フランケンシュタインのレビュー・感想・評価
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怪物の悲哀がよく出ていた
2025年劇場鑑賞309本目。
エンドロール後映像無し。
ネトフリ作品なので当然パンフ無く減点0.5。
何度も映画化されてきたけど意外としっかり観たことがない気がするフランケンシュタイン。アイ・フランケンシュタインみたいな派生映画は見ているのですが。話自体は子供の頃小説を読んでいてなんとなく覚えています。
子供心に怪物が人の心に触れて優しくなれるチャンスもあったのに、別の人間のせいで結局殺人鬼みたいになっちゃって可哀想だな、と思っていて、それはこの映画でも描かれていました。それに加えて死ねない体というのがあって、永遠の孤独に耐えられない、という怪物の主張がよく分かるようになっていました。
フランケンシュタイン博士の回想と、怪物の回想の二部構成になっていて、後半は面白かったのですが、博士の回想の怪物に対する態度がキツすぎてちょっとしんどかったです。博士も最初は怪物に優しかったイメージがあったので・・・。
あと、優しいミア・ゴスを初めて見ました(笑)
もっと観られていい映画
現代のプロメテウス
メアリー•シェリーの原作とは別物でした。なので、キャラクターを借りたスピンオフとして観れば面白いと思います!安心感とポップさ、画作りの丁寧さが好感でした。
原作からストーリーが大きく変更されていました。原作では子供の殺害があるので、そのままでは映画化にハードルがあったのでしょうか。女性への恋心の芽生えと殺害に至る心理的変遷は原作通りのほうが面白いと感じました。映画では船長が過度にマッスル化されておりそれも避けて欲しかったです。最も違和感があったのは、クリーチャー(怪物)の独白で「創造の責任とは何か」ということがあまり語られておらず、そこはこの原作の美しさの頂点だと思いますのでぜひ真正面から描いて欲しかったです。
何か惜しい
はぐれ者への優しいまなざし
知っている古典がモチーフなためか、めちゃくちゃ新しくてヤバイ!という印象はありませんでしたが、社会から受け入れられない怪物的なはぐれ者への優しいまなざしに、いつものデルトロみを感じました。生みの親であるフランケンシュタイン博士に殺されかけ、命からがら逃げ込んだとある農家で、おじいさんに頭を撫でてもらう孫をみて、自分で自分の頭を撫でてみる怪物が切ない。彼がおじいさんのもとで本を読み言葉を覚え成長していくところがよかった。
エリザベスは多分あの時代にあって生きづらい女性だったと思うんだけど、おそらく結婚にも消極的で、怪物のことはどのような目線で愛していたのだろうか。同じ異端としてのシンパシーを感じていたのだろうか。そのあたりはちょっと分からないままでした。
ヴィクターの母や天使に使われる象徴的な赤い色、怪物に命が宿る際に口から心臓を駆け抜ける視点などはゲーム「デスストランディング」を思い出しました。作者同志も交流があるようですが何かオマージュ的なものがあったのだろうか。
最も美しい人造生命
ネトフリ製作なので観れないかと諦めていたが、ありがたいことに上映してくれたのでウキウキで鑑賞。『パンズラビリンス』以降、ギレルモ・デル・トロ監督のファンであります。
近年のフランケンシュタインはあまり観ていないが31年版、続編の『花嫁』はセットで大好き。
感想としてはとにかく題材と監督が相性ばっちり。今日ではゴシック・ホラーのイメージが強い『フランケンシュタイン』だが、今作ではより哲学的な、生命の意義というか『死は乗り越えるべきものなのか』そして『乗り越えてしまったらどうなるのか』という問いが描かれる。衣装やセットといった世界観の作り方も、デル・トロらしい誇張された舞台っぽさ、と言っていいのか分からないが徹底されていて力の入れようを感じた。
もちろん、良いほうに作用している。
主人公には赤色、弟の許嫁には緑色の衣装が多く緑が生へのリスペクト、赤が死への執着のようなメタファーなのかなと思った。
衣装そのものもすごく格好良く印象的だったが、クレジットロールでティファニーが出てきて驚いた。私のような門外漢でも分かるもんだね。
ストーリーは怪物に追われるフランケンシュタイン博士が自身の人生を語る形式で進み、後半で怪物の視点になる。このスタイルは意外だった。
結構長いというか、『これ纏まりきるのか…?』と少し不安になったが、様々な要素を含みつつ綺麗に、すっきり纏まった。怪物がこれからどうするのか、という点はすこし気になるが、画作り、シナリオ、キャラクターどれをとっても美しい映画だった。
解剖シーン、組み立てシーンなどグロテスクなシーンも多いので苦手な人は注意かも!
原作に近くアカデミー賞を獲った『シェイプ・オブ・ウォーター』以上に良かった
人造人間の生命の創造よりも不死の苦悩を、そして憎しみよりも赦しを。ミア・ゴスの新たな一面が魅力的。他の配信作品も劇場公開して!!
