「仏作って魂入れず・・・」ベスト・キッド レジェンズ カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
仏作って魂入れず・・・
欧米人が描く日本伝統の「〜道」って、精神性への理解が難しいためか、どうしても「トンデモ」になっちゃうという典型的な作品。(というかシリーズ)。
心や気持ちの様な目に見えないものは最初から表現しませんという、ある意味合理的な考え方だけど、自分も日英バイリンガルのアメリカ人の同僚に「侘び寂び」を説明するのに苦労した思い出があり、生活する中で感じ取る日本特有の感覚なので仕方がないとは思ってるけど。
大都市ニューヨークで小柄な男子が屈強な体躯のいじめっ子を空手で倒すという爽快なカタルシスを感じさせるためにはステレオタイプのアジアンビジュアルというのは必須だったのだろうが、恋愛要素も多分に含まれるストーリーにもかかわらず、なぜ彼?というあくまでも個人的な疑問と不満が終始引っかかったままだった。
シリーズ1弾目では特に強調された、日々の鍛錬の積み重ねや正しい生活を送る事の重要性などは完全にスルーされ、クンフーと空手2人のレジェンドとの10日間の特訓だけって、ミヤギ道の精神とは相反するものの様な気がしてガッカリした。
ラルフ・マッチヨの近影が見られたことは収穫だった。
高校生の頃「アウトサイダー」にハマり、出演していたブラッドパックがその後に大活躍をした事が嬉しかったが、グループでは坊や役だった彼が実年齢では一番年上だった事を知りちょっと驚いたことも含め思い出深い役者さん。
シリーズ各話を一つにまとめ上げ、クンフーや空手とはかけ離れたイメージの北京やニューヨークを舞台にするチャレンジ性は認めるが、「SHOGUN」で真田広之がこだわった様に、せめて日本人の空手家の監修くらいは受けて欲しかったと思う。
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