「罪の意識」秋が来るとき 由由さんの映画レビュー(感想・評価)
罪の意識
クリックして本文を読む
真実が明らかにならないことで、不思議な余韻が残る。もやもやして、だけど世の中の多くが、そのように曖昧なまま過ぎていくような気がする。
それでも私見としては、警察に頑張って欲しかった。そうでなければ、法が守られないことになってしまう。たとえひどい娘でも、命を奪われる理由などない。
なぜ祖母はキノコを食べなかったのか。なぜ残ったキノコだけをすぐに捨てたのか。なぜ親友の息子に、娘の愚痴を聞かせ、孫のおもちゃの処分をさせたのか。弱々しい外面を利用して、初めから強かに計画をしていたのではないか、とも思う。
警察が、もっとキノコの件や防犯カメラを精査していれば、少なくとも偽証は明らかになったのではないか。
そうやって見過ごされている事件は、実際にもあるのだろう。
罪を抱えたままの人間は、たとえ暴かれなかったとしても、罪悪感や後ろめたさから、心の安らぎや満足が得られなくなるのではないか。
事件後、祖母は娘の幻を見続け、親友の息子は金策に苦労し続けている。孫は学生生活を楽しんでいないように見える。
美しい自然の中にあっても、秘密を抱える三人が幸せには思えず、彼らの未来が明るいようには思えなかった。
コメントする