「嘘は家族のため」秋が来るとき ニコラスさんの映画レビュー(感想・評価)
嘘は家族のため
何故親子の不仲・溝は埋まらないの?ミシェルとマリー=クロードの抱える秘密とは?孫のルカはヴァンサンを知っているはずなのに?
ストーリーが展開して行くに連れ、色々な?マークが頭の中を飛び交い、早く次のシーンへ!次行って!!と謎解きに夢中になるような魅力的な作品でした。
そして、秋から冬にかけての情景なのに菜園や林はもとより、室内の壁紙や調度品、それに登場人物の身に付けているものなどの色彩が、全てに差し色が施されているかのように鮮やかで心惹かれました。
登場人物のほとんどが(娘ヴァレリーを除いて)、誰かの為に良かれと思い嘘をつく。きっと女性刑事もそれを理解していたのでしょうね。
だからこそ、娘が母のことをあれほど忌み嫌う姿には共感しかねたところがありました。自分の出自には影響がなかったはずで、小さな町だからこその住民の中傷ネタしか話題が無い中で卑屈になったのかもしれませんが、自分が親になった立場で意識の変わりようはあっただろうにと思うと、そこは少し悲しくなりました。
それでも作品全体に流れる優しさに癒されました。
こういうの好き。
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