉は、軽いのではなく自分の思い通りに生きよというあたたかみにあふれているのだ。どっちにしても行き詰っている二人は変わらない。

 連日暑い日が続き、断水状態になっているとき、突然強い雨が降ってきた。優子は待ち焦がれていた雨に歓喜し鍋を持って外に出てずぶ濡れになりながら雨を集める。小浦もそれを見て濡れながら喜んでいる。

 この雨は80年前の火の海を消し、小浦と優子の行き詰ったやるせなさすべてを洗い流し、枯渇した心に水がたまったように、まさに恵みの雨であった。

 小浦は妻と正式に離婚した。小浦はふと妻に漏らす。何年も連れ添ってきたのに何も憶えていないと、まるで砂上の楼閣であった。

 優子は小浦の家を出る決心をする。新しい生活に挑むのだ。小浦と優子は別れる。何年も連れ添おうが妻を忘れ、短い時間だが優子とは心が通い合った別れであった。言葉や態度ではない。それほど二人は傷つき生きる意味を見失っていたことを強固な結びつきで理解していた。

 暗く一見救いのない映画のように見えるが、すべてを失っても砂の上にすら残るつながりがあれば、それが心の芯として生きていける、わずかな希望にみちた映画であった。

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