リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界のレビュー・感想・評価
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男前なケイトさん
好きな女優さん。
先日ケイト演じる主婦が、大恐慌を経た波瀾万丈な人生を送るドラマを観たばかり。
他にも田舎の刑事役を演じたドラマとか、割と男前な役が適役だと思っている。
本人はどういう役が好きかはともかく。
今回もベビースモーカーで自由奔放な女性の役。
いきなり脱いだり。
とにかく豪快な女性を演じてた。
老けメイクは特に違和感なし。
ただ、回想シーンはちょっとかわいそうだったかな〜。
役作りで減量する役者さんもいるけれど、それは酷というものか。
若い頃から肉付きがよかったという思えばいいかもだけど、加齢によるものとは違うかな、と。
爆弾を避けて走るシーンもかなりキツそうに見えた。
正直無理を言って戦場についてきた割には足手纏いでは?と。
下手するとオジサンにも見えてしまう、バスタブのシーン。
意味が私にはよくわからなかったな。
相方ディヴィッドを呼んで何をするかと。笑
少しだけの割には無防備でやりたい放題。
旦那さん役のスカルスガルドも若い頃を演じるにはやや無理があったか?身体は細いけど。
「アンジーの瞳」の頃くらいの若さだったらなぁ。
モデルとなる写真家については全く知らなかった。
こんな人もいたんだな、と。
もっと知りたくなった。
ウィンスレットの女優魂とむっちりボディ
ケイト・ウィンスレット主演・製作。
トップモデルから報道写真家へと転身した実在の女性リー・ミラーの半生を映画化した。
1938年、南フランス、アーティスト仲間たちとの休暇、イケメン芸術家(アレクサンダー・スカルスガルド‼︎)とのラブ・アフェア。時代の先端を行くファッショナブルなリーがいた。
第2次世界大戦が始まりすべてが一変。
従軍記者兼写真家として突き動かされるように戦場へ。強い衝動だった。決定的な写真を撮った。20世紀を代表する報道写真家となった。
ヒトラーが自死した当日、ミュンヘンにあるヒトラーのアパートの浴室で自らのポートレイトを撮影した。このシーンが強烈なインパクトを残した。この写真が世界に強烈なインパクトを与えた。
ウィンスレットの女優魂に感動する傑作となった。
【”リー・ミラーがナチスドイツ崩壊後も戦地に留まり、数々の哀しき写真を撮った訳。”今作は派手な交友関係があった彼女が、戦地の悲惨な光景を見て使命感を持ち、哀しき写真を撮り続ける姿が沁みる作品である。】
■1938年フランスのリゾート地。
モデルであったリー・ミラー(ケイト・ウィンスレット)は、芸術家や詩人の知人たち、ソランジュ・ダヤン(マリオン・コティヤール)やヌーシュ・エリュアール(ノエミ・メルラン)らとノンビリと休暇を過ごしている。
そんな時に芸術家のローランド(アレクサンダー・スカルスガルド)と出会い、出会って5時間後には恋に落ち、情を交わす。早いなあ。
だが、第二次世界大戦の脅威が迫る中、モデル業から、写真家としての仕事を得たリーは、アメリカ「LIFE」誌のデイヴィッド・シャーマン(アンディ・サムバーグ)と出会い、チームを組むのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・本作の構成は、老いたリーが若い記者(ジョシュ・オコナー)からの問いに答える形で、過去に彼女が経験した事が描かれて行く。
・序盤は、モデルであったリー・ミラーのリゾート地での優雅な文化人の知人たちとの休暇風景と共に、彼女が芸術家のローランドと恋に落ちる様が描かれる。
・だが、画面が一変するのは第二次世界大戦末期に入ってからである。英国版「VOGUE」にファッション写真を発表していた彼女は、戦場カメラマンとして戦地で女性と言う壁を乗り越え、数々のスクープ写真を撮って行くのである。