悲しい
アニメやUSJに出てくるフランケンシュタインとはだいぶ異なる。
かっこいい。愛おしい。悲しい。泣ける。
長いけど、展開が飽きさせない。
映像もとても精細で豪華。
解剖シーンは血とか臓器とかが苦手な人は嫌かも、臭いまでしそうで。
博士が何故怪物フランケンシュタインを創造したのか、幼い頃からの生い立ちから描かれている。
子供が成長してどんな大人になっていくかを左右する親の愛情って大切だな、もちろん他の大人達も。
愛を知り、人を大切にする気持ちや優しさがうまれる。
怪物フランケンシュタインが言葉を学び、愛を学んで行く様子が早い。怪物だから学習能力が優れているのか、過去の脳の記憶なのか?
ラストのシーンで、船長さんがこのままでは踏んだり蹴ったりだなぁ、その作業は怪物フランケンシュタインに頼んだらいいのにって思ったら、怪物フランケンシュタインが自らやってくれた展開で良かった良かった。
弟さんは気の毒。
名作、ただしモンスターの設定は...
人外を描かせたら当代一のデル・トロ監督の渾身の一作。今年下期の注目作の1つだったが期待を裏切らない作り上がりだった。
原作小説、ボリス・カーロフ版映画の「フランケンシュタイン」及び「フランケンシュタインの花嫁」の名場面のいいとこ取りして、それらをオリジナルストーリーで紡いでデル・トロの哀愁をまとった映像世界に巧妙に落とし込まれている。
画面に登場するだけでワクワクする2人の怪優、K.ヴァルツとM.ゴスの芝居も楽しい。
オリジナル映画の、有名な「少女を池ポチャ」シーンはポリコレ配慮でオミットしたのか、どう撮ってもコメディになってしまうからか?
ただ、モンスターをアンデッド設定にしたのはやり過ぎのような気もする。
フランケンものの傑作パロディ映画「ヤング・フランケンシュタイン」も見返したくなった。あれの盲老人(J.ハックマン)との対峙シーンは爆笑モノです。
「憎しみ合っている訳ではないのに、殺し合わなければならない」2人の関係性が実感できない
不死身の大男が北極探検船で大暴れするエピローグから、一気に物語に引き込まれる。
死体を継ぎ合わせて生き返らせてしまったフランケンシュタイン博士が、その怪物を、研究施設もろとも吹き飛ばそうとするまでを話す内容が第1章になっていて、船に乗り込んできた怪物が、博士に殺されそうになった後に経験したことを話す内容が第2章になっているという物語の構成も面白い。
この監督ならではの、ゴシック調のセットや衣装デザインと、それらを浮かび上がらせる陰影に富んだ美しい映像も、存分に堪能することができた。
ただし、人間関係を描くのに時間をかけている割には、博士が、人体蘇生の研究に打ち込んだ動機が今一つ理解できないし、怪物が、猟師の家に潜んでいるうちに急激に知性を身に付ける展開にも違和感を覚えざるを得なかった。
博士が、幼くして母親を亡くしたことや、父親との確執によって「命の再生」に取り憑かれたのであれば、そのことをもっと明確に描いてほしかったし、怪物が、書物を読めるまでに知能を発達させた過程では、盲目の老人が孫娘に文字を教える様子を覗き見ていた以上の説得力のある説明があってもよかったのではないだろうか?
それから、博士と怪物が北極圏までやってきたのは、てっきり、逃げる博士を怪物が追いかけてきたのだと思っていたのだが、終盤で、その逆だったことが分かって驚いてしまった。そうであるならば、どうして怪物が逃げて、博士がそれを追いかけたのかが、今一つ腑に落ちないのである。
怪物は、博士を殺そうと思えば、いつでも殺せたはずで、別に北極まで逃げる必要はなかっただろうし、そもそも、共に生きる伴侶が欲しかっただけで、博士に復讐しようとしていた訳ではないのである。博士の方も、確かに、怪物のせいで愛する人を殺してしまったという経緯があるし、怪物を創造した者の責任として、自ら終止符を打ちたかったのかもしれないが、それは、あくまでも「逆恨み」や「思い込み」であって、地の果てまでも怪物を追いかける理由にはならないだろう。むしろ、知性を身に付けた怪物は、彼にとって、もはや「失敗作」ではないはずなので、研究の成果として保護しようとしてもおかしくないのではないだろうか?
