プレゼンス 存在のレビュー・感想・評価
全65件中、21~40件目を表示
Help
幽霊の視点でお送りする探索型ゲーム的な作品。
色々な事象は人からしたらホラーになるんだけど、幽霊からだとなんでもない日常のシーンという不思議さがありました。
幽霊視点を通して引っ越してきた一家の過ごし方や関係性なんかを知っていくのですが、母親がグレーな仕事をしていそうだったり、父親はこき使われてそうだし、タイラーは自由だし、クロエは大人しめだったりと、早い段階でスッと設定が入ってくるのが良きでした。
家族自体は完璧には不仲では無いけれど、どこか距離が離れているという感じから起こる不和が妙にリアルで、それについて絡んでいく幽霊の行動がフフッてなるようなものになっているのも面白かったです。
霊感がある人には速攻で察されるみたいで、幽霊視点でも誰かにじっと見つめられるとギョッとするもんなんだなと人間視点と幽霊視点を同時に味わえたのは収穫でした。
途中から入ってくるタイラーの友人が中々にヤバいやつだったのも印象的で、何言ってるんだお前は?となるくらい口が達者でよく回るからこそ気色悪さが際立っていたなと思いました。
終盤の展開は怒涛かつクロエを救うために懸命に動いたという幽霊なりの正義というのがあって良かったと思います。
そこまではわずかに揺れる程度だったカメラワークがぐわんぐわん動いて窓パリーンなんかしちゃったりしてドッタバタでした。
しっかりと人怖なところを体現していて宣伝文にほぼ偽りなしってやつでした。
どうしても予算の関係とかでうまいこと映像化できなかったんだろうなぁという場面がちらほらあったのはご愛嬌かなと勝手に思っております。
幽霊ならその行動ができるのでは?だったりが多くありましたが、こればっかりは仕方ないんだろうなーとなりました。
一家が家を去るシーンでの鏡越しに写った幽霊の姿を見て阿鼻叫喚しているシーンから成仏までの流れがとってもコンパクトなオシャレが詰まっており、ホラー映画を観終わったとは思えないくらいおぉ…ってなりながらエンドロールに突入しました。
起伏が激しくないのでゆったりした感じはどうしても好みが分かれるとは思いますが、実験的な作品を映画館で観れるのは健康にとてもいいのでたくさん輸入してきてください。
ジャンル的にジャンプスケアが無かったのも安心して観れた要因だったかもです。
鑑賞日 3/13
鑑賞時間 19:25〜20:50
座席 B-4
幽霊の正体
2025年劇場鑑賞88本目。
エンドロール後映像有り。
基本自分のレビューはまだ観てない人への参考になればとネタバレを避けて書いていて、前情報無しが楽しめるなら本当にフワッと書くようにしているのですが、今作は幽霊の正体に気づいていない方が結構いらっしゃるようなので、ネタバレ全開で書こうと思います。
まず、この映画を観る前にケイシー・アフレックが出番の9割シーツをかぶって演じた(スタントとかじゃなくて本人らしいです)幽霊が主人公の「ア・ゴースト・ストーリー」を観ているかでピンと来る具合が違ってきます。「ア・ゴースト・ストーリー」では幽霊の時間は過去から未来へ必ずしも流れるものではなく、未来から過去へ進む時もあるということが描かれていました。そして、この作品でも霊能力者がその設定を語っていました。
それを踏まえてラストに亡くなった兄が鏡に映った後、家から初めて出て空へ昇っていったのは目的を果たして成仏したからに他ならず、では目的はといえば妹を助けた、ということです。他にも普段は妹を気にして妹にしか反応していなかった霊が唯一兄の部屋を荒らした時、兄はクソ野郎的話を得意になってしており、自分に腹を立てた霊が部屋を荒らしたと思えばあのシーンも納得です。あと、閉じられた窓というのが、実際ラスト窓をぶち破って落下したので、そこを暗示していたのかなとここはこじつけかもしれませんが・・・。
妹を邪険にしていた兄が実は死んでも妹を守っていたと考えると結構くるものがありました。
無料配信があってどうしても暇なら観るもの
発想は面白いのに、映画としてなんか安い。
幽霊視点のカメラワークで進行していくという切り口がせっかくユニークで面白いのに、うまく物語に活かされていない。
(しかもなんか酔うカメラワーク)
結局、終始映画の目線であった幽霊の正体も動機もわからず終い。
霊能者のおばさんの出したヒント「開かない窓のせい」というのも、このストーリーの佳境に入る鍵となるかと思えば、全く触れられず未解決のまま。
消化不良の要素が多く、盛り上がりにも欠けていた。
結局過去にこの家で何があったのか、あの鏡はなんなのか、全てほったらかし!
