レッド・ツェッペリン ビカミングのレビュー・感想・評価
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当然ながらシリーズ化を希望
ジョン・ボーナムの貴重なインタビューのおかげで、メンバーそれぞれの音楽的背景からツエッペリンに迫ることができた、非常に興味ふかいドキュメンタリー。ただメンバー公認ということもあってか、基本的には本人たちが踏み込んでいいと決めた範囲内ではあるというか、あくまでも偉業にまつまる物語であって、恥を晒す姿勢が見えては来ない物足りなさはある。でもまあ、全然知らなかった「ゴールドフィンガー」のエピソードであるとか、そういう過去も当然だよなあと思わせるミュージシャンとしての説得力とか、IMAXの音響で聴くことができた演奏の興奮とか、やっぱり高揚は抑えられない。とりあえずこの映画を観に行った誰もが3枚目以降の話も聴かせてくれよと思っているだろうし、なんならちゃんと『イン・スルー・ジ・アウト・ドア』の舞台裏まで語ってほしいし、ツェッペリンには今聴いてもちょっと戸惑ってしまうような曲や演奏もあるので、その辺のことにも踏み込んでほしい。なのでシリーズ化希望です。
デビュー前演奏の高音質化は見事。バンド活動期の前半しか扱わないのは不満
バンド公認のドキュメンタリーとのことで、ライブ演奏等の音質には並々ならぬこだわりがうかがえる。メンバー4人が揃って(名義はヤードバーズだが)初めて観客の前で演奏した1968年9月デンマークのグラズサクセ・ティーンクラブのシーンなどでは、楽器3ピースの音像がしっかり分離していて音質もタイト。撮影カメラが複数台使用されていることから推測するに、もともとテレビ番組かドキュメンタリー用に収録されたマルチトラック音源が保管されていて、それを今回リマスタリングしたのかもしれない。
タイトルに「ビカミング」が含まれているように、本作が扱う期間はメンバー4人それぞれが音楽に触れのめり込んでいった頃から、ミュージシャンとして出会い、ジミー・ペイジを中心にバンドを結成し、レッド・ゼッペリンとしてデビュー、セカンドアルバムをリリースした後まで。残念ながら、「移民の歌」(デヴィッド・フィンチャー監督作「ドラゴン・タトゥーの女」のオープニングでかっこいいカバー曲が印象的だった)を含む「レッド・ツェッペリン III」や、代表曲「天国への階段」のほか「ブラック・ドッグ」「ロックン・ロール」といった有名曲を含む4作目のアルバムなど、活動期後半には触れられない。
公認ドキュメンタリー第2作を見据えての戦略という可能性も残るが、2025年4月に掲載されたインタビュー記事で、監督とプロデューサーは決まった計画はないと話していた。バンドのファンにとっては、デビュー前の貴重な映像やエピソード、活動前半期にまず米国で人気に火がつきやがてホームの英国に広がっていく過程などを、メンバー4人の回想(故ジョン・ボーナムについては今回初公開という生前のインタビュー音声)とともに振り返る構成が味わい深いかも。だがZepのファンというほどでもないライトな洋楽ファンなら、後半期を含むバンドの終焉までを1本の映画で見せてくれないことに不満を覚えるのではと思うし、実際私もそうだった。初期のいくつかの曲が、スタジオ録音とライブ版などの別バージョンで複数回流れるのも不満の一因。同じ曲を何度も流す尺があるなら、そのぶん違う曲を聴かせてと思ってしまった。
とはいえ、バンド後半期とボーナムの死をきちんと扱う続編が将来製作されたら、そんな不満も解消されそうだし、そうなることを願う。
人と違うものに人生を賭けた仲間たちが楽しそうに歴史を振り返る
レッド・ツェッペリンがもともとR&Bの影響を受けていて、ギターのジミー・ペイジは若い頃、"ゴールドフィンガー"を歌うシャーリー・バッシーの脇でギターを演奏していたり、ローリング・ストーンズとも共演していたりと、ファンにとっては常識の、そうではない観客には意外な事実が次々と明かされる。バンドが母国イギリスではなく、まず、アメリカでブレイクしてイギリスに逆輸入されたことも知らなかった。
メンバー自身も観たことがないという秘蔵映像や個々のコメントで構成された本ドキュメントは、若くして急逝したドラムのジョン・ボーナムも含めて、4人が心からロックを愛するいい仲間だったことを伝えてくれる。その証拠に、ペイジもボーカルのロバート・プラントも、思い出話が楽しすぎで椅子から乗り出してしまう感じなのだ。
ブリット・ロックの歴史に燦然と輝くレッド・ツェッペリンのヒストリーはそんな風にとても興味深く、最後にはペイジの言葉として、『人と違うものがあれば、それに賭けろ』という名言を残して幕を閉じる。出る杭は打たれる今の世の中で、彼の提言は値千金。若い人にも是非観て欲しい。
星5つをつける他ない
「できるだけラジカルに、アヴァンギャルドに」
名曲「胸いっぱいの愛を」に複雑なアレンジを施したのはレコード会社にシングルカットをさせないためだったとは!
