プロフェッショナルのレビュー・感想・評価
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邦題がもったいない!中身はしっかり硬派なハードボイルド
自然豊かな北アイルランドで繰り広げられる、老兵とテロリストの攻防戦。
この物語の核心を、邦題はまったく表現できていないのが残念。
リーアム・ニーソンは年齢相応の動き。でもそれが逆にリアルで、今の彼だからこその“渋さ”が光る。
敵のリーダーは女性。4人のテロリストにどう立ち向かうのか――しっかり見どころがあります。
終盤の、ギリギリで破綻しない緊張感。子どもが絡む展開は、「アンタッチャブル」のシカゴ駅シーンを彷彿とさせる巧みな演出でした。
もはや全盛期のようなスピード感はない。けれど“今のリーアム・ニーソン”がアクションをするなら、こういう形が正解だと思わせてくれる一本です。
やっぱりリーアム・ニーソンは強い。 『96時間』シリーズのような凄...
半径300mの
ナメてたら、リーアム・ニーソンの傑作だった❣️
「プロフェッショナル」(原題:In the Land of Saints and Sinners)をAmazonプライムで視聴
(2025/6/11配信開始)
無双リーアム・ニーソンではなく、殺し屋ながら慈悲のある老人の渋い良作だった!
クリント・イーストウッドの愛弟子、ロバート・ロレンツ監督作。原題の方が分かりやすいのに、これはダメな邦題だろう。
主演リーアム・ニーソンが祖国アイルランド製作の作品に出演した作品であり、キャスト陣がほぼアイルランド出身の俳優ばかりなのも興味深い。
1974年、北アイルランド紛争を背景に、長年の間、殺し屋として暗躍してきたフィンバー・マーフィー(リーアム・ニーソン)は引退を決め、海辺の町グレン・コルム・キルで正体を隠しながら静かに暮らしていたが、ある事件が引き金となり爆弾テロリストの壊滅に挑む。
アイルランド共和軍(IRA)による首都ベルファストでの自動車爆破テロ事件から始まる冒頭のシーンに驚く。偶然にも子供3人を巻き込んでしまった陰惨な爆破テロ。テロ組織リーダーの女性デランが子供たちに逃げるよう叫ぶシーンが印象的であり、彼女のキャラ描写としても象徴的。
IRAの過激派グループが町に逃げ込んで来て、彼らのひとりが地元の少女モヤを虐待していると知ったフィンバー・マーフィー(リーアム・ニーソン)は少女を助けるために制裁を下し、テロリストたちと対立することとなる…
パブにて、人の死への軽薄な姿勢に怒り、弟分ケビンを殴るシーンはマーフィーの実直で真面目な人柄が象徴的に描かれた場面だと思う。
(所詮、彼も人殺しだけどね…)
「イニシェリン島の精霊」では、読書好きで聡明な主人公の妹役の好演で、第95回アカデミー賞:助演女優賞にノミネートされたケリー・コンドンのキャスティングが素晴らしい。アイルランド共和軍(IRA)の過激派グループのリーダーとしての演技が巧くて感心!(額の皺も印象に残る…)
テロ組織の同僚でもある、弟カーティスが行方不明となり、弟の行方を案ずる悪党デラン・マッキャン(ケリー・コンドン)が弟を殺したリーアム・ニーソンを追い詰めていく様子もスリリング。
(床に落ちてた弾薬で気がつくとは有能だよ)
悪党リーダー、デランとパブで取引する前、虐待されていた地元の少女モヤに愛猫を託すマーフィーの姿は死を覚悟した表れと優しさの描写。
悪党リーダー、デランが最終的に逃げ込んだのは教会というのも味わい深い。爆破テロを実行してもなお、神に救済を求めているのかもしれない。
果たして神は爆破テロのリーダーに赦してくれるのだろうか。しかしマーフィーの手により土に帰るのか…慈悲の心で恐らく弟と同じ場所に葬ってくれたのかもしれない…
地元の警官ヴィンセント(キアラン・ハインズ)の車のバックシートにマーフィーが残したドストエフスキーの「罪と罰」の味わいも一層深いし、本作のテーマでもある。静かで小さな未来を感じるラストがよい。別の街では静かに暮らしてほしい。
聖人と罪人たちの国、アイルランドには本当はどちらもいなくて、人間がそこにいるのみ。
(メモ)
同時期に公開した「アマチュア」の方を選び劇場鑑賞した事を少し後悔した。本作の方が、丁寧で分かりやすいストーリー展開と良い作品でした。
