フーリッシュ・バードのレビュー・感想・評価
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カゴの中の鳥。
「卵と石」は暗闇の中、水滴が滴る音で終わる。
今作の幕開けも同じく水滴の音だ。これは正式な続編では無いが、どこか地続きの現実を表現している様で一気に引き込まれてしまう。
画面越しの推しに勝手に金を貸して、返してもらえなくなって刺し殺すほど、大の大人にも毒であるSNSが未成年者にとって猛毒でないはずがない。
他人事ではない。
のめり込んだ時ほど、善悪の判断が付きづらいもの。
スマホを池にぶん投げるシーンは依存からの脱却、今後の現実と向き合う決意を示している様だ。
この先の未来は決して明るいものではないだろう。
傍観者である自分の無力さこそ現実である。
少し説明が足りないくらいが脳みそ気持ち良い。
夫婦共同監督鑑賞3本目。制作としては2作目の本作。
今回も大塚氏の撮影が素晴らしい。
一作目の卵はヒロインがまだ子供なせいもありシンプルで強力だったが、だんだん自我でてきたり社会の一員になってたりと話が複雑化して行くものだなぁと痛感。どんなに田舎でも、どんなに貧しくても今スマホは必需品だから話に深く絡むようになった。良くも悪くも出会いにはもはや必需品で、その良くない方が本作の軸になっている。
初体験、、と荒筋にはあったが年寄りの考えるロマンチックな物は現代世界のどこにもすでに無いらしく、むしろ早いとこ捨てたい物となったようだ。とはいえ自分の体内に異物が入る感覚は男性には到底想像出来ない部分で、さらにその先にある妊娠となると異世界レベルである。若い子達の危うい感覚をこうして映画でトレースして暗い箱のなかでヒリヒリする経験も老人には重要だと思う。
三作一貫して中国の田舎で女性達の生きづらさ、女性の根源的な悩み、、みたいな物をテーマにしてます。
同じ役者で3本作り、次に何作るのか興味湧きまくり。
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