ジミーとジョンジーという2人の売れっ子セッションミュージシャンがロバート・プラントとジョン・ボーナムという無名の2人を引き入れわずか2年ほどで、このバンドは「ツェッペリンⅡ」という一度目の高みを極める。
終盤で演奏されるロンドン凱旋公演での「この深き愛」の圧倒的な音楽性たるや、言葉を失うばかりだ。
「幻惑されて」がこれほどの名曲であるという発見!
レッド・ツェッペリンの楽曲を聴く際には、なるべくラウドにと心に決めているが、映画館のホールで視聴するボンゾのベードラの音圧!まさに不世出!
マニアックなファン向けというレビューもあったりするが、全ての音楽愛好家はこの音世界に浸れば幸福だろう。
インタビューとライブ映像のちょうどいい塩梅
ツェッペリン?ゼッペリン?
今の若い世代にとってデジタルやらAIやらがどの程度生活の割合を占めるか分かりませんが、私のようなZEPをリアルタイムで鑑賞してきたオジさん世代にはこの作品は神です。人工的に造られた音だろうが絵だろうが細かい事は抜きにして素晴らしい音と映像でした。60年前の8ミリフィルムカメラで撮った様な荒々しいモノクロ画像がこんなにも美しくなるなんてデジタル様々です。AI万歳です。曲と映像が目と耳に飛び込んで来た瞬間、鳥肌が立ちました。ZEPに少しでも触れた事のある人は必見です。スマホやら家庭用モニターではなくぜひ大きなスクリーンで観ることをオススメ致します。これを機に他の多くのアーティストの眠ったフィルムやビデオを掘り返してくれる事を望みます(某国営テレビのヤングミュージックショーとか…)。熱弁しましたがどちらかと言うとDEEP PURPLEの方が好きなんですよね…それでも⭐️は当然満点です。
当然、Part-2〜Part-4もあるよね?
う〜ん…
IMAX で観るほどの音ではなかった…
まだ観てない人、無理してまでIMAXで観ることないよ。
当然、音のミキシングにはジミー・ペイジからのapproveを迫られたと思われるが、なぜか1st.アルバムに関してはベースとドラムの音が控えめでギターが前に出ていた。あれはイカんよ。
2nd.の方はアルバムと同じだったようだが。
あと、Zepのファンなら大抵知っていることが続き、映像も新しい(蔵出し)モノがない。
名付け親がキース・ムーンの話は諸説あるようだが、ペイジ本人が、ああ言っている以上は、あれが公式ということか。
それならそれで、そのキッカケとなった「Beck’s Bolero」のセッション時の話は勿論のこと、あのヘヴィな名曲をナゼ?流さない?!
アトランティックとの前代未聞の契約に関しても、なぜ?あれほどまでアーティストとしての自由を獲得できたのか?
