劇場公開日 2025年5月9日

「「リー・ミラーさんの半生を聞いてみよう〜」な作品。by鬼越」リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界 ソビエト蓮舫さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0「リー・ミラーさんの半生を聞いてみよう〜」な作品。by鬼越

2025年5月16日
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鑑賞方法:映画館

驚く

鬼越トマホークのYouTubeチャンネルには、芸人をゲストに呼んで、話を聞き掘り下げる、
「●●さんの半生を聞いてみよう〜」という人気企画があるのだが、
その企画の歴代再生数トップ3は以下の通りだ。

3位(205万再生)
ロバート山本

2位(217万再生)
ガダルカナル・タカ&つまみ枝豆

1位(226万再生)
ドランクドラゴン鈴木拓
※2025年5月中旬現在
地味な芸人だらけのトップ3だ。

ロバート山本は、プロボクサーライセンスをとった話が面白く、
ガダルカナル・タカは、親がヤ●●という、地上波NG級の鉄板ネタがあり、
つまみ枝豆は、芸人になる前は街宣右翼活動家だったという有名な話があり、
鈴木拓は、河原野宿生活経験者という、野性味溢れたエピソードトークを持っている。

芸人としては決して大スターとは言えず、テレビでも見かけるのは稀な人たちとも言えるが、

彼らは最終兵器のようなエピソードトークを引っさげて、いろんなYouTubeチャンネルに呼ばれては、
毎度再生数を爆上げさせ存在感を示している。

華は無いが味わいのある、いぶし銀のような名人芸の話芸だ。

さて、この映画は、鬼越トマホークの企画風に例えるならば、
「リー・ミラーさんの、半生を聞いてみよう〜」というお話。

母親のリー・ミラーが、なにやら確執のあるっぽい息子アントニーと対話してる所から、物語はスタートする。
ちなみに、アントニーと言っても、鬼越トマホークと同期、マテンロウのアントニーではないし、
「地面師たち」のドラマでもないので、あしからず。
(^_^;)

この、リー・ミラーという女性。最初はモデルという出役側のキャリアだったが、
モデルとしては売れなくなり、写真家に転身し、とりわけ、
第二次世界大戦中に戦争写真を撮りまくった、という経歴の持ち主なのだそうだ。

日本人でたとえると、女優だったのに、沢尻エリカ事件の余波で「ばかうけ」イメージが付き、
OLに転身せざるを得なくなった片瀬那奈みたいなもんだろうか。

そして、リー・ミラーの一番有名な写真というのが、
アドルフ・ヒトラーが自殺した日に、
ヒトラー邸宅の浴槽内で、自分のヌードを撮った写真なのだそうだ。

そんで実質、それが彼女の唯一にして最大のエピソードトークの持ちネタになる、、、

ほぅ、、、

ん?

えぇ━(*´・д・)━!?

それだけで2時間の映画を撮ろうとしたの?
マジで眠くてキツかったんすけど?
このネタ1本で、さんま御殿を乗り切ろうとしたの?
このエピソード1本で、アメトークやれると思ったの?

それは無理でしょ!!!
アァ?(´Д`)σ)Д`)ァゥァゥ

実際、無理でした。
ここの見せ場まで、彼女は従軍写真家のような動き方をするのだが、
どこに行っても、戦闘がすでに終わった事後写真のみ。
戦闘中の遭遇は1度だけあったが、写真は撮れていなかった。

確かに大量虐殺された、屍の山積みのような写真を撮るシーンもあったが、
これだったら映画「シビル・ウォー」の報道写真家の方が、
まだ臨場感ある写真を撮っていそう。

そもそもの大前提なのだが、リー・ミラーという人間の半生、

面白いのか?

という、大いなるクエスチョンマークが、常に頭をもたげ続ける作品なのだ。
ぶっちゃけ、リー・ミラーの戦争体験話より、
私の知り合いのおばあちゃんの戦争体験談の方が、
よっぽど面白かったりする。

私が営業先で尋ねた、比較的古い豪邸に住んでたおばあちゃんは、
ガキの頃、空襲で近くの防空壕へひっきりなしに逃げ込んだそうだ。
その防空壕で、一緒に避難した近所のおじいちゃんというのが、
あの「大川周明」だったというのだ!
エッ(゚Д゚≡゚Д゚)マジ?

大川周明は、当時軍部に多大な影響を与えていた国家主義者、思想家であり、
いろんなクーデターにも関与したと言われる、
端的に言えば「ヤバいおじいちゃん」。

一番有名なのは、A級戦犯となり、死刑にされるのが嫌だから、
精神障害者のフリをして、東條英機のハゲ頭を後ろからペチンペチンと引っ叩き、
死刑にされずに済んだと言われる、あの伝説のエピソードの持ち主。

その大川のおじいちゃんと一緒に、おばあちゃんは幼女の時、毎回防空壕に逃げ込んでいたらしい。

「大川さんはねえ、空襲が嫌いでねえ、いっつも怖い怖いって言ってたの。ああ見えて、怖がりだったのよ〜。」

(;゚Д゚)(゚Д゚;(゚Д゚;)ナ、ナンダッテー!!

軍部を煽ってクーデター起こさせるようなヤバいおじいちゃんが、
空襲にビビりまくる臆病者だった。
これはもしかして、日本史を書き換えるかもしれないレベルの、
衝撃の告発ではないのか?

坂本龍馬を歴史教科書から消すレベルの、とんでもない暴露なんじゃないのか?

私のおばあちゃんから口頭継承したエピソードトークの方が、
リー・ミラーの半生よりも、よっぽど面白いと思うんだがなあ。
映画化されないかなあ。。。
( ´ー`)y-~~

※追記
もしかしたら大川周明ネタ、他の映画で既出かもしれないという一抹の不安。
映画以外でも昔からいろんな所で使うエピソード。仕事でも使うので、もう、わけがわからない。

ソビエト蓮舫
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