「シリーズ最高の映像美」ジュラシック・ワールド 復活の大地 バタピーさんの映画レビュー(感想・評価)
シリーズ最高の映像美
舞台は17年前(おそらく2008年)、ジュラシックパーク3の後、ジュラシックワールド開園の6、7年前というような時代背景に、ヒューマンエラーによって放棄された異種混合恐竜の研究施設の島が舞台。
New Jurassic(新ジュラ紀)という時代の名前がついたのか?そう呼ばれているのが面白かった笑
思えばジュラシックワールドシリーズになってから、大自然の中を闊歩する恐竜のシーンというのはなかなか少なかった。だからシリーズ最高の映像美にあの音楽を付ければ、それは迫力はあった。
過去作には、どんなにクサい芝居であろうと、見え見えの演出があろうと、脚本には何かしらのメッセージが込められていた。
しかし、本作のテーマは何だったのだろうか。
生き残れ!的なことだろうか?
生命の儚さ的なことだろうか?…
登場人物達のヒストリーも見えてこないし、登場恐竜達から伝わるメッセージもなかった。
でもそれがリアルというものだと言われたら、納得するしかない。作中で博士が、「恐竜は頭が良くなくて1億年以上生きた。」というセリフがわざわざあった。
何かを考えて行動しているわけではない。という前提で見ると、なんかパッとしないD. rexも、主役級のはずが途中の水差し要因でしかなかったT. rexも、なんか全貌をあらわにしなかったモササウルスも、もうあの世界線ではすでに自然の一部であり、あえて誰かをフォーカスするつもりはない、と言われれば、返す言葉はない。でもそのコンセプトは、1周回っていろいろ分かってないのでは?と思ってしまったりする。(すみません)
あとやはり、自称グラント博士の弟子の彼は、一応古生物学者と言うことだが、博物館から出たことがない頭でっかちタイプのよう。初めからそうした設定のキャラクターなのだろうが、恐竜がいる森では大声を出してはいけないとグラント博士から習わらなかったのか。研究者なのに慎重さに欠ける動きが多すぎる。
こうしたツッコミどころが、あえて脚本上彼がパッとしない研究者という設定なのか、そこまで細かく詰められなかっただけなのか、わからない。
もしあえて最近の研究者を揶揄するような意図があるとすれば、嫌だけど逆に映画としては良いのだが。
これまでのシリーズであった学者系登場人物の、極端だが的を得た姿勢みたいなものが全く感じられなかった。製薬会社の金で来た調査でその成果物をオープンに公表しようとは、誰でも思いつくことだからこそ、まともな研究者ならその状況にもっと悩んで欲しかった。
とにかく、何かのジレンマに苦悩するシーンがほとんどなく、直感的に逃げたら正解だったという過去一番の脳筋作品に感じてしまった。
ジュラシックパークシリーズのオマージュが色々入っていたのが、お情けに感じてしまっている自分がいた。。。
そういう表面的リスペクトではない方向で行って欲しかった。
シリーズが大好きな身からすると、期待しすぎたのだと思います。反省。
シリーズ作品というのは山あり谷あり。これがシリーズ最終作にならない事を祈る!!
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