「初監督作品としては無理があるプロットで、脚本兼プロデューサーの責任は重い」キャンドルスティック よしてさんの映画レビュー(感想・評価)
初監督作品としては無理があるプロットで、脚本兼プロデューサーの責任は重い
面白くない映画は存在します。そして、クオリティの低い映画も存在します。ただ、クオリティが低く、面白みもない映画は記憶にありません。
映像そのものは悪くないです。俳優陣も魅力ある人たちが集まっています。
ただし、それらを一本の映画としてまとめ上げるはずの演出や脚本、編集といった要素がことごとくダメです。
そもそもなんで今どきFX? 原作が古いのにそのまま使ってません? 「AIを騙す」とか「痕跡を残さないハッキング」とか、セキュリティを突破する新理論とか、本来なら映画を面白くさせるべき要素がセリフで表面的に説明されてるだけで中身がないので何一つ面白くないです。
また、主人公とヒロインの出会いのきっかけとなるある特殊な能力も、ラストの展開に影響を与えるような説明があるものの一切腑に落ちません。もっと言えばヒロインは物語上存在しなくてもお話としては成立していまいます。ヒロインは演じる菜々緒さんが綺麗で魅力的だったこと以外、必要性がないのです。
もっと言えば、登場人物の半分くらいは出てこなくても映画的に十分成立してしまいます。
FX講師のキラさんなんて、いない方がマシというレベル。
お話自体4つのストーリーラインな並行して展開され、後半に一つの線として集約されますが、そこに必然性がなく、各ストーリーラインやその登場人物も充分に描けてないため、なんの高揚感も感じられないのです。
調べると、監督は長編映画を撮るの初めて。脚本もプロデューサーとしては実績のある方なのは知っていますが、脚本執筆は初めてのようです。それがそのまま作品に反映されています。
映画を撮る上で製作陣の力量が圧倒的に足りてないのです。
2025年、ここまでは「ショウタイムセブン」と「ぶぶ漬け、どうどす」がワーストに近い評価でしたが、下には下があるんですね。
阿部寛さん主演の「俺じゃない炎上」がさらにワーストを更新しないことを願ってます。
褒めるべきところがあるとすれば、90分ちょっとで映画が終わること。いや、このクオリティで120分超えなら確実に寝てるので、ここまで評価は低くならなかったかもですね……。
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。