「NO PAIN & BRAVE」Mr.ノボカイン ニコラスさんの映画レビュー(感想・評価)
NO PAIN & BRAVE
主人公ネイトは信用組合の副支店長として非常に誠実であり、また日常生活においては超がつくほどに慎重な行動を取る。そのどちらもが物語の展開と共に理由は明らかにされて行くのだが。
さて、作品の内容はひとまず置いといて、この着想って冗談ばかり言い合っては盛り上がるようなオッサンたちの飲み会で「あのさぁ、全く痛みを感じない男がいて、しかもへなちょこなんだけど」なんて誰かが言い始めたら「おっ、イイね!それが強盗犯を追いかけるけど武器は何も無し、だけど痛くないから無敵状態で」とか与太話でどんどんストーリーが広がっていく、そんなノリみたいなものを感じて、自分だったらどんなキャラに仕上げるだろうなぁ、なんてニヤニヤしてしまいました。
作品に戻れば、格闘シーンなどはかなりのグロさなのですが、人物設定やそれぞれの関係性が上手だったので、これからどうなるの?ってドキドキ・ワクワク感が勝り、目を逸らさずに観続けることができました。
いやぁ、ネイトは勇敢でしたね!とにかく真っ正直、しかも途中では資金繰りに困った顧客に金を渡し(資金洗浄の説明までして)、あっ、このお爺さんの言葉も素敵でしたね。50年連れ添った奥様へのお悔やみに対し、50年前の今日妻が亡くなっていたとしても悲しみは同じだったさ。この一言に気持ちをぐっと持って行かれました。
ただ、最後の一人を倒す際の手段、折れて飛び出た自分の骨を刺すのって、確か他の作品でもあったような……(思い出せなくてもどかしい)
エンディングで流れた希少な病を患っている方やその周囲の方への配慮を、そんな感じのメッセージ、ネイトの全身に刻まれたタトゥーがそこに繋がった気がして、ふっと心が軽く、また温かくもなりながらスクリーンを後に出来ました。
血に耐性のある方ならおススメします。