「マフィアのボスのようにカッコよかった」というピーター・グラントの功績も大きかったとは思うが、その具体的な交渉の経緯については、このせっかくの機会に、もっと鋭く聞いて欲しかった。
あの4人だけのインタビューというのが、良くも悪くも、この映画の最大の特徴なのだが、やっぱり、当時の裏方のピーター・グラントの生前のコメントやグリン・ジョンズ、エディ・クレイマーなどのインタビューも挿入して、もっと多面的に、あのエポックな気分を追体験させて欲しかった。
あと、せっかくの機会といえば、あの当時、ローリング・ストーン誌にハウリン・ウルフやマディ・ウォーターズのパクリ屋バンドと散々に書かれたことに対して、どう思ってたのか?
本当に罪悪感などなく確信犯だったのか?
今なら素直な本心も聞けたと思うけど。
もっとグイグイと吉田豪の如く深掘りして欲しかった。
ラストの方では、ボンゾのバンドやメンバーに対する一途な思いが語られて、その貴重な肉声には、思わずグッと来たりもするのだが…
う〜ん…
兎にも角にも、もっとライブ映像あるはずだけどなあ〜
久々に『狂熱のライブ』が観たくなってしまった。
まあ「Led Zeppelin になるまで(原題:Becoming Led Zeppelin )」を本人たちに聞く映画なので、あの熱気を帯びた2nd.の頃までの話を聞けたのは良かったが…
オープニングも幼少期の頃の話が続き、丁寧といえば丁寧だが、退屈といえば退屈。
なんとも微妙に欲求不満。
演奏パートのフッテージに関しては、この手のドキュメンタリーでよくある中途半端な編集がなくフルレングスで観れるので、それに関しては良かったが…
出来れば、最後には思いっきり拍手したくなるような構成にして欲しかった。
商売人のペイジのことだ、きっとシリーズものとしてPart-4までやるつもりなんだろう。
たぶんPart-2は、自信満々だった3rd.がファンには不評となり、それならば!と4枚目で一気にカタをつける!的な構成か?
それはそれで楽しみなのだが、もっと蔵出しのライブ映像!頼むから見せてくれ!
一枚のアルバム
のような映画でした。才能人ばかりの中でボンゾのいい奴っぷりが溢れ出てて、緊張感のあるいいバンドだったんだろうなと思いました。家に帰ってから無題のアルバムを爆音で聴きました。
音響命なので映画館で是非!!
4人の音楽のルーツが知れて、お互いへのリスペクトが伝わってきて、とても楽しい、良いドキュメンタリーでした。ツアーで家族と離れることが多かったけどもっと一緒に過ごしたかったんだなとか、ジョン・ボーナムこんな事考えてたのかとか。知れたお陰でレッド・ツェッペリンをさらに好きになれました!
観客が「なんか、やべーやつら出てきた!!」って反応してる空気感が伝わってきて、自分も歴史の目撃者になったみたいで嬉しいし楽しい!
ジミー・ペイジのプロデュース力とか、どこでどうやって観客の心を掴んでいくか、保守的なイギリスのマスコミに凹まされても、覆す圧倒的な才能にワクワクします。
音楽事務所の言いなりにならず、自分たちのやりたい音楽をやりたいようにやる。それができてしまうのが、本当にかっこいい!
そして3人とも今でも素敵で、健康そうでイキイキしてるのも嬉しかった。ジョン・ボーナムも生きてたらな、と思ってしまうけど、3人がジョンを大切に思ってることが伝わる内容で本当に良かったです。続編あったら嬉しいなー!!
本人たち自身による解説と貴重な発掘映像で掘り下げる、レッド・ツェッペリンことはじめ。
当然のことながら、この座組でタイトルが「ビカミング」である以上、「後篇」が用意されているはずだし、今回で消化したアルバムの枚数(2枚)換算でいえば、あと2、3本くらいは続篇があって然るべきなんだよね??
