「落ち葉は葛藤を覆い隠す」秋が来るとき regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
落ち葉は葛藤を覆い隠す
関係が良好とは言えない母ミシェルと娘が久々に再会するも、ミシェルが作ったキノコ料理を食べた娘が病院に担ぎ込まれた事で生じる疑念を発端に、ミシェルの親友とその息子が絡み…
人の為に行う善意は、必ずしも善き事になるのか?他方から見れば有難迷惑でしかないのか?…そんな倫理的葛藤が描かれるわけだが、これがなかなか深い。秋という設定にしたのは、大量の落ち葉がそうした葛藤を覆い隠すというメタファーに感じた。
葛藤の末に導かれる「嘘」と「選択」。それは自分勝手と捉えられるかもしれないが、平穏に生きていきたい、もしくは安らかに終活を迎えたいという人の真理なのかもしれない。
日本公開は初夏だけど、物語設定と同じ秋シーズンに観るとよりまた染みるかも。
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