「【”人生をやり直せるなら、もうワンテイク。”今作は大スターの男が、駆け出しの頃からの生き方を顧みつつ、自分の妻、娘、長年支えてくれた仲間達との関係を見つめ直すややコミカル調のヒューマンドラマである。】」ジェイ・ケリー NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”人生をやり直せるなら、もうワンテイク。”今作は大スターの男が、駆け出しの頃からの生き方を顧みつつ、自分の妻、娘、長年支えてくれた仲間達との関係を見つめ直すややコミカル調のヒューマンドラマである。】
ー ジョージ・クルーニー主演で、監督がノア・バームバックなのだから、観ないという選択は私には無い!という事で、イソイソと映画館へ。
”それにしても、良くこれだけのスターを集めたモノだなあ。”と客電が落ちるまで、フライヤー(NETFLIXのフライヤーの市ては、珍しく裏面までびっしりと文字が記載されていて嬉しい。-
◆感想
・今作は、ジェイ・ケリーはジョージ・クルーニーそのものじゃないの!と思ってしまう展開である。(実際にエンドロールで彼の過去作のシーンの数々が映される。)
・物語は彼が無名だった時代と、大スターになった現在とを交互に映しながら進む。彼は、若き日の友人ティモシー(ビリー・クラダップ)と、撮影所で偶然出会い、珈琲を飲みに行くもティモシーは彼に恨みを持っており、殴り合いになるのだが、実はティモシーのオーディションに付いて行ったジェイ・ケリーの方が演技が上手く、スターへの道を歩み始めるシーンなどは、ナカナカである。
・功労賞を受ける事になったジェイ・ケリーは、イタリアに向かうのだが、妻ジェシカ(ライリー・キーオ:久しぶりに観たが、変わらずに美しい。)と離婚した際に、妻に引き取られたために、父に捨てられたと思っているデイジー(グレイス・エドワーズ)は、父に対しツレナイ返事をするのである。
大スターと言えども、ジェイ・ケリーが家族愛に飢えている事が分かるシーンである。
・ジェイ・ケリーを支えて来たスタッフのリズ(ローラ・ダーン)は、彼の同乗した列車の客たちを全員、授賞式に招待する!とジェイ・ケリーが宣言する姿を見て、旅の途中で帰ってしまう。
同じく長年マネージャーとして支えて来たロン(アダム・サンドラー)も、同じくマネージャーをして来て、同じく功労賞を受ける事になったベン(パトリック・ウィルソン)から、契約解除を言い渡され、自分の仕事の意味を考え、ジェイ・ケリーの授賞式の前にタクシーで帰ろうとするのだが、ジェイ・ケリーは漸く彼の存在の大きさに気付き、タクシーを追いかけて来て、式に出る様に懇願するのである。
・今作では、多数の有名俳優が綺羅星の如く、出演している。だが、人によっては登場シーンが短いのと、各エピソードの描き方が点描的であるので、やや脳内フル回転で観る必要があるだろう。だが、それでも、大スクリーンに映し出されるジェイ・ケリーを演じるジョージ・クルーニーは、笑顔が素敵で格好が良く、圧倒的な大スターのオーラを出しているのである。
彼が、劇中で鏡を見ながら数々の大スターの名を呟き乍ら、その後に”ジェイ・ケリー”と呟くシーンは、印象的なのである。
■今作の一番の見所はジェイ・ケリーの授賞式ののシーンである。
彼は大勢が座る中に、同じく座っているのだが、彼が振り返るとその中には別れた妻や、喧嘩別れをしたティモシーが、幻想の如く彼の受賞を祝うが如く、参列しているのである。
そして、彼は悟るのである。
【大スターである前に、良き夫・父である事。友人を大切にする事。】という当たり前の事だが、大スターになる過程で、忘れていた事を・・。
<今作は大スターの男が、駆け出しの頃からの生き方を顧みつつ、自分の妻、家族、長年支えてくれた仲間達との関係を見つめ直すややコミカル調のヒューマンドラマなのである。>
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