私は辛い事があったの……という割に男には積極的で生意気な喋り方をするクロエと、その周りの若者達の向こう見ずで奔放なアルコールドラッグセックス生活を見せつけられて終わった感じ。
有名で実績のある監督や役者が出てようが、映画として面白くなければB級以下です。
はぁぁ!
一番良かったシーンは、始まる前の別の映画の予告編です。
ふわふわ
結構面白いんですけど、やっぱあれがあるからどうしてもねぇ・・・
幽霊は何を見て、何を想う
実は几帳面な霊
大作ではないが、同時期に見るものがない人向け
海外でも、何かしらの意味を求める人には好印象、普通に眺めている人には不評という所からも、このホラーの意味がよく分かると思う。結局、この『存在』とは何だったのかと自分で考え続けながら視聴する必要があるため、とても万人向けとは言い難い内容だ。
この『存在』は人なのか? 感情があるのか? 干渉してくるのか? 彼女なのか? むしろ、最初に本を片付けた意味は? それでは最後のアレは何だったのか。
母親にだけ見えてしまっている、父と娘は気がついていない、しかし、カメラワークはどんどん外に向かっている、しかし、息子は鏡に残り続けている、そして最後は空に。答えなんてない。それを楽しむしかない。
明らかに大作ではないし、暇つぶしにはなるぐらいだが。
クローゼット大好き幽霊ちゃんの、崩壊寸前ファミリーを愛でる映画でした
2025.3.11 字幕 MOVIX京都
2024年のアメリカ映画(84分、PG12)
ある一家が訳あり物件に移住する様子を描いた幽霊目線のスリラー映画
監督はスティーヴン・ソダーバーグ
脚本はデビッド・コープ
原題の『Presence』は劇中では「存在」と訳されている「幽霊的な物体」を指す言葉
物語の舞台は、アメリカの閑静な住宅地のどこか(ロケ地はニュージャージー州クランフォード)
ある物件の内観に訪れたペイン一家は、不動産屋のシーシー(ジュリア・フォックス)から、「最近、住人が引っ越したばかりの掘り出し物」だと説明される
アンティークの家具が置かれ、暖房器具が設置されていた物件は、母レベッカ(ルーシー・リュー)の一言で決まってしまった
夫のクリス(クリス・サリヴァン)は、妻が何かしらの金融詐欺に加担していると疑っていて、友人たちに「自分に影響があるか」などと相談していた
離婚を前提に関係性の見直しを考えているものの、長男タイラー(エディ・マディ)は水泳部のホープで、妹クロエ(カリーナ・チャン)は親友を亡くしたばかりで不安定な時期だった
クロエに対する接し方もクリスとレベッカは正反対で、「時間が必要」というレベッカに対して、「それは放置しているのと同じだ」と憤った
物語は、内観の段階から家に何かを感じているクロエを描くのだが、最初から最後まで「存在」目線に固定されている
いわゆる幽霊的なものの視点によって家族を見ているというもので、その存在に気づいているのがクロエだけという構成になっている
クリスは心配性ゆえに色んなところに相談をし、シーシーは知り合いの「視える人」を無理やり派遣してしまう
霊媒師的な存在であるリサ(ナタリー・ウォーラムス=トレス)には何か見えているようだが、それを理解できているのはクロエしかいない
元々は無償で見てもらう予定だったものの、リサの夫カール(Lucas Papaelias)に少し言われただけでお金を払ったりしていた
お金に細かいレベッカはそれが許せないのだが、それだけでは家族崩壊には至らなかった
映画は、タイラーの友人ライアン(ウェスト・マルホランド)が登場したあたりからおかしな空気になっていく
ライアンは友人の妹に手を出すロクでもない人間で、クロエの亡くなった友人たちをジャンキー呼ばわりしていた
実際に薬物使用の異常行動が原因だとされてはいるものの、デリカシーのなさというところは救いようがない
それでもクロエはライアンを気に入って大人の関係になろうとしていて、それを阻もうとするのが「存在」だったりする
結局のところ、存在にできることは限られていて、クロエはライアンとセックスをするし、タイラーはあっさりと睡眠薬で眠らされたりする
