「(オンライン試写会は内容に関係なくネタバレ扱い)彼女の果たした実績にフォーカスが当たった良作。おススメ。」リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
(オンライン試写会は内容に関係なくネタバレ扱い)彼女の果たした実績にフォーカスが当たった良作。おススメ。
今年97本目(合計1,639本目/今月(2025年3月度)31本目)。
もう4月も来そうですが、日によって10度も乱上下するのでもう少しダッフルコートが必要な私。オンライン試写会に招いていただいた fansvoice さま、ありがとうございました。
彼女のモデルからの写真家への転身、そしてその写真家の実績から彼女の生涯全体を描くドキュメンタリー(に準じる)作品です。当時、モデルといえば確かに体格や顔つき等で当然(今もでしょうが)縛られていた、かつ女性の権利が抑制的に働いていていたこの当時の時代において、写真家に転身して撮影した写真の多さや重要さは、男女問わず20世紀の「代表的な写真家」と言われます。いわゆるナチスドイツの蛮行を撮影した写真(作品)や、当時の戦争の中でも、女性が動員(ここでいう「動員」というのは、実際にパイロット等として戦場に赴くことを要請されたことをいう)された彼女たちを描いた写真等は戦後高く評価され、今では20世紀の写真家として誰を上げる?と言われれば彼女をあげる人は少なくない人物でもあります。
しかし一方で戦争に多くまつわる写真を多くとってきた彼女はやはりその事情から少しずつ精神を病んでいったのであろうこと、また史実に沿えばこの当時に結婚離婚(形式的なものも含む)を繰り返したこともあり精神的に不安定なこともありました。このことも映画内では示されます。
全般的にドキュメンタリー映画ではないですが、彼女の一生涯を描くという意味において「ドキュメンタリー映画に準じる」作品であり、観てよかったなという作品です。正規公開は5月とかなり先のようですが、迷ったらおススメ枠(いわゆる映画の中でも「教養枠」と言われるところに位置するか)といったところです。
採点上特に気になる点までないのでフルスコアにしています。ただ、彼女が活躍した当時のフランス、ドイツ等の史実(まあ、高校世界史程度の知識で十分ですが)にある程度詳しいと見るときに有利かもしれません。