「低予算映画の教科書」爆上戦隊ブンブンジャーVSキングオージャー 大河黒影さんの映画レビュー(感想・評価)
低予算映画の教科書
私はここしばらくスーパー戦隊から離れている。『ブンブンジャー』と『キングオージャー』はそれぞれ第1話と夏映画、後者のVS映画しか観ることができていない。それをご理解した上でお読みいただければ幸いである。
新しい挑戦を続ける仮面ライダーに対し、スーパー戦隊は伝統を重んじる。リアリティとは程遠く、芝居がかっていて、真っすぐに子どもを楽しませようとし、実際に驚くほど楽しい。まさに「外連味」マシマシの作品であった。
とにかく撮影がひたすらに良かった。レンズの使い分けもそうであるし、演者との阿吽の呼吸で動きがつくられている。
無駄なくすべてのショットがカッコよく、無駄なモノはどこにもなかった。
低予算な作品であることは明らかであるが、演出、その撮影の技術と、適切な音響の配置、脚本、演技と特撮の全てが絶妙にマッチしている。それによって低予算であることやリアリティの無さ、おかしみが問題とならないほどの勢いがあった。
とある人が近年の戦隊を非難する文脈で「学芸会」と呼んだそうだが、この映画のただひたすらに、子どもにカッコイイモノ・楽しいモノを観せる姿勢。地元の劇団が『オズの魔法使い』を演じてくれた時のあの感動を、超ハイクオリティな観劇を。それをもたらしてくれるあの業は、まさにプロが為せる業だ。しかもそれでいて「学芸会」に見せてしまう。それが上手さだ。
まさに「こういうのがいい」
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