「プロフェッショナルという邦題は疑問だが、人間模様がじっくり描かれた佳作!」プロフェッショナル ノブさんの映画レビュー(感想・評価)
プロフェッショナルという邦題は疑問だが、人間模様がじっくり描かれた佳作!
原題は「In the Land of Saints and Sinners」で直訳すると聖人と罪人の国で。
この映画を絶対見ようと思った理由は敬愛するクリント・イーストウッドの映画クルーが撮った作品だからです。
リーアム・ニーソンはわりと好きな俳優でもありますし。
感想ですが、このありふれた邦題とはうらはらに、引退したはずの殺し屋フィンバーが知り合いの少女モヤを救うために虐待していた若者を殺したことからはじまる復讐の連鎖、IRAの爆破テロ集団との対峙を詩情豊かに描いた良質の作品だと思いました。
IRAということでミッキー・ロークが主演した「死にゆく者への祈り」という昔の映画を思い出しました。あの映画も味わい深い映画でした。
リーアム・ニーソンは現在72歳ですが、同じ年齢のクリント・イーストウッドが演じても違和感のない渋い作品に仕上がるだろうなと思いましたよ。
1974年の北アイルランドを舞台に詩情豊かな風景とフィンバーの心情が重なり、哀愁漂う映画です。
殺す相手自らに墓穴を掘らせ、そこに埋葬して苗木を植えるところは西部劇のようでした。
プロフェッショナルというか彼の仕事の流儀というものでしょうか。
IRAの女性デランの人物描写もきっちり描かれており、単なるテロリストではなく、子供たちは巻き添えにしたくない、弟の敵は絶対取るといった人間味のある側面も見せ、単なる悪と善との話ではないのがいい。
教会でのラストシーンも秀逸。
地元警察官ビンセントもいい味を出していました。
金を貰って殺しをしてきた人間がそうやすやすと庭造りで人生を終えれるはずがないというのは当然かもしれませんがなんだか切なさも感じる映画でした。
個人的にはすごく気に入った作品です。