劇場公開日 2025年5月30日

「美しく静かで穏やかなシーンが続いていても 絶え間なく続く胸騒ぎ」秋が来るとき Freddie3vさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5美しく静かで穏やかなシーンが続いていても 絶え間なく続く胸騒ぎ

2025年6月2日
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鑑賞方法:映画館

何年も映画を見続けていると何年かに一本ぐらいの割合で、スクリーン上で展開しているシーンは美しく静かで穏やかなのに何か不穏な空気が漂っていて、観ているこちらとしてはずっと胸騒ぎがしてそれが止まらない、そんな作品に出会うことがあります。この作品がまさにそれでした。

物語は主人公のミシェル(とてもチャーミングな老婦人です)の日常からスタートします。親友であるマリー=クロードといっしょに森へキノコを採りに行ったり(秋のブルゴーニュの風景が本当に美しいです)、服役中の息子ヴァンサンとの面会に行くマリー=クロードを車で送ったり…… そんな中、ミシェルの娘で母親と折り合いの悪いヴァレリーと、その息子すなわちミシェルにとっては孫にあたるルカが休暇でミシェルの家にやってきます。で、この三人の食卓での母娘の会話から不穏な空気が漂い始めてきて……

この物語では嘘や秘密がキーとなります。秘密もいろいろです。公然の秘密とか、暗黙の了解のもとで共有している秘密とか。

そんな静かなサスペンス感とも言うべき雰囲気を持った物語が美しいブルゴーニュの風景を背景にして展開されます。フランソワ•オゾン監督のマジックに胸騒ぎが止まらなかった100分間でした。

Freddie3v
talismanさんのコメント
2025年6月3日

コメントありがとうございます!自由に考えさせてくれて押しつけがない、それだけで嬉しいです

talisman
talismanさんのコメント
2025年6月2日

映像は美しく静かでセリフも少ないのに、ずっと胸騒ぎ!まさにオゾン監督のマジックでした

talisman