「選択... 生き別れか?死に別れか? どちらを選びます?」終わりの鳥 Paula Smithyさんの映画レビュー(感想・評価)
選択... 生き別れか?死に別れか? どちらを選びます?
Well, she's a teenager, so, you know... She's just running
around, uh, drinking and chasing after boys and stuff.
So... I'm hoping it'll take her ages to even notice that
these are gone. ー 母親のゾラの願望が生んだ悲しい嘘です。
主演の一人で娘のチューズデーを演じたノンバイナリーでもある女優さんは、撮影当時、15才の役を25才で演じたとされる。個人的には年齢なんてどうでもいいと思っていると、この役に関しては、ジョークをはじめ母親をも諭す場面があることから、あたしは死を避けれない立場なのに落ち着いていて、母親のゾラとは正反対に違い、取り乱さない冷静な演技が反って好印象となっている。ところでもって、名前が「火曜日」って?
In the popular nursery rhyme “Monday’s Child,” which is supposed
to predict baby’s future, it is said, “Tuesday’s child is full of grace.
” Never let baby forget when they were born with the name Tuesday.
ですって
古くは、その鳥を見れば病が治ると言われた鳥から、死を告げる墓場鳥ナイチンゲールだったけど、ここではインコちゃん...その彼のお言葉
Madam...
You need to say goodbye to your daughter.
Life... Every life ends. You cannot avoid...
人の死に関わる作品なので気持ち的には憂鬱であまり好みと言える映画と言えないかもしれないけど何故か、不思議なぐらいに見入ってしまっていた。お母さんのオトボケぶりとインコちゃんの掛け合いがシリアスなのかコメディなのか、全然わからず笑えなかったけども...だからインコちゃんの低音ボイスというよりも...
"コンゴウインコちゃんの姿が全てで、それが曖昧なら映画は終わりです。"
先日、映画『Wicked』を見る機会があったけど権威主義的な教授を山羊に仕立てていたけどその造形の曖昧さ(CGではいまだに映像化が無理とされる人の毛髪、動物の毛、海の波... etc.)、が映画自体の質を落としていたと感じたけど本作に関しては... コンゴウインコちゃんが自らのサイズを自由自在に変えることでアップになったり引きのロングになったりと目まぐるしく変わるけどアズラエルとも "Death" とも例えられるコンゴウインコちゃんの造形はかなりの角度で先日鑑賞したおバカ映画とはクオリティがダンチに違い、鼻のようなクチバシの光の反射のテカリ具合や鳥独特の目の動きなどが違和感がなく、ギミックの確かさが死についての宣言を大事にしていると思える。ただし、若干ライトの当たり具合が実写とCGとの差があったような?
コンゴウインコちゃんは、最後に意気消沈しているゾラに次のように告げます。
There is no God. Not in any... human way. But there is an
afterlife. The echo you leave, the legacy. Your memory.
This... This is Tuesday's afterlife. How you live it is how
she lives.
ゾラの次の言葉で映画は締めくくられます。
Get up, woman. (※「立ち上がるんだ! ジョー!!」なんてね?)
この映画は評価が二分されるかもしれない...
それは、感傷的な低レベルのシノプスが小学生レベルなのかもしれない、でもその反対に...
"人は誰でも死ぬ。"
その機会が不公平に思えても決して逃げることは出来ない。その厳しい現実を物語は見据えている。娘の痛みと差し迫った死という現実に向き合うことができないゾラは、二人の関係の最も重要な節目で二人は対立する。そのことが、さらなる苦しみを引き起こす。
『終わりの鳥』は死についての映画ではなく、最愛の人を失った深い喪失に直面しても生きるのをやめることを許されない人たちが決断しなければならない選択についての映画なんです。つまり、この映画は、自分たちの心を傷つけるというよりは、人の心を立て直す拠り所となる作品と言えるかもしれません。ところで...
亡くなった人への喪失感を描いたテレビドラマがあったけど、主人公の男性が失った人の姿に会えるかもしれないとタクシーのドライバーになり13年間待ち続けている話で... NHKのドラマなんて見ないけど好きな人が出ていたので...いいドラマでした💧
古典落語にも出てくる死神...
日本落語で言う延命のためにしたことが、引き金に寿命を減らすってテーマは、生命の時間だけの事で、本作における”永遠”はその時間の観点が何処にあるのかが分かるのかもしれません。生命の終わりを司る"death" と呼ばれる彼は、決して死神ではなく、苦しんでいる人たちを救う普遍的で漠然とした存在です。
「選択... 生き別れか?死に別れか? どちらを選びます?」
... と聞きましたけど
悪質な質問でしたね?
あたしの答えは...
水平線の果てまでついていきます。(NHKのドラマの題名より拝借)
(^.^💕)エヘッ