女性戦場カメラマンとしては、彼女とマーガレット・バーク=ホワイトが有名であるが、リー・ミラーはそれまでの華やかな世界から戦場写真家に転身した点が、特徴であろう。
又、女性戦場ジャーナリストとしては、ロザムンド・パイクが「プライベート・ウォー」で演じた戦地で左目を失明し眼帯をした姿の、メリー・コルビンが有名であるが、リーはその先駆者と言っても良いであろう。
・彼女が異臭がする街で見た列車の中で死んでいる多数のナチスに囚われた人達や、ガリガリに痩せこけて山のように積まれた人たちの姿を見た時の表情や、マリオン・コティヤール演じるソランジュ・ダヤンが、荒れた部屋でやせ細った身体で掃除をしている姿を見た時の表情と、彼女を抱きめる姿。
そして強制収容所で乱暴されたロマの娘、ナチスに協力したとして髪を切られるフランス人女性達の姿を、次々に写真に収めて行くのである。沈痛な表情で・・。
■ヒトラーが愛人と自死した後に、彼のアパートの浴槽で自らが裸で入り、撮影した写真は余りにも有名であるが、今作ではその場も収められている。
その際のリーを見ると、可なり直情的な人だったのかなと思うが、だからこそ、あのような悲惨な写真を戦地に留まって撮り続けたのだと思う。
・だが、彼女の写真は英国版「VOGUE」の”戦勝版”には、一枚も掲載されないのである。彼女の味方だった編集長オードリー(アンドレア・ライズボロー)は、事情を説明するが怒り狂った彼女は自身の写真を次々に破り捨てるのである。
・そして、再び老いたリーと若い記者との姿が映される。すると、リーはその記者に紐で結んだ箱を開け、中から彼の幼き時の写真を取り出すのである。若い記者は彼女の息子だった事が分かるのである。
若い時に”子供は作らない”と言っていた彼女は、子を成しその子の幼い時の写真を大切に取って置いたのである。少し、沁みる・・。
<今作は、派手な交友関係があった彼女が、戦地の悲惨な光景を見て、人間として使命感を持ち、哀しき写真を撮り続ける姿が沁みる作品なのである。
現況下、このような作品をプロデュースし主演した大女優ケイト・ウィンスレットさんには、敬意を表すべき作品でもあるのである。>
癒えない心の傷。
1938年、南フランスで仲間と休暇中に出会った芸術家ローランドとの恋、その直後起こる第2次世界大戦、当時の話を聞く男性ジャーナリストと、その話を語るリー・ミラーの話。
芸術家ローランドと恋に落ち、直後の戦争、当時雑誌Vogueでモデルとして活躍してたリー・ミラーが写真家から従軍カメラマンとなり見てきた“現場”、戦後も鮮明に残る記憶、残る写真で“癒えない心の傷”の内を語り映像として見せてく。
ナチスとかこっちの系の話は苦手で知識もない私ですが。ただ本作観て思ったのは女性リー・ミラーの強さ、正義感、男勝りな性格が印象的!
持ち帰ったパンを食べる女性達の中にいる独りの少女、その娘へ「恐がらないで…」といいながら写真を撮るシーンは何かグッときたね。
作品としは面白いとかツマラナイではなく、こんな事実があったんだって感じ。
観賞後に気になってリー・ミラーさんを調べたらホントにキレイ!雑誌Vogueってこの時代には既にあったんですね!
シビルウォーの空気感
が現実に迫る中、“リー”について考えるのは更なる学習と考えた。
序盤はケイトウィンスレットのボディーに圧倒される。まるで白鯨、ベッドに横たえるのも一苦労だよねシャーマンくん。
この作品からは戦場カメラマンのモチベーションって部分は見いだせなかった。作り手もソコが目的では無かったのだろう、インタビュー自体虚構だったし。道理でジンの量が増えたりしてたの?
自分なりに解釈すると、何より行って、見て、判断する行為をしたかったんじゃ。無論報道に載せたかったんでしょうが、それが一番の目的じゃなかったと思います。
やはり酒とクスリが無いと、戦場では正気を保てないのか。みんながそんなの嫌だぁー!!と敬遠する時は来るのだろうか?
