KIDDO キドーのレビュー・感想・評価
全29件中、21~29件目を表示
ポップでキュートでアナーキー
いちいちカワイイ!
いちいちオカシイ!
いちいちカッコイイ!
指先から放たれる魔法で、この母と娘の今が輝く日々がまぶしい。
希望や絶望でなく、未来や過去でなく、今この一瞬の輝きを体現する。
何も解決してないし、進展があった訳でないが、この日々の記憶が刻まれることが何より重要なことだ。
その一瞬一瞬を切り取ったショットの無類のカッコ良さに痺れる。
オランダ発ポーランド行き 母と娘のロードムービーにアメリカン•ニュー•シネマの残像を見た
オランダの児童養護施設で暮らす少女のもとに突然、母親がやって来て、母親のオンボロ車を駆ってふたりでポーランドにいる少女のおばあちゃん(すなわち、母親のお母さん)に会いに行くというロードムービー。この母親というのが破天荒を絵に描いたような人でトラックの後ろのコンテナの屋根の上に登ったり、突然、奇声を張り上げたり、レストランで無銭飲食したりとやりたい放題。娘にはハリウッドで女優してたとか言ってるけど、本当は娘に絶対に会いに行けない塀に囲まれた場所にしばらくいて、この度おツトめが無事完了したので会いに来たんじゃないのかと勘繰りたくもなります。それでも娘のほうは母親といっしょにいたい一心でついてゆきます。少なくとも最初のうちは。
母親は自分のことをボニー、娘のことをクライドと呼んだりして、あの無敵の逃避行を気取ったりするのですが、そう言えば、本家のボニーとクライドでは、クライドが同性愛者かつ性的不能者だったのでボニーが性欲を拗らせてたなと思い出し(合ってる? なにぶんにも古い映画ですので)、こっちのボニーは別の大事な本能、母性本能を拗らせちゃってるんじゃないの、それも自分のせいで、とか思って見ておりました。
そんなこんなで話はまあ予想の範囲で進み、予想の範囲の結末を迎えます。ここで私には、この破天荒な母親に関して疑問がひとつ湧いてきました。それは、母親は本当に娘とひとつ屋根の下で暮らして母として人生をやり直そうとしていたのか(上にも記したようにたぶん「更生」が必要な人みたいですから)、それとも、始めから自分のことを母親失格と分かった上であの目的のために娘を利用しただけだったのか、一体どちらだったのか、という疑問です。うーん、実は母親自身にも答えが分からない、どちらでもあり、どちらでもないといったところかな。私はこのあたりから立ち上る切なさ、ほろ苦さといったところに’6-70年代のアメリカン•ニュー•シネマの香りを感じました。
最後に、パルム•スネークの称号を与えたくなるヘビのヘンク君の名演に星半分オマケです(ホンモノかどうかわからないけど)。
ルーの幸せを願うばかり
お試し期間
自称ハリウッドスターの母親ガリーナが、オランダの養護施設で暮らしていた娘ルーを迎えに来て、ポーランドの実家に金を取りに行く話。
施設にママから連絡が有り、翌日10時に来ると聞いて浮かれるルー、からの待っていたのに…と思っていたら、なぜか職員が誰もいない時にやって来て、巻き起こっていくストーリー。
ハリウッドで暮らしているのになぜか愛車でやって来て、逃亡者だとかボニー&クライドだとか言いながら、ママになりたいけれどちょっとイカれたカリーナと、今はいけないことと知りながらママと一緒にいたいルーという2人の旅をみせて行く。
不思議な「変なガキ」がいたり、子供向け?みたいな演出があったりと、なんだか良くわからないファンタジーっぽさを出を織り込みつつ、イタカユイ部分を突っつく感じはあるけれど、背景部分に良くわからないものが多すぎてか、なんだかもう一歩刺さらず…。
一応主役はルーということで、彼女視点でしかみせるつもりがないということなんでしょうかね。
娘をキドーと呼ぶ母親と、母親をカリーナと呼ぶ娘という距離感はなかなか良かったかな。
親子ごっこの旅
自称ハリウッド女優のママが突然やってきた。見た目は若くてクール。乗ってきた車はポンコツだけど、ニューシネマの雰囲気で逃避行にはもってこい。
父親が誰なのか、なぜルーが施設に預けられているかは全く語れないが、ルーを引き取って一緒に暮らすだけの生活力がカリーナにはないのは明白。
ハチャメチャな母親との冒険旅行は刺激的であり、母親との絆が深まりそうだけど、そんなに甘くはないよね現実は。
構造的には、『After Sun』に似ているが、『After Sun』ほど重苦しくもなく、ポップに親子が描かれている。
「0 or 100でなく、ちょっとだけママになってくればいい。」ルーの言葉が響く。そんな作品でございます。
60~65点ぐらい。オシャレなロードムービー
オランダの映画でオランダが舞台なのに、アメリカ映画を観ている感じで、
アメリカンなファッションでアメ車に乗り、アメリカンな風景の中を旅していく映画です。
クリスタルズやロネッツみたいな60sガールズポップっぽい曲が良い。
アメリカ映画に寄せてる感じでアメリカ映画が好きなんだろうなーと思ってたら、やっぱりアメリカン・ニューシネマへの愛らしい。
劇中で自分たちをボニー&クライドって言ってるけど、テルマ&ルイーズって言ったほうが近い、女性2人なんだから(笑)
母と娘の旅で、トーマシン・マッケンジーが出てた『ドライビング・バニー』を思い出した。
話が面白いってよりオシャレさを楽しむ映画じゃないでしょうか、話的には特別に面白くなかった(笑)
子供を大人に成長させるより、大人が大人になるほうが難しい
オランダからポーランドの祖母宅へオンボロ車で向かう母娘の逃避行を描いたロードムービー。オランダの児童養護施設で暮らすルーは母親カリーナからの突然の連絡に喜ぶが、まさか施設に無断で長期間連れ出されるとは夢にも思わず…
母親のキャラクター設定が秀逸。エキセントリック全開である。カリーナはハリウッドスターになる夢を追いかけルーを施設に置き去りにした。急に会いに来たら施設に無断でポーランドの祖母宅へ隠し財産を取りに行こうと、無責任にもほどがある。でも憎めないのだ。
カリーナは娘の事を愛している。それは随所に伝わる。お金があれば二人は一緒にいられると信じている。でも、責任を持つという事が理解できない。ルーは施設で社会性を学んだ。何とか母親と一緒にいようと懸命に旅を頑張るが、カリーナのエキセントリック性は母娘の旅が如何に終幕するか、観る者にいろいろと想像させる。血が繋がっているだけに思春期の悪い友達より質が悪い。子供を大人に成長させるより、大人が大人になるほうが難しいと感じた。
全体的に軽いタッチで描かれており、女性同士のロードムービの清々しさのある一本で、深く考えず観る事をお勧めします。
全29件中、21~29件目を表示