だが、タイラーが目覚めてライアンの蛮行を知った時に決定機が訪れ、それによって一家はこの家を出ざるを得なくなってしまう
それが「存在」が望んだことかはわからないが、あの家に住めるのはクロエぐらいなので仕方ないのかもしれない
いずれにせよ、ホラー映画と言うよりは、幽霊目線による家庭崩壊を目の当たりにするスリラーのような印象があった
存在はクロエを助ける方向に向かうのだが、クロエは存在を友人のナディアだと思い込んでいる
だが、おそらくは地縛霊のようなもので、これまでの住人の誰かがそこから出られなくなったと言うものなのだろう
窓を開けない家というワードがあり、どの部屋もほとんど窓を開けないのだが、唯一開いたのがタイラーとライアンのダイブになっていた
それによって何らかの流れが起こったのかはわからないが、存在は正面玄関から抜け出して召されたように描かれている
成仏したのか、別の家を探しているのかはわからないが、もしかしたらクロエの行くいって先々に現れてしまうのかな、と思った
怖くないホラーを見たいならお勧め
自分的ブッチギリ本年度最低最悪ホラー:スミナマリンクより酷い事がないだろーと鑑賞。
欧米受けしそう(=日本では非モテ)な我の強いアジア人母と禿げたアメリカ親父+ハーフ要素皆無(連れ子か?)なホルモンバランス崩壊寸前の妙齢兄妹家族が、薬学に詳しい(意味深)兄のサイコパス友人と繰り広げるA GHOST STORY的な悲劇?
リアルだったのがアマチュア霊能者が霊視した際に「今と過去がごっちゃになってる」的な台詞。確かに肉体が無いのであれば3次元の時間概念にも縛られんのかも?とか色々考えさせられた。
幽霊の条件
地縛霊は見た!!
幽霊から見た一人称の映画。
類似の構造として、
切なさが込み上げて来る「愛」についての秀作、
〔A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー(2017年)〕を想起した。
先の作品は、不慮の事故で亡くなった男が
白いシーツを被った幽霊の姿になり、
妻が今も住む家を訪れる物語り。
彼はその場所で地縛霊となり、
今のみならず、過去と未来をも見守り続ける。
とは言え何の行為もできずに、ただ佇んで居るだけ。
その眼にはどのようなものが映り、
何を感じているのだろうか。
ただ、世の中は、禍福は糾える縄なのを知る。
翻って本作の幽霊の性別は判らず
(ただ作中で、霊媒師が「HE」と表現していたような)。
何時からその家に居るのか、
どのような理由で成仏できないのかもわからない。
人には直接触れることはできないものの、
家の中に置かれている物には干渉できるよう。
なので、直近公開の邦画〔死に損なった男〕に
類似の設定ではある。
その幽霊の居る屋敷に
四人の家族が越して来る。
夫婦に兄と妹の構成も
妹の『クロエ(カリーナ・リャン)』は
母からも兄からも疎まれている。
元々の内省的な性格に加え
直近で友人二人が相次いで亡くなったことで
更にふさぎ込んでしまっているため。
そんな彼女に対して、幽霊は異常な関心を示す。
勿論、幽霊の姿は見えないししゃべれないので、
我々はカメラに仮託された視線から
それと推し量るばかり。
が、カメラワークが絶妙で、
幽霊の懸念が手に取るように感じられる。
普段はスムースに動いているのに、
時として移動が荒くなったり。
或いは、クローゼットの陰に隠れたり、
衣類で自らの視線を遮ったり。
耳も聞こえているのかはわからない。
ただ幽体の故か、家族が知らぬことも
見えているのだろう。
次第にその憂慮は現実になり、
せっぱつまった末に行動を起こすのだが・・・・。
実体の無いものに
感情移入をしてしまう不思議。
憤怒や焦燥を覚えている幽霊に対して、
観客は無責任にもじれったさを感じてしまう。
今、その場所で
なんとかできるのはお前だけなんだ~、と。
目に見えないモノに対して、
これほどのシンパシーを持ったことが嘗て有っただろうか。
なんとなれば幽霊よりも、
生者の方がよほど恐ろしいのだから。
家政婦は見た、VR。
全65件中、21~40件目を表示