そうじゃなかったら、マジ暴動が起きるよ(笑)。
実はこの日、『ミシェル・ルグラン 世界を変えた映画音楽家』から音楽評伝ドキュメンタリーつながりということで、映画館をハシゴした。
考えてみると、ミシェル・ルグランの活躍期は60年代からだけど、アメリカで『華麗なる賭け』のサントラを手掛けて「風のささやき」を世に出したのが1968年で、レッド・ツェッペリンの結成と同年。レッド・ツェッペリンの最初のアメリカ・ツアーが同年12月からだから、アメリカ進出はほぼ同時期といっていい。
ついでにいうと、米アトランティック・レコードにレッド・ツェッペリンと契約するよう強く後押ししたのは、イギリスの女性歌手ダスティ・スプリングフィールドだったが、彼女は「風のささやき」のカヴァーレコードを最もたくさん売った歌手でもある。
要するに、ミシェル・ルグランとレッド・ツェッペリンは、年齢差こそあれ音楽的には長く同時代人だったわけだ。
僕がレッド・ツェッペリンを聴くようになったのは、実は20歳を過ぎてからだった。
高校まではもっぱらクラシック音楽かスタンダード・ナンバーばかり聴いていて、洋楽のロックを聴き出したのは大学に入ってからだった。
夜のMTV紹介番組などを通して関心を抱き、新宿TSUTAYAでさまざまなベスト盤を借りてきて、全方位的にいろいろ聴いてみたけれど、ストレートなアメリカのロックやパンク、ディスコ系は全く肌に合わず、黒人系の音楽も正直よくわからなかった。
ただ、レッド・ツェッペリンとクイーンだけはとても気に入って、その後30年以上愛聴することに。あとはヨーロッパのプログレやグラムを少し聴くくらいか。
自分の世代的には実はボン・ジョヴィあたりがドンピシャであって、レッド・ツェッペリンやクイーンは、親が聴いていておかしくないくらい昔のバンドだ。
結局のところ、60~70年代くらいの、気の利いた転調が多くてメロディアスで先読みのできないたぐいの曲が、僕は好きだということなのだろう。
レッド・ツェッペリンの場合は、先にアルバムで「音」として聴いてから、どんな連中なんだろうと彼らの出ている『狂熱のライヴ』を借りて来て観て、そのヴィジュアルとパフォーマンスの凄まじさに、ガチで月までぶっ飛ばされたという感じだった。
ヴォーカルのロバート・プラントは、ダヴィンチの描く天使が絵の中から抜け出してきたかのようなヤバいくらいの美青年。それがへそ出しルックで、カクカクと交霊中のイタコのように痙攣しながら、高音でシャウトし続けている! 対するジミー・ペイジは、あしべゆうほの『悪魔の花嫁』に出てくるデイモスが現実に降臨したかのような魔性の風貌で、超絶ギターテクを速弾きで見せつけたあげくに、弦でヴァイオリンみたいにギターを弾いている!
男性を観て心の底から「セクシー」だと感じたことは、この二人以外にはあまりないかもしれない。
その二人が、並び立ち、一歩も引くことなく、ツインターボとして張り合い、支え合い、ぶつかり合っている。奇跡か何かなのか、これは?
