「復讐アクションではなくスプラッター作品に近い」クリーナー 復讐の女神 うにたん♪(DCPにも抜け穴あるんだ)さんの映画レビュー(感想・評価)
復讐アクションではなくスプラッター作品に近い
掃除婦のサヤラが姉を殺した男を打ちのめすアクションと説明されているがいやな気分しか起こらない内容になっており爽快感は感じない。
タイトルに釣られて、内容の薄いアクション映画と思って観るつもりなら回れ右してもおかしくない内容です。
B級だからといってパッケージの黒髪ロングは居なくなるのはどうかと思うし、持ってる掃除のモップなんて殆ど使わない。
親父からソ連軍隊格闘術、サンボを教えられていると言うバックボーンを武器に相手を殺す技をアクションとして見せていくのかと思いきやかなり違うのでまた肩透かしされる。
主人公が冒頭から不機嫌で暗いサヤラ、寝かせたサンドバッグ肘を叩き込む訓練をするサヤラ、ジムでトレーナーとして勧誘された男にキスする妄想をするサヤラ…と、とにかくネガティブ。
姉ヨンジャもジムのオーナーと不倫関係、なのにオーナーが他の女と浮気してたらブチ切れて他の女の鼻を折るような真似をする。普通にダメダメな女ヨンジャ…。
危ない場所に呼ばれたのに身体を差し出すしか能の無い姉の姿は憐れでしかない。
さらに暴言を吐いてタコ殴りにされて男にハサミを突き立ててしまったらもう終わり。
尺は103分なのに姉が殺されるまで40分以上掛かる。
肝心の妹サヤラの報復がブッ飛んでいる。
相手の自宅に行って抵抗した妻とベビーシッターを殺し、果ては赤ちゃんにも…。
この時点ではサンボや柔術なんて関係なくナイフを突き立てていく…。
物語の端々で国旗が出てきても、何処の国かわからないし、民族的や政治的な対立や移民した先での生き方も基準が解らないから、サヤラ姉妹と母親がどんな暮らしで、姉があんなアバズレになってる理由ももう1つ掴めない。だから姉の行動も自業自得に見えて、サヤラの復讐に共感出来ない。
後半からアジトに侵入し、早々に復讐相手を全員拘束、後は銃で撃てば即終了なのだが、ここから驚きの展開を持ってくる。
拘束を解き、タイマン勝負しようと…。
拘束時にもチョークスリーパーを掛けて相手を落としているが、敢えて胴締めにせず、脚を腕に絡めて相手を制しているのがサンボらしい。
腕ひしぎ逆十字固めも出て、関節技出た~と思ってたら、戦場格闘の技噛みつき攻撃が…そこからのフィニッシュホールドがほぼスプラッターホラーになっているので、観る人を選ぶ作品に様変わりする(笑)
ラストも燃え上がる妄想の熱いキッスで終了するが誰かにお薦めしようとは思わなかった。