プレゼンス 存在のレビュー・感想・評価
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結構面白いんですけど、やっぱあれがあるからどうしてもねぇ・・・
あらすじ読んで、これはあれだと思ったわけで、見たらやっぱそんな感じでしたが、あっちは誰が霊か分かって姿も見せてくれたけど、こちらは誰かはっきり分からなくて姿もほとんど見せてくれない。こちらはミステリアスでホラー?な感じだけど、あっちはノスタルジック。あっちはぼんやり、こっちはくっきり。
必然的に比べてみてしまいます。
あっちは味わい深くオリジナリティは半端ない、こっちは非常に明確明澄な映像で分かりやすく面白い。
あり得ないことだけれど、仮にこっちが最初だったらめっちゃ凄い作品だったのかも─。どうしてもあっちの白い影がちらついちゃうので・・・
幽霊は何を見て、何を想う
実は几帳面な霊
大作ではないが、同時期に見るものがない人向け
海外でも、何かしらの意味を求める人には好印象、普通に眺めている人には不評という所からも、このホラーの意味がよく分かると思う。結局、この『存在』とは何だったのかと自分で考え続けながら視聴する必要があるため、とても万人向けとは言い難い内容だ。
この『存在』は人なのか? 感情があるのか? 干渉してくるのか? 彼女なのか? むしろ、最初に本を片付けた意味は? それでは最後のアレは何だったのか。
母親にだけ見えてしまっている、父と娘は気がついていない、しかし、カメラワークはどんどん外に向かっている、しかし、息子は鏡に残り続けている、そして最後は空に。答えなんてない。それを楽しむしかない。
明らかに大作ではないし、暇つぶしにはなるぐらいだが。
クローゼット大好き幽霊ちゃんの、崩壊寸前ファミリーを愛でる映画でした
2025.3.11 字幕 MOVIX京都
2024年のアメリカ映画(84分、PG12)
ある一家が訳あり物件に移住する様子を描いた幽霊目線のスリラー映画
監督はスティーヴン・ソダーバーグ
脚本はデビッド・コープ
原題の『Presence』は劇中では「存在」と訳されている「幽霊的な物体」を指す言葉
物語の舞台は、アメリカの閑静な住宅地のどこか(ロケ地はニュージャージー州クランフォード)
ある物件の内観に訪れたペイン一家は、不動産屋のシーシー(ジュリア・フォックス)から、「最近、住人が引っ越したばかりの掘り出し物」だと説明される
アンティークの家具が置かれ、暖房器具が設置されていた物件は、母レベッカ(ルーシー・リュー)の一言で決まってしまった
夫のクリス(クリス・サリヴァン)は、妻が何かしらの金融詐欺に加担していると疑っていて、友人たちに「自分に影響があるか」などと相談していた
離婚を前提に関係性の見直しを考えているものの、長男タイラー(エディ・マディ)は水泳部のホープで、妹クロエ(カリーナ・チャン)は親友を亡くしたばかりで不安定な時期だった
クロエに対する接し方もクリスとレベッカは正反対で、「時間が必要」というレベッカに対して、「それは放置しているのと同じだ」と憤った
物語は、内観の段階から家に何かを感じているクロエを描くのだが、最初から最後まで「存在」目線に固定されている
いわゆる幽霊的なものの視点によって家族を見ているというもので、その存在に気づいているのがクロエだけという構成になっている
クリスは心配性ゆえに色んなところに相談をし、シーシーは知り合いの「視える人」を無理やり派遣してしまう
霊媒師的な存在であるリサ(ナタリー・ウォーラムス=トレス)には何か見えているようだが、それを理解できているのはクロエしかいない
元々は無償で見てもらう予定だったものの、リサの夫カール(Lucas Papaelias)に少し言われただけでお金を払ったりしていた
お金に細かいレベッカはそれが許せないのだが、それだけでは家族崩壊には至らなかった
映画は、タイラーの友人ライアン(ウェスト・マルホランド)が登場したあたりからおかしな空気になっていく
ライアンは友人の妹に手を出すロクでもない人間で、クロエの亡くなった友人たちをジャンキー呼ばわりしていた
実際に薬物使用の異常行動が原因だとされてはいるものの、デリカシーのなさというところは救いようがない
それでもクロエはライアンを気に入って大人の関係になろうとしていて、それを阻もうとするのが「存在」だったりする
