端くれ賭博人のバラードのレビュー・感想・評価
全9件を表示
マカオの煌びやかなネオン色が主人公の心理を照らし出す
『教皇選挙』で血や炎よりも鮮烈な真紅の世界を印象深く描いたエドワード・バーガー監督は、ギャンブルの聖地マカオを舞台にした本作でまたも他者に真似できない独自の視覚世界を創り出した。ラスベガスを舞台にした同様の作品なら過去にいくつも見た覚えがあるが、マカオがこれほどの煌びやかなネオンに包まれた幻想都市だとは。挟み込まれるアジア色、漢字、言葉、寺院、水辺の風景も手伝って、そこはどこか冥界への入り口のようにも思える。文字通り、主人公ドイルはすでに棺桶に片足を突っ込んだ状態なのだが。目くるめく色彩感覚やコリン・ファレルが熱烈に表現するギャンブル狂の精神世界は、それだけで触れる価値あり。だが基本、その心理を投影した”彷徨い”が続くので、こういったタイプのストーリーに耐性のある人なら身を委ねて楽しめるが、逆に明快な展開を求める人にはいささか辛いところもあるかも。ただ、バカラのルールが知れて勉強にはなる。
まあそういう時もあるんでしょう
期待し過ぎたかもしれない
コリン・ファレル最高
コリン・ファレルの困り顔が大好きなんですけど、この映画はそんな一言では言い表せないほど彼の狂気的な演技が凄まじい。焦燥感や迷い、またギャンブル特有の高揚感、全ての感情がリアルに画面から漏れ伝わってくるもんだから、ストーリー自体は退屈に感じても最後まで集中して観る事ができました。
ただ、コリン・ファレルの演技とマカオの映像美には魅せられるものの、ストーリーはよくある話だな〜って思ってたんですよ前半は。でもラストでやっぱり物凄く心を掴まれまして…なんか視覚的、感覚的には好きな映画なんだけど中身が薄いのかな…ってアンバランスな感想になりました。
結局は途中からのダオミンは幽霊で、死者の金でギャンブル大勝ちして借金も返済したけど、その大金を燃やしてしまうという結末が素晴らしくて。これは火葬すらされなかったダオミンへの償いみたいにも感じたし、彼が賭博から自らを断ち切る未来に繋がるのかな…と捉えることもできた。彼が本当に生きていたのかは分からないけど。とにかくこのラストのコリン・ファレル見れただけでも私は大満足。
待ち受けるのは、カタルシスです。
バチカンのセンセーショナルな教皇選挙をタイムリーに描いたエドワード・ベルガー監督の最新作は、他人からくすねた金でギャンブルにつぎ込みで身の破滅にまで自らを追い込む詐欺師のお話。聖の世界を描き切った後は、俗なる堕ちた世界。個人的に、この二重人格的なテーマの選択は、クスッと笑ってしまった。
本編は、コリン・ファースの演技1本でグングン突き進む。マカオと香港を舞台に朦朧とした意識の中をまるで泳いでいるかのよう。そして、泳ぎ切ったその先に、彼は生まれ変わることができるのだろうか。
依存症のギャツビー
全9件を表示






