フランケンシュタインのレビュー・感想・評価
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劇場で観たかったとても丁寧に作られた古典のリブート作
デルトロのフランケンシュタイン
デルトロのフランケンシュタインと言うだけで
もう引きがある。
さてどんな奇怪な物語でどんな造形なのか?
とワクワクしてたのだけど、ハードルが上がり過ぎたのか
見終わった感想としては、綺麗にまとまり過ぎてたな
と言う感じでした。
デルトロの、人が嫌がる所、汚らわしい所に美を見つける
と言った世界観や背景美術は流石だし、
怪物の造形も好きだったが、
物語はそのままフランケンシュタインと言う感じで
デルトロらしさ、みたいな物はなかったように思う。
怪物の章からやっと面白くなって来たと感じましたが、
ヴィクターの章は陰鬱で長い。
ヴィクターから解放されて、怪物がどう言う人生を
送るのか…終わらない旅ではあると思うが、
穏やかで良い人たちに出会う人生であってほしい。
怪物の目に哀しみ。
ちょうど今年の3月に原作読了。
SF小説の祖といわれるこの物語が約200年前の20歳女性の作品とは思いもよらず。
SFというより漱石の「こころ」を読んだ時に近い読後感と余韻。
この映像作品はその小説を上手に解釈し直した作品だった。
(小説の方はもっと俯瞰的に人類を捉えていた。
また2世紀も前なのに現代にも通じる文明批判と科学への依存に対する警告、
今と変わらぬ人間どもの善と悪と偏見に満ち溢れていた)。
映像作品の方はもっと個人(フランケンシュタインと怪物)にインサイト。
フランケンシュタインがわかりやすぎるくらい(≒ステロタイプ)の
嫌な奴的な描き方だったのはこっちに置いてておいて
(小説のほうは当時の常識人で当時の科学者として真っすぐに前向き。)、
なんといっても目を見張ったのは怪物の捉え方。
「おれは誰だ」というのは小説にも映画にもあったが、ちょっと角度が違った。
フランケンシュタインに対する「憎しみ」は共通だが、
小説は「おれは誰だ」と自分がわからないことへの「怒り」に対して、
映像作品に感じたのは「おれは誰だ」がわからないことに対する「哀しみ」。
その「哀しみ」の裏側にはあるのは、
友達もいず、連れ合いもいず、人とも交わることもできず、
永遠に不死であり続ける怪物の今後の長い時間。
(小説はそれほど不死の強調はなかったような)
それがいちばん感じた作品かな。
小説と映像作品で2度おいしいフランケンシュタインでした。
追記>
小説と違い、フランケンシュタイン自身が抱える苦悩はそれほど深く描かれず。
描かれたのは怪物が主。
でいうと、「フランケンシュタイン」というタイトルではないような…。
“ビクター“から解放される怪物
言うまでもなく、信者必見のデル・トロクオリティ作品
エルファニのプレデターを見に行こうかとしたんですが、行きつけの109のエグゼクティブシートに、全く空きが無く。週末は仕方ないか、平日にしよ。と言うことで、エルファニのプレデターを止めて、ミア・ゴスのフランケンにしました。何らつながりは有りませんがwww
デル・トロです。ガチのデル・トロ文法。かなりエグ目です。スプラッターです。配信専門短編集が有りましたが、あの中にはエグいのあったの、これがデル・トロなんだと思います。
メアリ・シェリーの現作は未読ですが、ラストはフランケンシュタインが北極海に姿を消すことだけは知ってます。映画のラストは、このエピソードに倣いますし、おおむねは原作を忠実に再現し、セリフも原作から何も変えず脚本にしたとこもあるらしく。そもそも、このフランケンシュタインの映像化は、デル・トロの夢だったとか。と言うだけあって、金は掛かってますわ、こりゃー。
映画クオリティは最高です。美術、衣装、色と照明、いつもながら惚れ惚れする。
時間に余裕のある方は、メイキングの鑑賞もお勧め。デル・トロ自身の言葉が聞けるし、映像化に狙いや考え方も明かされます。
良かった。
とっても。
デルトロとゴシックホラー
目標達成おめでとう。
まるで心震わせる交響楽のよう
ディズニー映画的
何をもって「怪物」と呼ぶのか
生き続ける精霊
死の克服に挑戦するという外科医が、生命の創造に成功するが、その存在は自身の描いた物語を超越していき…といった物語。
倫理感のブッ飛んだヴィクターと、別の意味で倫理感のブッ飛んだエリザベスを中心に描かれる第一部。
周りとの軋轢を乗り越えやっとこさ生み出した生命…最初はホッコリする雰囲気だったが…いつの間にかかつての父の様な姿にハッとさせられる。
それでも、その叫び声に一度は戻ろうとした気持ちはホンモノだったのだろうか…?
そして何より彼の存在。
知性を与えてくれるのはやはり愛情か…(涙)ヴィクターのそれとは正反対のおじいちゃんとの関係にグッときた。
でも、最も刺さったのは狼と猟師の件で、憎しみはなくとも…終わることはない、の言葉かな。哀しいけど、名言すぎるでしょ。
話は現在に還り、終わることのできない苦しみの話や、生の創造!?はたまた死の創造!?…結局ヴィクターが望んだものとは?そして、真の怪物は…!?
…と言うような話が約2時間半、濃厚に詰め込まれたドラマ作品だった。言ってしまえば、予告編のような派手な展開はそりゃあもうね…。
別にそれを求めてた訳では無いから良いっちゃ良いが…改めて予告編職人ってスゲェな。。
そして穏やかな感じにしてるが、ゆうてちょっと前までアンタ破壊しようとしてたじゃんw
まぁでも、そこからのおじいちゃんの教えに繋がると言う意味では良かったのかね。
苦しくとも生き続けることの大切さや憎しみを越えること、人の倫理感を問う物語に心を動かされた作品だった。
んで今更ですが、別に彼がフランケンシュタイン…って訳では無いんですね。
ヴィクターが怪物だった
今年の目玉のひとつとなる傑作
75点ぐらい。ボリス・カーロフのとは別モノ
フランケンシュタインは、白黒でボリス・カーロフが怪物を演じてるユニバーサルの1作目と2作目の『フランケンシュタインの花嫁』を観ております。
そっちのイメージが世間的には広まってると思うんですよ、怪物の名前はフランケンシュタインで、首にボルトが刺さってて角ばった顔で、って感じに。
この映画では、フランケンシュタインというのは怪物の名前じゃなく、怪物を造った博士の名前。
怪物の見た目も例のイメージとは、だいぶ違う。
北極から始まったりするし…
かなり脚色してるなと思ったんだけど、調べてみたらユニバーサルのボリス・カーロフ版の方が原作を変えてあるらしい、こっちの方が原作に近いのかな?
ホラーってよりヒューマンっぽくて、終わり方もビックリした。
まあコレはコレで良いけど、やっぱりユニバーサルのボリス・カーロフ版の方が好きです。
尽きない命の哀しさ
最後は心がほっこり&悲しい
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