結局のところ、存在にできることは限られていて、クロエはライアンとセックスをするし、タイラーはあっさりと睡眠薬で眠らされたりする
だが、タイラーが目覚めてライアンの蛮行を知った時に決定機が訪れ、それによって一家はこの家を出ざるを得なくなってしまう
それが「存在」が望んだことかはわからないが、あの家に住めるのはクロエぐらいなので仕方ないのかもしれない
いずれにせよ、ホラー映画と言うよりは、幽霊目線による家庭崩壊を目の当たりにするスリラーのような印象があった
存在はクロエを助ける方向に向かうのだが、クロエは存在を友人のナディアだと思い込んでいる
だが、おそらくは地縛霊のようなもので、これまでの住人の誰かがそこから出られなくなったと言うものなのだろう
窓を開けない家というワードがあり、どの部屋もほとんど窓を開けないのだが、唯一開いたのがタイラーとライアンのダイブになっていた
それによって何らかの流れが起こったのかはわからないが、存在は正面玄関から抜け出して召されたように描かれている
成仏したのか、別の家を探しているのかはわからないが、もしかしたらクロエの行くいって先々に現れてしまうのかな、と思った
怖くないホラーを見たいならお勧め
自分的ブッチギリ本年度最低最悪ホラー:スミナマリンクより酷い事がないだろーと鑑賞。
欧米受けしそう(=日本では非モテ)な我の強いアジア人母と禿げたアメリカ親父+ハーフ要素皆無(連れ子か?)なホルモンバランス崩壊寸前の妙齢兄妹家族が、薬学に詳しい(意味深)兄のサイコパス友人と繰り広げるA GHOST STORY的な悲劇?
リアルだったのがアマチュア霊能者が霊視した際に「今と過去がごっちゃになってる」的な台詞。確かに肉体が無いのであれば3次元の時間概念にも縛られんのかも?とか色々考えさせられた。
幽霊の条件
地縛霊は見た!!
幽霊から見た一人称の映画。
類似の構造として、
切なさが込み上げて来る「愛」についての秀作、
〔A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー(2017年)〕を想起した。
先の作品は、不慮の事故で亡くなった男が
白いシーツを被った幽霊の姿になり、
妻が今も住む家を訪れる物語り。
彼はその場所で地縛霊となり、
今のみならず、過去と未来をも見守り続ける。
とは言え何の行為もできずに、ただ佇んで居るだけ。
その眼にはどのようなものが映り、
何を感じているのだろうか。
ただ、世の中は、禍福は糾える縄なのを知る。
翻って本作の幽霊の性別は判らず
(ただ作中で、霊媒師が「HE」と表現していたような)。
何時からその家に居るのか、
どのような理由で成仏できないのかもわからない。
人には直接触れることはできないものの、
家の中に置かれている物には干渉できるよう。
なので、直近公開の邦画〔死に損なった男〕に
類似の設定ではある。
その幽霊の居る屋敷に
四人の家族が越して来る。
夫婦に兄と妹の構成も
妹の『クロエ(カリーナ・リャン)』は
母からも兄からも疎まれている。
元々の内省的な性格に加え
直近で友人二人が相次いで亡くなったことで
更にふさぎ込んでしまっているため。
そんな彼女に対して、幽霊は異常な関心を示す。
勿論、幽霊の姿は見えないししゃべれないので、
我々はカメラに仮託された視線から
それと推し量るばかり。
が、カメラワークが絶妙で、
幽霊の懸念が手に取るように感じられる。
普段はスムースに動いているのに、
時として移動が荒くなったり。
或いは、クローゼットの陰に隠れたり、
衣類で自らの視線を遮ったり。
耳も聞こえているのかはわからない。
ただ幽体の故か、家族が知らぬことも
見えているのだろう。
次第にその憂慮は現実になり、
せっぱつまった末に行動を起こすのだが・・・・。
実体の無いものに
感情移入をしてしまう不思議。
憤怒や焦燥を覚えている幽霊に対して、
観客は無責任にもじれったさを感じてしまう。
今、その場所で
なんとかできるのはお前だけなんだ~、と。
目に見えないモノに対して、
これほどのシンパシーを持ったことが嘗て有っただろうか。
なんとなれば幽霊よりも、
生者の方がよほど恐ろしいのだから。
家政婦は見た、VR。
ミステリーにホラーの薬味を加えた新しい視点の作品
幽霊目線というのが、旧作にもあったとは思うけれど、
私としては新しい視点として鑑賞動機になった。