このように、「憎しみ合っている訳ではないのに、殺し合わなければならない」2人の関係性を実感することができなかったせいか、博士による謝罪と怪物による赦しのやり取りが素直に心に響かなかったのは、残念としか言いようがなかった。
こうしたラストにするのであれば、身勝手に命をもて遊ぶ博士に対する怪物の怒りや憤りがより強調されるべきだったと思うし、異形の者ゆえに、いわれのない差別や偏見を受ける怪物の悲しさや切なさが余り描かれなかったことにも、物足りなさを感じざるを得なかった。
『シェリー』に口づけ
物語り誕生の元になった「ディオダティ荘の怪奇談義」については、
〔ゴシック(1986年)〕に詳しい(笑)。
もっとも『ケン・ラッセル』による同作、
かなりエロティックではあるのだが。
本作は二部構成。
一部は「創造主/クリエーター」が
二部は「怪物/クリーチャー」が夫々主体。
尺は150分に近いかなりの長さも、
スペクタクルシーンに時間を使いすぎたためか、
登場人物の心情に分け入り切れない
何かと不満の残る一本になっている。
「Netflix」による、潤沢な製作費の保証が、
全体の構成を歪ませる要因かもしれない。
それでも、狼が羊を襲うシーンのVFXは、
動きがカクカクし、チープ感が漂うが・・・・。
『ヴィクター・フランケンシュタイン(オスカー・アイザック)』は
彼が幼い頃に不慮の事故で亡くなった母親への思慕の情がつのり、
いつしか生命の創造を試みるようになる。
が、それにより、愛する母親が甦るわけではなく、
主人公の発想の飛躍について行くのは、なかなかに難しい。
創造に熱中するあまり、
産み出した後の用意を何も考えていない迂闊さは、
子供が図体だけ大きくなった主人公の本性をうかがわせる。
「マッドサイエンティスト」らしいとの表現もあたるか。
「怪物」に対しての態度も、
自身が幼い頃に父親から受けた躾をそのまま再現しているようで、痛々しい。
産み出された方の「怪物」だが、
創造主の手を離れたのちに長足の進歩を遂げる。
言語を取得し、コミュニケーションも可能となるが、
人々は彼の外見を畏怖し、
心を開いてくれたのは盲目の老人と、
『ヴィクター』の弟の婚約者『エリザベス(ミア・ゴス)』のみ。
片や容姿に左右されないし、もう片方の審美眼は
世間的な物の見方を超越している。
彼の躰は一度死んでも再び蘇える不死。
度重なる迫害を受けたことに絶望し、
『ヴィクター』に対し(永遠の命を持つ)伴侶を造るよう要求する。
ここからの展開は相当に荒唐無稽。
追う者、追われる者の主客がくるくると逆転し、
ついには北極圏を股に掛けた追走劇に発展。
あまりの地域的な広がりに(もっとも原作通りではあるが)、
唖然とするばかりだ。
『ヴィクター』「怪物」『エリザベス』の
感情の深みや揺れが判るエピソードをもっと見たかった。
原作の表面を薄く剥ぎ取り、
映像に仕立ててしまった印象。
死ねない悲哀は、
『高橋留美子』の〔人魚シリーズ〕の通りだし、
パートナーの有無がモチベーションに直結するのも同様。
一種の気まぐれが生む混乱は
『芥川龍之介』の〔蜘蛛の糸〕でも描かれているが、
いずれも憤懣をぶつける相手はいないか、手の届かぬ場所に存在した。
翻って本作では、そのための追走劇であったハズなのに、
あっさりと怒りが氷解するのは簡単に過ぎる。
西洋的な神と人間の関係性を背景にしているのだろうが、
どうにも得心が行かぬ。
これなら原作通りに、最後には絶望と不毛を見せてくれた方が、
どれだけ良かったか。
悲しく切なく残酷で、「美しい」
マジでとっても良かった。
冒頭に赤い「N」がズズーンと登場して、初めてNetflix作品だと知り、「あら、これ配信すぐ始まるのね。」と自分の予習不足を呪ったが、なんのなんの。
ゴシックホラーの恐ろしさはそのままに、物語はあくまで悲しく、切なく、残酷。
しかし、そこに表現された世界はとてつもなく「美しい」。
まずはビジュアル。
美術・衣装の細部までこだわった豪華さ、有名役者陣の華やかさはもちろん、どのシーンを切り取ってもトレイラーやサムネイルに利用できる様な画面作り。
そして物語の美しさ。
キリスト教世界においての「創造主」という禁忌に、真正面から挑む主人公とその「エゴ」と「暴走」。
生まれてしまった「いのち」と「不死という地獄」。
そして、「赦し」と「救済」。
不死の孤独に耐えられず「伴侶が欲しいんだ」と願う「彼」を、父であり創造主であるヴィクターは「モンスターめ」と罵る。
「彼」にとって「ヴィクター」という存在とその名前は、まさに生まれた当時のすべてであったのに。
最後まで「彼」に名前は与えられない。しかし、それまで何者でもなく、ヴィクターの手によって作られたただの物であった「彼」が、ついにその存在を受け入れられて終わる。
帰るところのある乗組員と、これから終わることのない孤独な旅が始まる「彼」の対比もまた、切なさを誘う。
原作を読んでいないので、是非パンフレットで監督が描きたかった宗教観や死生観、登場人物たちのインタビューなど読みたかったけど、Netflix配信ということでその手の商品は発売が無いっぽいのはとっても残念。
是非多くの方に観て頂きたいな。
死ねない苦痛に考えさせられた
ギレルモデルトロ監督が彼独自の視点で捉えた25年ネトフリ製作作品。...
「愛」を会得したクリーチャーの行く末
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