「従軍記者リーが見た戦争の悲劇とナチスの蛮行。」リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界 マサヒロさんの映画レビュー(感想・評価)
従軍記者リーが見た戦争の悲劇とナチスの蛮行。
解放されたユダヤ人強制収容所の場面がすごい。悲惨な映像とケイト・ウィンスレットの名演により、リーの受けた衝撃が伝わってくる。
戦後、戦地を離れた後も、戦場のフラッシュバックで鬱に悩まされたというのも頷ける。
自分の近くで銃弾が飛び交い、爆弾が破裂したり、積み上げられた死体の山を映像で見るのと、体験するのとでは受ける衝撃度がダンチだと思う。映像では実体験の空気感は体験できないと思う。死体の山はニオイまであるから最悪だ。
リーの戦場での体験がトラウマになるわけだよ。
それから、ヒトラーの家の浴室で撮った写真は初めて知った。有名な写真らしいが、僕は特にメッセージ性は感じられなかった。
この頃リーは戦場カメラマンだから、モデル時代と違って自分が写されることはない。多少は自分か相棒がポートレートを撮ったかもしれないが。
だけど、ヒトラーが使っていた浴槽を見て、リーのモデル魂というか、元モデルの血が騒いだんじゃないかな?
あるいは、アーチストとしてのアイデアが閃いたんじゃないかな。「このバスタブを使って遊んでやれ」なんて思ったのだ。
つまり、リーの遊び心の一作だ。
「あの有名な作品がリーの遊び心?それホントかよ」って、もちろんただの妄想でふ (^^)。
あと、邦題の方が原題より分かりやすくて良いと思った。
原題の 「Lee」 じゃあ ジーンズの映画か?なんて突っ込みたくなる (^^)。
リーのことは全く知らなかったので、観賞直前に、Wikipediaと、リーに関する以前のボーグの記事(ボーグ ジャパン2018/3/18)をざっと読み、VOGUEでのトップモデル時代、パリでのアーティスト、ミューズ時代、戦場カメラマン時代、後年、戦場での影響で鬱に悩まされたことなど、ニワカ知識を頭に入れて観賞。
どーせ才色兼備なモデル上がりのネーチャンの(失礼^^、訂正:ネーチャンの → 女性の)、波乱と苦悩に満ちた生涯の伝記だろう、なーんてタカをくくって踏ん反り返って観てると頭をガツンとやられる。 (この「踏ん反り返って観てる」というのは、Nさんの「今日の空~」のレビューにあったフレーズのパクリである (^^)。)
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