冒頭からゲーム感覚というか、3D化された家の中を散策している動画を
見せられているような感覚で、ちょっと酔いそうになったけど、
だんだんと慣れていき、人物も現れて物語が進行にするにつれて
面白くなった。
家にいるのは、この家に住む長女の友人ナディアの霊(以下ナディア)らしい。
ナディアはクロエにさまざまなメッセージ(ポルターガイスト現象)を送り
自分の存在を気づかせていき、クロエはちゃんと気づいた。
長男タイラーの友人ライアンが自分を殺した犯人だと気づかせるために
試行錯誤するも、そこはクロエも気づかず。
このあたりは霊の限界を表現していて、何となくせつなくなった。
最終的にはライアンの計画をタイラーに気づかせ、
ふたりとも死んでしまうという結末、そして今度はタイラーが霊化するという
何とも悲しいラスト。
この家族、特に母親は立ち直れるのか、すごく心配。
そのくらいタイラーを溺愛していたから。
クロエは精神的に参っている状態から脱したような感じがした。
タイラーもちゃんと妹を守って、良い兄だったことに
あらためてクロエも気づいたに違いない。
この家族の今後が幸せであってほしいと切に願いながら劇場を出た。
パンフレットはスティーブン・ソダーバーグ監督と脚本のデビッド・コープの
インタビューが良かった。
オススメ。
カメラが遠い。
【その家に居た”存在”が、親友を亡くし兄を溺愛する母親、兄との関係性が微妙な中、傷ついた妹の”守護霊”になる様を静かなトーンで描いた作品。スティーヴン・ソダーバーグのセンスを感じさせる作品である。】
<Caution!内容に触れています。!!鑑賞後に読んでね!!>
■レベッカ一家は、母レベッカ(ルーシー・リュー)が溺愛する息子タイラー(エディ・マディ)の水泳競技に有利な学校があるという理由で、新しい家に越してくる。
父クリス(クリス・サリヴァン)のみが、娘クロエ(カリーナ・リャン)が親友ナディアが就寝中に突然死したことで心傷つき、学校にも行けない事を心配している、云わば家族の形態が崩れつつある家族である。
◆感想
・カメラは、”存在”の視点でレベッカ一家を映し出す。そこには、息子タイラー(エディ・マディ)を溺愛する仕事も忙しい母レベッカが、家の全てを決めて行く姿が序盤は描かれる。
・そこに現れるタイラーの友人、ライアン(ウェスト・マルホランド)。彼は、部屋に閉じこもるクロエに興味を持つ。カメラは、クロエのクローゼットから二人の会話する姿を映し出す。
・タイラーが、クロエについての悪口を言った時に、カメラは二階に走り上がるように視点を映し、タイラーの部屋に誇らしげに置かれていた数々のトロフィを叩き落とすシーンを映し出す。
・ライアンは、クロエと近づき親密になる。ライアンはクロエのオレンジジュースにクスリを入れるが、不思議な振動が起き、ジュースを入れたグラスは床に落ちる。更にクロエのクローゼットに掛かっていた服を支えていた棒が落下する。
だが、ライアンはその後も諦めずに、到頭ベッドの上で彼女と交わる。カメラはそのシーンをクローゼットの中から映し出す。何故か、クローゼットの織戸を入れて良く見えないアングルで。
・更にライアンは、クロエから週末に両親がいないと聞いて、タイラーと共に家にやって来る。ライアンは再び酒をオレンジジュースで割り、タイラーに飲ませるグラスに眠りクスリを入れるが、そのグラスは割れない。
だが、タイラーが眠った後に、ライアンはそのサイコキラーの本性を表すのである。激しい鳴動により目を覚ますタイラー。彼は二階に駆け上がり、ラップを眠ったクロエの顔に被せるライアンに飛び掛かり、二人は窓を突き破って落下し、死亡する。クリスが連れて来た霊能者の女性が言った”窓”という言葉の意味が明らかになる。
<そして、タイラー亡き一家は、その家を引っ越す。その際に、母のレベッカは家に備え付けられていた鏡の中に、タイラーが映っているのを見て仰天する。そこで、クリスが連れて来た霊能者の女性が慄きながら見た”鏡”の意味が明らかになる。
タイラーは、その家に居た”存在”と共に、同じくその家の”存在”となったのである。
今作は、ナカナカ斬新な、スティーヴン・ソダーバーグのセンスを感じさせる、ある家の”存在”を静かなトーンで描いた作品なのである。>
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