「罪と罰」プロフェッショナル odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
罪と罰
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時代は1974年アイルランド紛争の最中、足を洗おうとした元軍人の殺し屋フィンバー・マーフィー(リーアム・ニーソン)が住む北アイルランドの海辺の町に武装組織IRAのメンバーが逃げ込んでくる、メンバーの女ボス、デランが弟の仇フィンバーをつけ狙う・・。
どちらも人殺しなのだがIRAの方が市民迄巻き込むテロリストだからフィンバーの方が多少はましに思えます。独身の殺し屋のくせに猫を飼っている演出は、ハリウッドのシナリオの教科書にも載った「Save the Catの法則」にフィット、まさに善人ぽく思わせるためでしょう。物語は西部劇のようなアウトロー同士の抗争劇、悪をもって悪を倒すお話。
邦題のプロフェッショナルはプロの殺し屋フィンバーのことでしょう、原題のIn the Land of Saints and Sinners(聖人と罪人の国で)はまさに内戦で荒廃したアイルランドの惨状、おそらく聖人とはフィンバーの隣人たちのことで、フィンバーもデランも罪人の方でしょう。劇中でもドストエフスキーの小説「罪と罰」が出てきますが人間の内面的な葛藤や、罪と罰、救済といったテーマを探求し、人間の本質に迫るあたりは似たような感触の映画でした。
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