「安心・安全な映画で、予定調和の鑑のような、過激性・不良性一切ゼロです、だから良いのか悪いのか?」ベスト・キッド レジェンズ クニオさんの映画レビュー(感想・評価)
安心・安全な映画で、予定調和の鑑のような、過激性・不良性一切ゼロです、だから良いのか悪いのか?
まあセオリー通りと言いましょうか、文科省推薦の教育映画のような、毒にも薬にもならないけれど、それなりにまとまっている作品です。ラルフ・マッチオ主演は遥か昔の41年前、それにレジェンズをプラスしての新作です。しかしNetflixでは「コブラ会」のタイトルでシリーズ化して人気を博していたとのことで。多分、それらのファンをあてにしての新作でしょう。ご丁寧にラルフ・マッチオ(まるで老けてないのに驚き)のみならず、ジャッキー・チェンまで引っ張り出して復活をアピールする。
しかし、いじめられっ子が最後は悪役を叩きのめす骨子は変えようがなく、いかにアレンジできるかがカギ。北京からニューヨークへ、ちょっとしたニューヨーク観光気分の変にキラキラした昔のイメージを漂わせる。でないと、この古臭い“スポ根タイプ”のおとぎ話は成就しませんからね。で、なんと少年がいきなり執念に燃えるのも厭らしいからか、変化球でステディとなるガールフレンドの父親の特訓からスタートとは。もっともこの設定で娘の甲斐甲斐しい姿が強調される計算の上。扮するセイディ・スタンリーの嫌みのない朗らかさがチャーミング。
当然に父親はリングで倒され、さらに亡くなった兄の復讐話をぶち込んで、主人公りーが立ち上がる仕掛け。日本の岡山天音にちょい似た主演のベン・ウォンの平べったいお顔も段々チャーミングに見えてくるのも不思議。おまけにラストにはミアとのキスまで果たすのですよ、羨ましい限り。この定番のような特訓シーンが映画の肝で、古今東西厳しい特訓が描かれる。まあ「ロッキー」以降の決まり事なんですがね。このマンハッタンのビルの屋上のちょっとしたガーデン、実に良くできてまして、背景のビル群はすべて合成のスタジオ撮影なんですね。
ハリウッドのフランチャイズ路線はますます強まるばかり。全くの新作の売り込みの困難を思えば、続編とした方が遥かに受け入れらるものだから、仕方ありませんね。創作意欲がますます減衰の大問題なんですがね。言い換えれば、観客の審美眼も衰え、“タイパ”ばかり優先される風潮がいけませんね。
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