2025年の年間ベストに入れたい映画だった
アクション映画ではありません
リーアム・ニーソンと言えば英国人だが北アイルランド出身である。 この映画はアイルランドの映画だが、アイルランドの映画と言われても 何も思い浮かばない。 原題は「聖人と罪人の国で」
動画配信で映画「プロフェッショナル」を見た。
2024年製作/106分/G/アイルランド
原題または英題:In the Land of Saints and Sinners
配給:AMGエンタテインメント
劇場公開日:2025年4月11日
リーアム・ニーソンと言えば英国人だが北アイルランド出身である。
この映画はアイルランドの映画だが、アイルランドの映画と言われても
何も思い浮かばない。
原題は「聖人と罪人の国で」
アイルランドの名物と言えばIRAだが、この映画の中ではIRAのメンバーが4人死に、
それ以外の人が3人死ぬ。
フィンバー(リーアム・ニーソン)は戦争から帰ってきたとき、
妻が亡くなっていたことを知る。
フィンバーは金をもらって人を殺すことを生業としてきたが、
その稼業を辞めようと思っている。
静かな町にIRAのメンバー4人が潜んでいた。
フィンバーが大事にしている少女をその中の一人の男が虐待しているようだ。
それを赦せないフィンバーはその男を消すことにした。
男が死んだことを知った姉は弟を殺したフィンバーに復讐を試みる。
作品全体が暗い雰囲気なのはお国柄なのかもしれない。
映画的娯楽の要素も個人的にはあまり感じられない。
満足度は5点満点で3点☆☆☆☆☆です。
何をしたかった映画なんだろうか
アマプラでオススメに来ていたので視聴
原題『In the Land of Saints and Sinners』(聖人と罪人の国で)が
なんで『プロフェッショナル』になるのだろうか
タイトルを付けた者は一体何を見たのだろうか
少なくとも同じものを見たとは思えないのだが
スカした原題、リーアム・ニーソン、北アイルランドの美しい風景といかにもなBGM
うーん・・・イマイチ
引退した暗殺者が、不遇な存在をきっかけに、暗殺をして、追いかけられる
もはや面白みのない食傷気味のネタにもかかわらず、新規性も無ければ、独自性もいまいちで虚無
おまけにどう考えてもプロっぽくない行動でタイトル詐欺甚だしい
ハッとするようなアクションも、暗殺の悍ましさもない、カタルシスは皆無
劇場公開からあっという間に配信もわかる出来
アイルランドの美しい海岸線
そこは
憎しみと安息の地
戦いに疲れた男
闘い続ける者達
誰もが持つ
優しい心根
人の罪と罰
彼らの物語
※
【追記】
実は深く良いテーマの物語
ただ邦題にピントずれはある。原題 In the Land of Saints and Sinners 聖人と罪人の国で… こちらが内容ズバリの正解で、邦題と主演とこのポスターだと「ランボー」だとか「ダイハード」とかと同類と勘違いされる。この物語の中には日本人には分からない彼らの正義がある。それも重く苦しいテーマであると想像する。映画の中でカリフォルニアにゆく夢を語る青年が出てくる。自由の国、フラワーパワー、サーフィンと当時のアメリカは歌い、食べ、楽しい場所に見えたのだろう。アメリカならではの苦悩はあるが間違いでは無い。「聖人と罪人」どちらが正義か悪かの白黒は難しい。どちらも心の内では「救い」を求めている。何百年、何千年と、あの地は変わらずに有ったし、この後何百年先もあそこに残っていると思う。あの街で、あの村で起こった様な事は、現実にしばらく続いた。悲劇ではあるが、個々それぞれの意思も立場もあった。重く観るに耐えない時間を与えてくれなかったことにはある意味感謝すべきか。アイルランド出身の俳優を選び作った映画に気合を感じた。それぞれ素晴らしい演技だった。
自然は変わらずずっとここにあるのに、
我々は何のために何をやっているんだ。
彼らと同じく、あの風景に釘付けになった。
※
残念なのは邦題が単純すぎること
のれん分けをした老舗かと思いきや違う店
リーアム・ニーソンに
はずれなし!のはずだったが、前作に続いて個人的にはイマイチ。
アマチュアより本作を観たかったが、近隣での上映はなく待望の観賞。