しかも、ドラムのジョン・ボーナムとベースのジョン・ポール・ジョーンズのリズム部隊も、二人に負けていないどころか、えげつない音でガンガン刻みまくっている。
これは掛け値なしにすごいバンドだ。心からそう思ったものだった。
ちなみに、個人的には「アキレス最後の戦い」を最も偏愛しているけど、今回のドキュメンタリーの扱う範囲からは漏れていて、「天国への階段」同様、映画内では出てきませんでした(笑)。
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ドキュメンタリーとしては、若干教条的というか、教科書的というか、生真面目な作りになっていて、メンバーそれぞれの出自の紹介から始まり、4人が順番に自分語りをいろいろしゃべって、各人が影響を受けたミュージシャンを映像と音付きで紹介し、各年代の主要な社会的大事件を併記し……、と、ひたすら順序だてて説明していく感じ。
ありていにいって、あまり「ロック」な作りではない。
どちらかというと、NHKスペシャルみたいな教養番組っぽさがある。
実際、このドキュメンタリーは、60年代終盤を駆け抜けた才能豊かな4人の若者たちを、あえて「過去の存在」として、枠組みに閉じ込めるような構成をとっている。
フッテージ・フィルムのなかの4人は、異様な時代の熱気のただなかで、急速にスターとして覚醒し、とっぽい少年から魅惑的な20代の青年へと、メタモルフォーズしていく。
だがこのドキュメンタリーでは、それを外から観察し、注釈を施し、冷静に分析する「今の3人(+生前のボーナムの音声)」が用意されている。
彼らは、功成り名遂げた裕福な老人で、富豪の邸宅の居間のような部屋で豪奢な椅子に座って、過去の自分や、影響を受けた音楽や、自分たちの目指した音楽について、評論家のように冷静に語る。
昔の自分の映像を観ては楽しげに微笑み、ボーナムの声を聴いては目をうるませ、ユーモアたっぷりにライジング・スターだった自分たちについて解説する。
そこには、自らの才能を信じながらも追いつめられ、音楽業界の片隅で成功に飢え、突然のブレイクに狂喜し、酒とドラッグに溺れ、乱痴気騒ぎのなかでなお、世界最高のバンドへと覚醒していった若者たちの姿は、どこにもない。
要するに、このドキュメンタリーはとても「スタティック」なのだ。
静かで、平穏で、落ち着いている。
過去を懐古する「成功者の振り返る武勇伝」に徹している。
それを望んだのは、生きている3人のメンバーだ。
彼らは、自分たちを標本のように過去に閉じ込め、
好々爺として、楽しげにそれを語る形式を選んだ。
これが、今のレッド・ツェッペリンの選択なのだ。
これまであまり自分語りをしてこなかった3人が、いざオフィシャルなドキュメンタリーを認可して語りだしたら、こんなにもあの頃の自分たちを冷静に楽しげに分析してみせるんだ、と、正直ちょっと驚かされた。
60年代末から70年代頭のレッド・ツェッペリンを考えたとき、こういうドキュメンタリーでいいのか? という思いも僕の中には正直ある。
彼らは、ビートルズやローリング・ストーンズやクイーンと同様に十二分に「むちゃくちゃ」で「破天荒」なバンドであったと僕は思っているし、そういうピーキーな部分をファンは愛しているはずだ。少なくとも僕はもっと、彼らの「頭のおかしい」ぶっ飛んだ部分をひりひりと感じたかった。
だが、振り返って考えてみると、上で挙げた4つのバンドは、実のところ大抵のメンバーがイギリス中流階級の出身だ。
そこそこ皆きちんとした教育を受けていて、正統な音楽教育を親から与えられていた人間も複数いる。ブライアン・メイのような超インテリのケースは例外的だけれど、彼らは別段ロッカーにさえなっていなければ、ふつうに医者になったり弁護士になったりしていても全然おかしくない、優秀な若者たちだった(実際、今回の映画のなかでも、ロバート・プラントはデビュー時に公認会計士になるか、ミュージシャンになるかの選択に迫られている)。
