劇場公開日 2025年5月16日

「脚本のバランスの悪さが…」80年後のあなたへ romiさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5脚本のバランスの悪さが…

2025年5月26日
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鑑賞方法:映画館

愛知県のいろんな土地や店が出てきて、おお~知ってる知ってる、行ったことある!と地味にテンション上がりながら見ていた。
私は愛知在住だが出身は全然違う土地。就職を機に誰ひとり知り合いのいない愛知に越してきて、ずっとよそ者気分でいた。けれど、よく考えたら既に十年以上住んでいて、仕事やプライベートでそれなりに色んなところに出掛けている。この映画に出てくる観光地や施設やランドマークがどれも見知ったもので、あ~私は愛知県民になったんだなと感慨深かった。

とはいえ、そんな私の個人的感慨と、映画の出来は別もの。正直、完成度はいかにもローカルで、ちょっと残念でした。
若い俳優さんたちの演技は、そりゃもちろん拙い部分は感じざるを得なかったけど、皆さんとても真摯に取り組んでいるのがわかって、むしろその拙さが青春の爽やかさを感じさせてよかった。
でも、ストーリーがどうにも…。タイトルに80年などと入っているので、てっきりもっと『戦争と平和』にがっつり向き合っているのかと思いきや、
全体のバランスとしては「高校生の日常(ほぼ恋愛模様)7:愛知の観光地PR2:平和学習1』てなもんで、いやいや観客が求めてるのそれじゃないから…とずーっと思っていた。
青春群像劇にしたかったのはよくわかる。でもそれなら高校生の恋愛にばっかりスポットが当たっているのが、どうも不服。「高校生なんて恋愛のことばっかり考えてるんでしょ?それがアオハルでしょ?」という大人たちの軽薄な考えが透けて見えるよう。
自分が高校生のときなんて、恋愛より勉強や進路のほうがずっと大事で思考の大半を占め、恋愛なんて高校生活の1割にも満たなかった。今時の学生を見ていても、勉強や部活や趣味や将来のことがやっぱり考え事の大半なんだろうと思う。だって恋愛の悩みなんてたいていは一時的なものだけど、勉強や進路はずーっと付きまとう悩みでしょう。
進路の悩みも多少は描かれていたものの、付け焼き刃的に感じた。
もっと高校生の色んな側面を扱ってほしかったし、矢場とん推しがさすがに強すぎるし(相当強力なスポンサーなのか?)、もっと戦争について(登場人物の台詞だけで終わらせたりせず)正面からきちんと扱ってほしかった。
というわけで、評価は辛めになってまいましたが、役者陣のさわやかさはとても好印象でした。今後が楽しみです。

romi
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