だが、プロフェッショナルじゃなかったな。
時代背景もあるとは言え、スタイリッシュじゃなくて圧倒的にB級感が漂う。
もはや彼に目を見張るアクションを望むのは酷なのかもしれない。
敵役の女性にも観ていてフラストレーションがたまった。
自分の思想に合致しないものはすべて悪。
それでいて自分のすることはすべて正当化。
左翼の思想は万国共通か。
リーアム・ニーソンでなければ、最後まで観るのも辛かったかも。
配信で十分すぎた。
二択に失敗
忘れかけていたIRAの悲哀。
今回は控えめでしたね。
アイルランド
現題名は「聖人と罪人の地にて」と訳すことができる。
故に最後の「罪と罰」の本が生きてくる。
この物語はイギリス領の北アイルランド視点ではなく、アイルランド共和国側の視点で描かれているという点が重要だろう。
1970年代 IRAによる爆破テロが国際問題化していたころ。
歴史とは勝者の歴史、または統治者による一方的な視点となる。
アイルランド視点で見るIRAは、アイルランド島全体の統一と、イギリスからの完全な独立を目指す武装組織。
アイルランドのカトリック系住民を中心に支持され、特に北アイルランドにおけるイギリス支配に対する抵抗運動の象徴的存在だった。
故にIRAは単なるテロ組織ではなく、民族解放運動のひとつと考えられている。
特に1970年代以降の「暫定IRA(PIRA)」は、イギリス軍や警察による弾圧に対する防衛的な存在として、一定の市民の支持を得ていた。
この背景があってこの物語がある。
日本人にとってはほんの少しの知識しかないことで、この物語の解釈が多く気変わってしまうだろう。
彼らのテロ活動を支援する動き等々存在する。
主人公フィンバーもまた、アイルランドのために敵を暗殺する仕事に就いていた。
フィンバーは人を殺しことに対し罪の概念を持つようになっていた。
これがこの物語のひとつの軸となっている。
敵役のIRAはベルファストで爆破テロを成功させてこの地で身を隠していた。
そのひとり、デランの弟の行方が分からなくなったことでフィンバーとIRAが争うことになる。
アイルランドという国のためにテロを続けるデラン
その意志は固い。
同時に弟の面倒も見る。
その延長線上で起きたトラブルが、この物語であり、一番大きな軸
若い暗殺者ケビン
殺しを簡単なものとし、女まで殺した経験がある彼を、フィンバーは良く思わない。
しかし彼との会話で彼への印象を少しずつ変える。
ここも一つの軸
くだらないやつだと思っていたケビンだったが、腕の良さ、やると決めらた逃げないことなどがフィンバーの見方を変えてゆく。
リタとは、アイリッシュの代表だろうか?
フィンバーの職業よりも、彼の生き方に共感する。
フィンバーもまたアイリッシュの代表だろう。
弱きを守り強きをくじく。
ただ、
彼のしていることそのものは罪深さを拭えない。
だからデランを殺すことなく、弟の隣に埋める。
二人は同じ目的で殺人をしてきた。
戦争
彼らの背景にある戦争
それがもたらす狂気と惨劇と作り続けられる復讐の連鎖
この55年前の傷は今もアイリッシュの心に影を落としているのだろう。
こんなことが55年前には普通にあった。
聖人とはキリスト教の聖人たちのことだろうか?
敬虔なカソリックのいる場所で起きる戦争
デランは「神は私のした正しいことをわかってくれる」と言った。
しかしフィンバーは、彼女のその言葉に同意したい部分と、「罪と罰」に書かれている内容とを考え罪悪感が拭えない。
割り切れない気持ちこそ、フィンバーの中にあったものだろう。
自分の身代わりに死んだケビンの不条理も心の中にあっただろう。
友人の警察官ビンセントは、フィンバーの「本質」を見抜いていた。
彼らがこの地へ逃げ込んだ際に壊した看板は新しく立て替えられた。
古くなったり壊れたりしたものはまた新しくなってゆく。
アイリッシュの歴史 イギリスの植民地
これに抵抗したIRA
しかし、
血で血を洗うことはもう終わりにしようというのが、この作品だろう。
おそらく日本人にはわからない闇の深さがある。
だから、ひとことで評価できないが、この物語の深い傷跡は感じることができるように思う。
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