劇場公開日 2025年11月7日

「力作だが原作との違いが大きい」モンテ・クリスト伯 ラムジンさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 力作だが原作との違いが大きい

2025年11月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

ドキドキ

『モンテ・クリスト伯』を60年近く繰り返し読んできた者です。封切り日に日比谷まで観に行きました。過去に映画化・ドラマ化されたものの中では一番の出来だと思います。ただし、あの大作をたった3時間の中に収めようとすること自体無理があります。大切な箇所をカットせざるを得なかったことが何よりも惜しまれます。また、原作とは違う話の展開が多くあり違和感を感じました。デュマが存命だったらきっと怒るだろうという点を挙げます。ダングラールをファラオン丸の船長にしたこと。ファリア師から獄中で教わったことがほとんど映像化されていないこと。マクシミリアンの存在がほとんど無視されていること(子供の時だけ)。ヴィルフォールの隠し子とエデを復讐の積極的な協力者にしていること。エデとアルベールを恋仲にしたこと(これが一番ひどい改竄です。エデのエドモンに対する思慕が描かれていません。この作品の大切なテーマの1つです)。真実を知ったメルセデスの悔恨と全てを捨てる覚悟が描かれていないこと。メルセデスとエデのイメージが原作とは違い過ぎること。若きメルセデスは健康的な陽に焼けた海の娘。再開後は貴族のマダム。エデは陰のある神秘的な娘のはずですが。まぁ、これらを差し引いても、過去の映画化・ドラマ化された2つの駄作と比べればずっといいことは確かです。

ラムジン
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