何が言いたいかというと、いま豪奢な書斎でゆったりと座って、頭の良さげな解説を過去の自分たちに投下している金持ち老人としてのその姿こそが、実は「ほんとうのレッド・ツェッペリン」なのかもしれない、ということだ。
60年代から70年代にかけて、彼らが真の意味でめちゃくちゃだったのは、純粋に「時代と世代」の影響であったに過ぎず、今のインテリじみた老人としての在り方のほうが、彼らの「素直な本性」なのではないか、ということだ。
であるならばまあ、これでもいいのかな(笑)。
そんなことを考えながら、観ていた。
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●デビュー当時のジミー・ペイジがいいとこの坊ちゃんにしか見えないのは前から知っていたが、若き日のロバート・プラントがモミアゲも含めて、こんなにも横浜ベイスターズのトレバー・バウアー投手に似ていたとは思いもしなかった。結構、笑撃的www
●僕はロックやブルースにはまったく詳しくないが、シャーリー・バッシーの「ゴールドフィンガー」はイントロゼロコンマ2秒で何の曲かわかったので(笑)、なぜここで「ゴールドフィンガー」がかかるんだ??と、いささか虚を衝かれた。
てか、これ有名な話なの? あれのスタジオセッションにジミー・ペイジとジョン・ポール・ジョーンズが参加してたのって? 俺ぜんぜん知らなかったよ(笑)
で、ネットを検索したら、ジミーが2021年にこの件について回想している記事があって、「歌うように頼まれると、彼女はたった1テイクでやり遂げた。そして最後、床に倒れ込んだんだ。1つの音をキープし続け息が切れ、倒れたんだよ」とか言っててマジで受けた。
そういや、似たあたりの映像で出て来てたジェームス・ブラウンも、若い頃からどこからどう見ても異常な芸風で他を圧倒していて、本物のヤバいヤツだけが醸し出せるド迫力があった。こういう狂気の卒倒芸みたいな頭のおかしいノリって、いまの歌手にはついぞ見られないよね……。
●同じく彼らがアレンジャーやスタジオ・ミュージシャンとしてやっていた頃の音楽で、バーブラ・ストライサンドの「ピープル」の編曲版が流れてなかった? 最初、なんの曲かわからなくてよくよく考えたら「ピープル」の旋律だと気づいてびっくり。そういや、昼間に観た『ミシェル・ルグラン』でもバーブラが出てきて、ルグランとハモってたな。
●このドキュメンタリーで、基本的にレッド・ツェッペリンの演奏についてはどの曲も、なるべく一曲丸ごと収録しようとしてくれているのは、本当にありがたい。僕はまったく詳しくないので、ここで集められたライブ映像がどれくらい貴重なものなのはわからないが、どのライブも彼らの魅力が十分に伝わるものだったように思う。とくに、ジョン・ボーナムの肉声がかかったときにメンバーそれぞれが見せる、おっと驚くような表情といとおしむような優しげな眼差しは、この音源の希少性をよく表している。
●最初のアメリカ・ツアーからロンドンに戻って来て開いたライブの映像で、結構な数の女性客や子供たちが耳に手を当てておっかなびっくり聴いているのは、時代を感じさせてとても興味深い。
あの当時、観客はたとえロックっぽい曲であっても、基本はおとなしく座って、首や体を揺らす程度のアクションしかせずに聴いていたように見える。
彼らはレッド・ツェッペリンを聴くまで、あれほど大きくけたたましい音で弾くうるさいバンドを聴いたこともなかったし、あれほどステージ上で暴れまくるバンドを観たこともなかったのではないか。
それがたった1年で、あの巨大なロイヤル・アルバート・ホールをファンで満席にしたんだから、立派なものだ。
これまで僕は、レッド・ツェッペリンについては「アート・ロック寄りのハード・ロック」といった認識でいたが、やはり「ヘビメタのはしり」という部分も間違いなくあったんじゃないかと痛感させられました(笑)。
●しきりにジミー・ペイジが、自分たちはアルバム・バンドなんだと主張し、「シングルカットはバンドを腐らせる」として徹底的に忌み嫌っていたのが印象的だったけど、ロック界隈ではそれって一般的な認識なのかな?
