「誰にでも訪れる人生の晩秋を描く秀作ドラマ」秋が来るとき シネマディクトさんの映画レビュー(感想・評価)
誰にでも訪れる人生の晩秋を描く秀作ドラマ
フランソワ・オゾン監督作品は、毎回スキャンダラスな題材が多いけど、今回は驚くほど静謐で穏やかなタッチの作品でした。ブルゴーニュの田舎で一人で暮らしている主人公の老女を巡って起きる様々な事件は、誰にでも起き得る平凡なものです。しかし、事件を煽ることなく淡々と描きながらも、スクリーンから目を離させないオゾン監督のストーリーの語り口に感服しました。それは、暗い過去や家族との不和はあっても、家族や親友を大事にしながら、毅然として今を生き続ける主人公の姿に共感できるからかもしれません。そんな彼女と周囲の人々の優しい関係のまま、紅葉の中で迎える幕切れも余韻が残ります。役者では、主役のエレーヌ・ヴァンサンが優しくも芯のある女性を好演、ファッションもおしゃれ。親友役のジョジアーヌ・バラスコや、その息子役のピエール・ロタンもいい味出しています。子役のガーラン・エルロスは、すごい美少年で人気が出そう。
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talismanさんのコメント
2025年6月9日
シネマディクトさんレビューの「毅然として今を生き続ける」、まさにそうでした。穏やかに見えてもいろんなことがあって全てが過去形で済んでしまってる訳でない。オゾン監督はさすがだと思いました
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