ナチスの残虐性を暴いた戦場女性カメラマン
リーを演じたケイト・ウィンスレットの演技が圧倒的だ。
これに尽きる作品だと思う。
冒頭いきなり
戦場でナパーム弾の爆風に巻き込まれるリーの姿から、
1977年に自宅で記者から過去を振り返るインタビューへ
転換し、リーによる昔語りが始まるのは、私としては
『タイタニック』を彷彿とさせるオープニングだった。
リーの奔放さもさることながら、
その行動力、意志貫徹度合いなどの気迫がハンパない。
真実を追求する姿には感銘を受けた。
幼少時のトラウマから、女性へ味方することは徹底して
おり、あらゆる場面でそれを感じることができたが
印象的なのは写真を撮る時にファインダーを覗きながら
シャッターをきるのではなく、相手を見てシャッターを
きる姿には、被写体へのリスペクトを感じた。
おそらく自身がモデルだったことが、
リーのカメラマンとしての信条をつくりあげていると思う。
強制収容所を撮影するシーン、
ヒトラーの邸宅のお風呂で撮影するシーン、
は、彼女なりの戦争の真実をより現実的に伝えるための
シチュエーションだったに違いない。
その生き様を、晩年に記者である息子に伝えたのは
死期を悟ったからではあるまいか。
そのラストシーンにもグッときた。
リーの真剣な生き様を見事に演じ切った
ケイト・ウィンスレットに惜しみなく拍手をおくりたい。
人間の目には命が満ちている
こないだMOVIEWALKERさんの試写会に招待して頂きました🎬
ケイト・ウィンスレットはリー・ミラーを力強く演じてますね🙂
ものすごい行動力と胆力を併せ持つ女性で、この時代はまだ男女差別的な思想があったはずですが、それでも戦争の現実を撮り続ける姿勢には驚嘆しました。
リーとタッグを組むデイヴィッドにはアンディ・サムバーグ🙂
彼も良き理解者であり同業者として、リーを支える姿に感服します🫡
それにしてもローランドを演じたアレクサンダー・スカルスガルドは男前ですね。
あれじゃリーとすぐ恋仲になるのも仕方ないのかな🤔
リーの友人ソランジュにはマリオン・コティヤール🙂
凛とした美しさは相変わらずですが、今作では出番少なめで残念でした😥
VOGUE誌の編集者オードリーを演じたアンドレア・ライズボローも、手堅い演技で存在感を発揮していましたよ🙂
「シビル・ウォー アメリカ最後の日」
のリー・スミスは、今作のリーがモデルだそうで。
時に目を覆いたくなるシーンもあり、戦争がもたらす被害について考えさせられる作風です😔
シビル・ウォーが好きな方には、是非見てもらいたいですね🖐️
上映後のトークショーでは
渡部陽一さん
LiLiCoさん
が登壇。
渡部さんはあの口調で感想を述べられており、LiLiCoさんは同じ女性としての立場からの見解をそれぞれ語ってくれました😀
進行は奥浜レイラさんが務めてましたね🙂
滅多にない機会で、充実した時間を過ごせました🫡
MOVIEWALKERさん、ありがとうございます😁
一般公開は5月9日からですよ👍
(オンライン試写会は内容に関係なくネタバレ扱い)彼女の果たした実績にフォーカスが当たった良作。おススメ。
今年97本目(合計1,639本目/今月(2025年3月度)31本目)。
もう4月も来そうですが、日によって10度も乱上下するのでもう少しダッフルコートが必要な私。オンライン試写会に招いていただいた fansvoice さま、ありがとうございました。
彼女のモデルからの写真家への転身、そしてその写真家の実績から彼女の生涯全体を描くドキュメンタリー(に準じる)作品です。当時、モデルといえば確かに体格や顔つき等で当然(今もでしょうが)縛られていた、かつ女性の権利が抑制的に働いていていたこの当時の時代において、写真家に転身して撮影した写真の多さや重要さは、男女問わず20世紀の「代表的な写真家」と言われます。いわゆるナチスドイツの蛮行を撮影した写真(作品)や、当時の戦争の中でも、女性が動員(ここでいう「動員」というのは、実際にパイロット等として戦場に赴くことを要請されたことをいう)された彼女たちを描いた写真等は戦後高く評価され、今では20世紀の写真家として誰を上げる?と言われれば彼女をあげる人は少なくない人物でもあります。
しかし一方で戦争に多くまつわる写真を多くとってきた彼女はやはりその事情から少しずつ精神を病んでいったのであろうこと、また史実に沿えばこの当時に結婚離婚(形式的なものも含む)を繰り返したこともあり精神的に不安定なこともありました。このことも映画内では示されます。
全般的にドキュメンタリー映画ではないですが、彼女の一生涯を描くという意味において「ドキュメンタリー映画に準じる」作品であり、観てよかったなという作品です。正規公開は5月とかなり先のようですが、迷ったらおススメ枠(いわゆる映画の中でも「教養枠」と言われるところに位置するか)といったところです。
採点上特に気になる点までないのでフルスコアにしています。ただ、彼女が活躍した当時のフランス、ドイツ等の史実(まあ、高校世界史程度の知識で十分ですが)にある程度詳しいと見るときに有利かもしれません。
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