ハボックのレビュー・感想・評価
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息つく暇のない無呼吸アクション
タイトル通り、ある種の「混乱」を経て撮影から4年をかけてようやく世に放たれた本作は、傑作『ザ・レイド』で旋風を吹かせたエヴァンス監督が故郷ウェールズ(アメリカの工業都市風な見た目だが)で撮り上げた意欲作である。警察、マフィア、窃盗犯、政治家などが入り乱れ、恨みを増幅させながら殺し合う。トム・ハーディをはじめとする善悪の境界線上で漂うキャラクターたちの死に物狂いの総当たり戦といった印象が強く、キャスティングや設定などからはこれまで以上に物語や人間模様に厚みを持たせようとした爪痕が伺える。しかしながらエヴァンス流のアクションは一旦ギアが入るとボルテージのたがが外れ、無尽蔵に天井を突き破る。結果的に、キャラ、ストーリーの面では物足りなさが残るも、その分、いつもながらの息つく暇がないほどの無呼吸アクション芸術が達成されている。これはこれでエヴァンス監督にしか描けない表現手法として評価したいところ。
ガンアクション爆発!
あー、もう滅茶苦茶だよ!!!
非常に面白かった。
いかにも「ザ・レイド」のギャレス・エヴァンス監督らしい、壮絶なハードアクションだった。
ストーリーは、登場人物が結構多く、裏切りや思惑が絡み合うややこしさはあるものの、
アクションの支障になるほどでは無かったと思う。
特にメデューサ(クラブ)でのアクションは白眉。
まず、ウォーカーがその建物に入るまでを約2分のワンカットで映すことで、
これから何かが起こりそう、という不穏な予感を抱かせる。
そして案の定、いったいもう何巴だよというほどの派閥に分かれて激戦が繰り広げられ、
わらわらと刺客が襲いかかってくる中で、肉弾戦、包丁、鉄パイプ、銃撃など、
方々で様々なアクションが同時進行で畳み掛けられる展開は、アクション映画的な大きな感動を覚えた。
そのアクションのバイオレンスさときたら、血飛沫の満漢全席のような凄まじさで、
銃撃で人体が顔から体まで蜂の巣になったり、ゴア描写の強烈さもエヴァンス監督らしい。
この容赦のない暴力描写の感じは、どこか韓国映画を思わせる苛烈さがあり、
肉切り包丁を使ったアクションなんて正にそうで、
或いは映画の「アシュラ」を思わせた(あれも同じく悪徳刑事が主人公だった)。
銃撃の直後の銃を相手の額に押し付けた後、熱によって額に銃の丸い痕が残るなど、芸も細かかったし、
また、ニードルガンのような釣り針の銃を、ああいう風に使うというのはフレッシュに感じた。
キャストは、主演のトム・ハーディが良かった。
汚職に手を染め、身も心も疲弊しきっている刑事。
家族のため、自分のため、己の過去と向き合うという、
選択を誤ってきた男の悔恨のドラマとなっている。
このキャラクターは、同じくトム・ハーディ主演の
「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分」の主人公に近いような気もした。
ウォーカーをはじめ、ツィの母親のフォン、チャーリーの父親のローレンス、ミアの叔父であるラウル、
それぞれの色々な事情を抱えた立場からの、“親”としてのドラマを描こうとしていたのも良かったと思う。
不満点としては、スローモーションの演出が下手に感じてしまった。
スローなんて使わずに、もっとこうスピーディーにバキバキッとアクションを見せてほしかった。
総評。
昨今では意外と珍しい、ストレートなバイオレンスアクションだった。
いわゆる痛快系のアクションではないが、このエクストリームなテイストは好きな人は絶対に好きだと思う。
ちなみに107分の映画だが、
エンドロールがかなり長く、それを除くと実質97分というコンパクトさも良かった。
月曜日の夜はハードボイルドアクションだよねと「ハボック」を観る。悪...
