劇場公開日 2025年6月20日

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「嫌いな映画でした。監督の少女時代のスケッチ⁉️」ルノワール 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5 嫌いな映画でした。監督の少女時代のスケッチ⁉️

2025年11月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

不快なスケッチ&ぶつ切りの断片→それをまとめるラストの人生讃歌⁉️で、誤魔化す。
冒頭から不快な映画だった。
♥︎
11歳の沖田フキちゃんが何者かに殺された。
そして葬式のシーンが描かれる。
しかし、これは沖田フキの夢を、本人が作文で発表しているのだ。
不謹慎で不快な映画でした。
続いて、お父さん(リリー・フランキー)が嘔吐するシーン。
お父さんは癌の末期です。
この映画は、映画の終わりでお父さんが亡くなって
そうして何事も無かったように終わるのです。

フキは特に父親の死に怯える感情も持たない。
「死」はむしろ好奇心の対象です。
私が11歳の頃、「死」は今の何百倍も怖いものでした。

私の勝手な解釈ですが、早川千絵監督は、「PLAN 75」でも分かるように、
かなり人間的に特殊な歪んだ性格を持つけれど、一方では
社会的に適応力が高く、仕事の出来る才能のある方なのでしょう。

このフキちゃんの役が、スラリとした美少女で利発な鈴木唯ちゃんという
フィルターを通すから、ちょっとエキセントリックだけど、
魅力的な少女として周囲は受け入れてしまいます。

時代設定は1986年頃。フキは11歳。
超能力に好奇心を持ち、透視してトランプの札を見ようとしたり、
友達に催眠術を掛けようとしたり、子供らしい好奇心旺盛である・・・
その友達に原爆で焼けて死んだドキュメンタリーフィルムを見せて
失神させたりする。

ボーダーラインの子供です。
優秀で知能は高いけれど発達障害があるようです。
「こちらあみ子」のあみ子より、カムフラージュする能力に
長けているから目立たないのです。
♥︎
お父さんの生きるための民間療法への100万円。
お母さんは、「どうせ死ぬのに・・・」と言い放つし、
外泊した部屋にはお母さんの喪服が広げられていたりするのです。
似たもの母・娘です。

1980年代バブル時代。
ニュースや服装や食べ物なども細かく再現されて、
時代背景はたしかに
美しい風景やモチーフで誤魔化されたけれど、
後半を観ないで前半のサキの言動だけ見てれば、
あみ子よりずっとヤバくて可愛げのない優しさのない子供。
私は「あみ子」はすごい好きでしたし不憫でした。
この映画は美しい少女の主役(鈴木唯ちゃん)が可愛くて利発だから、
人生からハブられないけれど、相当にヤバくて不謹慎で醜悪な面を
最後で辻褄合わせをしたとしか思えません。
多分、早川千絵監督は、子供の頃、かなり特殊で歪な少女だったのではないだろうか?
昭和の終わり頃の風物は懐かしいし、
ロケ地の岐阜県は緑も多い田園地帯で、撮影はとても美しい。

この不快感が、強い印象として刻まれないのも不思議だけど、

ラストの歌の歌詞を聞くと、内容は「人間賛歌」
内容と整合性があまりにとれずに、かけ離れていて、
正直言って恥ずかしくなりました。

なにかとても私には受け入れがたくて
ラストのヨットに乗って幸せそうなフキの映像とか唐突で、
フキが成長して、普通の心を持ったのなら、
少しは言葉で説明する必要があるだろうと思いました。

極端に言葉で説明しないのが大きな欠点でした。

琥珀糖
あんちゃんさんのコメント
2025年11月30日

わたしもダメな映画でした

あんちゃん
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