「彼女の世界?現実の世界?」リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界 すけちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
彼女の世界?現実の世界?
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まさに『その時代』を生きてきた人⋯⋯女かな?
あまり多くを語らない自由に誰にも縛られなく言いたい事も言い感性の赴くまま進んできた人。
なんだろうけど写真から見えた光や影には彼女自身そのものを捉えていたのかもしれない。
やはりまだ女というだけで虐げられた時代に翻弄されて納得行かないアメリカ人。
同じ所には長くいれば切れ味が鈍るナイフかの様に男や文化、そして時代に立ち向かって行った彼女。
別に好き好んで前線に飛び込んだ訳ではなく、自身に起きた過去から逃げて立ち向かい乗り越えようとした彼女の一部を写真にしたのかも。
そして戦争の終結時に霧の中に迷い込んだかの様に彷徨い行き着いた地獄の淵⋯⋯。
知って欲しかった今起きている世界を戦争を傷ついた人々を、そして女性たちを。自分自身を。
バスタブでの1枚はヒトラーの邸宅(戦争、暴君、権力、そして男たちの世界の象徴)ですべての不安を脱ぎ去り、温かい湯の中で安息をつき汚れを流してさらなる世界に準備をするかの様にも思える。
しかし誰も見ようとはしなかった。
戦争の真実や女性、そして彼女を。
彼女が現代にいたら何を見ているのだろう?
いや自分たちは目を逸らさず真実を捉え立ち向い後世に残し伝える。
過ちは誰でも起こしうる事。だけど過去から学ぶ事は出来るはず。
誰もが安心して温かい湯に身を浸す幸せな時間を得る事を祈りつつ。
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