「ソフィー・サッチャーが魅力的」コンパニオン Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
ソフィー・サッチャーが魅力的
「異端者の家」等精力的に活動するソフィー・サッチャーの初期の主演作。ミステリアスな風貌にどこか興味を持ち、若かりし頃の出演作、「PROSPECT/プロスペクト」の頃から注目していた女優である。残念ながら日本公開は無しとなったが、現代のAI搭載の機器類に一石を投じる作品である。本作でも度々テーマとなる、アンドロイドが暴走するという物語なのだが、「MEGAN/ミーガン」等とは違い、自分自身を人間と思い込んでいるドロイドというのが面白い。顔認証された相手をこの上なく愛するという役割の為、巷では"エロボット"と呼ばれており、性処理の道具の様な扱いに近い。どんな事をされてもプログラムで対象の人物しか愛せない為、可哀想な存在ではある。人間に対して嘘を付けないという行動制限があり、もちろん暴力なんてもってのほかだが、世間では改造出来ないはずの部分にアクセスし、攻撃性等を高めることが出来る装置が開発されているというのは非常に怖い。それが出来る端末を手に入れた主人公(ソフィー・サッチャー)が自らの手で能力を100%に引き上げる所は面白く、笑いどころも押さえているのはかなりツボである。
いくらプログラムとはいえ、純粋に相手を幸せにしようとするアンドロイドと、目的の為に裏切り、殺人、偽装工作等の犯罪をいくつもこなす人間、怖いのはどちらだという展開になる。やはり、人間が1番怖いという事なのだ。
本作の見せ場はやはりアンドロイド同士の対決である。改造コードの入った設定1つで、無表情で人間を始末するアンドロイドは非常に不気味であり、主人公に魔の手が迫る所はかなりヒヤヒヤする。だが、そこまでグロに特化する事もなく、芯のしっかりしたテーマだが適度に笑いが入っており、ホラーは苦手という場合でも普通にサクッと観れるだろう。