「【”リー・ミラーがナチスドイツ崩壊後も戦地に留まり、数々の哀しき写真を撮った訳。”今作は派手な交友関係があった彼女が、戦地の悲惨な光景を見て使命感を持ち、哀しき写真を撮り続ける姿が沁みる作品である。】」リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”リー・ミラーがナチスドイツ崩壊後も戦地に留まり、数々の哀しき写真を撮った訳。”今作は派手な交友関係があった彼女が、戦地の悲惨な光景を見て使命感を持ち、哀しき写真を撮り続ける姿が沁みる作品である。】
■1938年フランスのリゾート地。
モデルであったリー・ミラー(ケイト・ウィンスレット)は、芸術家や詩人の知人たち、ソランジュ・ダヤン(マリオン・コティヤール)やヌーシュ・エリュアール(ノエミ・メルラン)らとノンビリと休暇を過ごしている。
そんな時に芸術家のローランド(アレクサンダー・スカルスガルド)と出会い、出会って5時間後には恋に落ち、情を交わす。早いなあ。
だが、第二次世界大戦の脅威が迫る中、モデル業から、写真家としての仕事を得たリーは、アメリカ「LIFE」誌のデイヴィッド・シャーマン(アンディ・サムバーグ)と出会い、チームを組むのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・本作の構成は、老いたリーが若い記者(ジョシュ・オコナー)からの問いに答える形で、過去に彼女が経験した事が描かれて行く。
・序盤は、モデルであったリー・ミラーのリゾート地での優雅な文化人の知人たちとの休暇風景と共に、彼女が芸術家のローランドと恋に落ちる様が描かれる。
・だが、画面が一変するのは第二次世界大戦末期に入ってからである。英国版「VOGUE」にファッション写真を発表していた彼女は、戦場カメラマンとして戦地で女性と言う壁を乗り越え、数々のスクープ写真を撮って行くのである。
女性戦場カメラマンとしては、彼女とマーガレット・バーク=ホワイトが有名であるが、リー・ミラーはそれまでの華やかな世界から戦場写真家に転身した点が、特徴であろう。
又、女性戦場ジャーナリストとしては、ロザムンド・パイクが「プライベート・ウォー」で演じた戦地で左目を失明し眼帯をした姿の、メリー・コルビンが有名であるが、リーはその先駆者と言っても良いであろう。
・彼女が異臭がする街で見た列車の中で死んでいる多数のナチスに囚われた人達や、ガリガリに痩せこけて山のように積まれた人たちの姿を見た時の表情や、マリオン・コティヤール演じるソランジュ・ダヤンが、荒れた部屋でやせ細った身体で掃除をしている姿を見た時の表情と、彼女を抱きめる姿。
そして強制収容所で乱暴されたロマの娘、ナチスに協力したとして髪を切られるフランス人女性達の姿を、次々に写真に収めて行くのである。沈痛な表情で・・。
■ヒトラーが愛人と自死した後に、彼のアパートの浴槽で自らが裸で入り、撮影した写真は余りにも有名であるが、今作ではその場も収められている。
その際のリーを見ると、可なり直情的な人だったのかなと思うが、だからこそ、あのような悲惨な写真を戦地に留まって撮り続けたのだと思う。
・だが、彼女の写真は英国版「VOGUE」の”戦勝版”には、一枚も掲載されないのである。彼女の味方だった編集長オードリー(アンドレア・ライズボロー)は、事情を説明するが怒り狂った彼女は自身の写真を次々に破り捨てるのである。
・そして、再び老いたリーと若い記者との姿が映される。すると、リーはその記者に紐で結んだ箱を開け、中から彼の幼き時の写真を取り出すのである。若い記者は彼女の息子だった事が分かるのである。
若い時に”子供は作らない”と言っていた彼女は、子を成しその子の幼い時の写真を大切に取って置いたのである。少し、沁みる・・。
<今作は、派手な交友関係があった彼女が、戦地の悲惨な光景を見て、人間として使命感を持ち、哀しき写真を撮り続ける姿が沁みる作品なのである。
現況下、このような作品をプロデュースし主演した大女優ケイト・ウィンスレットさんには、敬意を表すべき作品でもあるのである。>
情報ありがとうございます!
パディントンは平日行こうかと思ってます。てか今週スケジュール悪すぎで時間被りで効率悪いんですよね。
今日は既に酒飲んでるので劇場は行かず配信観ようかなって感じです。
楽しんで下さい!
共感ありがとうございます。
今とは比較にならない性差別だったと思いますが、折られず正攻法で向かっていくのが爽快でした。でもやはり惨状を観過ぎたんでしょうね・・最後の箱の中身はあのカメラかと思いました。
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