少し勿体無い
派手!!…につきる…
凡事徹底
シナリオはアクションプロットを侵食しない程度に、
登場人物それぞれのアキレス腱のような存在、立場、状況を、
シーン建て不要のレベルで薄く張る。
映像面では、
ライティングや画質のテクスチャーが独特の世界観を構築している。
路面に積もる〈雪〉のような物質は、
シーンによってはガラスにも氷にも見える、
まるでこの物語の荒廃した世界を象徴するような異質な質感を持つ。
この細やかな仕事が、作品全体に独自のリアリティを与えている。
粒子の粗い画質もまた、現代的でクリアな映像とは対照的に、
どこかノスタルジックで生々しい雰囲気を醸し出し、
物語の重厚感を増幅する。
トム・ハーディとフォレスト・ウィテカーは、
それぞれが演じる極限状態にある人物を、
時に極めて脆弱に、
時に圧倒的な暴力性をもって演じ切る。
まさに「極いい奴」と「極悪」の両極端を自在に行き来できる彼らの演技力は、今更言うまでもないだろう。
ルイス・ガスマンのような脇役、
他に例を挙げるならマイケル・ペーニャ、
ジャン・カルロ・エスポジトのような役者を、
上手に使って、
作品を主役を引き立てる監督は上手い監督が多い、
日本で例えると、
北村一輝、酒向芳か、
凡事徹底、細部まで徹底している。
次はMCU、DCEUと噂だけは先行してはや数年、
さまざまなオファーは来ているらしいが、
監督本数が少ない事が気になる。
中国のサム・クワー、
ポーランドのミハウ・ガズダ
各国の凄腕監督の次回作は必見だ。
『ザ・レイド』×『マッドマックス』で、ハボック(大暴れ)! …アクションだけ
Netflixオリジナル製作によるB級テイストのハード・アクション。
鑑賞の動機は監督×主演。
『ザ・レイド』ギャレス・エヴァンスと『マッドマックス/怒りのデス・ロード』トム・ハーディで、怒涛のアクションに期待。
アクションはド迫力。見応え充分。
激しい銃撃戦をメインに、肉弾戦やカーチェイスとふんだんに。
登場人物も脇役からメイン所まで次々死に(助かるだろうと思った関係者も巻き込まれ)、バイオレントでヘビー級。
幾人もが入り乱れる大乱闘。
トム・ハーディの男臭さとタフさと、『ザ・レイド』よろしくアジアン・テイスト感あるギャレス・エヴァンスのアクション演出が唸る。
そう、乱闘なのである。アクションじゃなく、ストーリーも。
話を要約すると…
ゴッサムシティのような犯罪蔓延る街。麻薬取引が謎の覆面集団襲撃により失敗。中国マフィアの女ボスの息子が死に、その容疑者に市長選に立候補している街の有力者である不動産王の息子が浮かぶ。トム・ハーディ演じる刑事は不動産王の汚い仕事を請け負ってきたが、その縁切りとして息子の救出を請け負う。
刑事、不動産王とその息子、中国マフィアと追っ手の手下、覆面集団…は同僚の汚職刑事たち、関与者が入り乱れ…。
各々の目的や思惑交錯するよくあるっちゃあよくある展開の犯罪アクションなのだが、演出が悪いのか脚本が悪いのか、話や展開がごちゃごちゃ。纏まりにかける。
このキャラはどういう立ち位置で目的は何だっけ?とか、誰と誰が繋がっているんだっけ? 敵対しているんだっけ?とか、そこら辺もあまり巧く捌けていない。
ほとんど力技(アクション)推し。
話云々よりハボック(大暴れ)アクションを見たい!って人にはいいかもしれないが、アクションでも筋を要する人には不完全燃焼かも…?
死神を背負った奴らばかり
出血大サービス
クリスマス×警察の系譜
やたら長い銃撃戦に辟易する
ネトフリ映画ランキング(日本)で、3位になっていたので視聴してみましたが、なぜこれがランクインなのかがわからなかった。主演がヴェノムでおなじみのトム・ハーディだからでしょうか。銃撃戦や肉弾戦は見どころと言えるところがなく、がむしゃらに力技ばかりで、バタバタと煩い…。マフィアも闇組織なのにゾンビ並みにめっちゃ弱い。なぜ撃たれた人がスローになる?やたら散り際が長かった。
悪人だらけの中、唯一女性警官の人が格好良くて数少ない『正義』の人だったのが救い。
乱闘・格闘・銃撃のオンパレードだけど・・・
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