●ジョン・ボーナムとJPJが、バンド結成前からの妻帯者で愛妻家であったことは良く知られていて、この映画のなかでもしっかり扱われている。一方で、ロバート・プラントとジミー・ペイジもまたキャリアの初期に結婚していて、少なくとも解散するまでは奥さんとちゃんと添い遂げている。あれだけ酒池肉林で騒ぎまくっていて、バンドメンバーとグルーピーとのあいだに何もなかったとは到底考えにくいが、スターとしての荒んだ生活と良き家庭人としての側面を彼らがどのように両立させていたかは、まあまあ気になる。
邦題以外は申し分ないドキュメンタリー
最高❗️映画館で見れてよかった❗️
好きでめっちゃ聴いてるけどあまり詳しくは知らないレッドツエッペリン ジミーペイジがギターでドラムのジョンボーナムって亡くなったんだよね くらい
マジすごかったホント観て(聴いて)良かった❗️
北欧でのギグ一発目からやっぱすげーってなるしライブ音源ホント良かった❗️自分は肩揺らしながらノリノリで観てたけど周りの人じっとしててwよく我慢できるなw
楽曲の作り方、イメージと技法、シングルカットさせないためにwめっちゃ面白かった
バンドサクセスストーリーとしても山場をしっかり用意したりで映画としても楽しめる
やっぱバンドはリズム隊がキモやなと改めて ボンゾの唯一無二のドラムとジョンのメチゃうまベースがあってこそ
ギターのソロに残りの3人が以心伝心でバチっと合わせてたのは鳥肌モノ
いやー❗️ホント良いもの観たわ❗️
自分のZEP体験を振り返る
胸いっぱいの愛と情熱をあなたたちへ‼️
大好きなレッド・ツェッペリンの伝記ドキュメンタリー‼️冒頭、「グッド・タイムズ・バッド・タイムズ」が流れ出した途端、心を鷲掴みにされますね‼️メンバーが語るバンドの歴史や家族のプライベートの話‼️ホントに興味津々です‼️初期のライブ映像も必見なんですが、やはりドラマーのジョン・ボーナムの肉声は感慨深いですね‼️「天国への階段」「移民の歌」「カシミール」など、ツェッペリンの曲はみんな好き‼️またすべてのアルバムを聴き直したくなる‼️どのアルバムも好きなんですが、今日の気分は「フィジカル・グラフィティ」ですか⁉️
伝説が始まる前に終わった。(映画が)
もっと大音量でも良かった。
ライブ時の映像や音源は以前から知っているものがほとんどでありましたが、やはり映画館という空間で大きな音圧を感じることにより、Led Zeppelin のライブを擬似体験できたような気分になれたことが素晴らしかったと思います。そう言う意味では、もっと音が大きくても良かった。
個人的には、生前希少なボンゾのインタビュー音声を聴いたときに残った3人のメンバーが見せた表情に感動しました。
Led Zeppelin とは、やはり、あの4人のメンバーでなければ生まれなかったのだと再確認しました。
それでBecomingなんですね♪
皆様おっしゃるように、メンバーの生い立ち~バンド結成~大ブレイクまでのストーリーしか無いのは物足りなく感じました💦
しかし、これで終わるはずは有りません!
まだまだ続きは有ります!
再結成までしてるんですから!
ですよね!?製作の皆様方!
楽しみにしてますよ!
作品の感想は、圧倒的な演奏力と高画質!震えました!
後、ロバート・プラントが役所広司に見えて仕方なかったです😅💦
もっと続きが見たい!
4人の魅力
ジョン・ボーナム生前のメンバーについて
語った肉声と、それを聞く3人の表情が良かった。
良いよね。あの関係は。
4人の魅力でもある。
ポンゾのドラムは格好いい。
右足に惚れた理由も分かる。
4人揃ってのライブ映像は熱量が
伝わってきて圧倒的。
音響も良くエンドロールの爆音は痺れた。
サムシングエルス。
やっぱり良かった。
Burning 60s
2025年は、2月に「Hipgnosis」のドキュメンタリー映画、7月には Roger Waters のライブ映画とシアタースクリーンの大画面を堪能しました。
そして、先日、Led Zeppelin "Becoming"を観てきました。「天国への階段」や「移民の歌」を聴いていたくらいのディープなファンではありませんが、見てよかったです。 バンド結成の経緯から、アルバム”Led Zeppelin II”までをつぶさに伝えています。
クラプトン、ジェフ・ベックとともにやっていたヤードバーズが解散して、 Jimmy Page がJhon-Paul,Robert,Jhonと3人の仲間を集めて、ニューヤードバーズでの活動開始からLed Zeppelin になるまでが興味深かったです。
アメリカでの大成功をてみやげに、ロンドンでの凱旋公演、観客の"Led Zep! Led Zep!"の拍手と声援にこたえる4人。映画のエンディングでは私も手拍子をとっていました。
「狂熱のライブ」との二本立てで見たい!
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