ぶぶ漬けどうどすのレビュー・感想・評価
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裏話を披露します。
私は京都に住んで、京都の老舗の研究をしているコンサルタントです。
実は今から4年前、テアトル東京の方からお電話を頂き、京都の老舗の映画を撮りたいので、京都の老舗を紹介してほしいとのことでした。脚本家のアサダアツシ様と一緒に3名で来られました。3~4社の老舗をご紹介したように思います。その中から扇子の老舗(お名前は公表されていないようなので、差し控えます)が今回の舞台になりました。
夜に居酒屋で京都の老舗談議に花が咲きました。私は当時でも70社以上の老舗のご当主のお話をお聞きしており、(主には企業継続の秘訣などをお聞きしていましたが)京都の一見さんお断りの真意やいけずの事例などをお話ししていたと思います。
それから4年経って、やっとの封切りとなり、とてもうれしく思います。コロナ渦真っ最中の取材だったので、時間がかかったのだと思います。
試写会にご招待いただき、少し早めに視聴させていただきました。
確かに他の皆さんがおっしゃっているように、通常の京都ではありえないシチュエーションもあり、奇をてらった感は否めませんでしたが、本質的な部分は面白おかしく描けていたのではないかと思いました。
老舗を研究し、その想い、経営ノウハウを世界に伝える事業を行っている身としては、この映画を通して、京都の老舗を世界にアピールできればと思っています。
しかし最後の終わり方には若干違和感を感じましたね。笑
ストーリーも風刺も中途半端
冨永節
冨永監督の作品は結構観てまして、前作「白鍵、、、」も、なんかよくわからないところとか、1番好きな「ローリング」も不気味な空気感が良かったり、嫌いな方もいるでしょうけどわたしには合う監督です。
今回も変わった雰囲気から始まり、予備知識なかったんで物語の予測が全くつかない、不思議な作品でした。何がいいたいのか?その辺りはどーでもいいと、言いたいんじゃないでしょうか。
深川麻衣さんは「パンバス」からファンになって、事務所のバックアップもあるのか、出演作が多くて全部は観れてないんですが「おもいで写眞」とかとっても良くて、今回も似たような役だと言えばそんな気もしましたが、好演です。
若葉くんとかもっと絡むのかと思ってました。
老舗の伝統と、のんびりカマドを使わないマンション暮らし、悩ましいとは思います。
脚本家の方のことはよくわかりませんが、全編冨永節が出まくっている作品だったと思います。
今から30年くらい前、当時の会社で京都転勤の打診がありました。生意気にも断ったんですが、正しい選択だったんじゃないかと思いました。
ありがっさま!
なかなかに期待してた作品だけに、落胆も強い。
テンポや掴みが大事なコメディなのに、導入がやたらダラダラしてた段階で嫌な予感はしたけどさ…
何をおいても主人公のまどかが不快。
店主の確認もなく取材を受け、受け売りのペラペラな言葉を垂れ流し、報告もせず「秘密です」。
叱られても反発して、そのことすら漫画にする。
家屋の売却についても家主の確認も取らずに暴走し、環の言葉を聞いてすら自分の思い込みを捨てない。
その勢いのまま、上田のことを写真まで取りこんで漫画化し、晒す。
しかもこれで、粛清されるどころか反省も改心もなく終わるってどういうこと?
主人公側に一欠片も正義がないのだが。
まさかこれを“信念を曲げない格好いいヒロイン”として描いてないよね??
浮気した旦那の実家に引っ越して女将を継ごうとするのも意味不明。
立ち小便禁止の鳥居を勝手に剥がすのは器物損壊。
劇中に感じる愛嬌はすべて“深川麻衣”のもので、“澁澤まどか”というキャラに魅力は皆無でした。
女将が一人味方してくれてた理由も、TV局が悪意ある編集したみたいになってるのもよく分からず。
主人公に悪者認定された人物は基本まったく悪くない。
なのに旦那と不倫した相方はアッサリ許すし、何よりまどかのやってることが一番最低。
そもそもあの漫画、訴えられたら一発アウトな気がするんだけど。
最後にあんなオチ持ってこられても反応に困るし、“いけず”の文化も結局あまり関係ない。
単にまどかが空気読めずに自分勝手なだけ。
本稿のタイトルは“いけず”に倣って付けましたけどね。(深川麻衣と若葉竜也が並ぶと『嗤う蟲』なんよ)
こんなんに『京都大作戦』のTシャツ着んといて。
何が描きたい?
僕は生まれも育ちも、生粋の京都人だ。けど、この映画で言う、洛外なのか、所謂「京都人」と言うのにずっと違和感を抱いていた。確かに言葉を含むきらいはあったけど、そこまでとは思っていない。
その為、この映画で描かれる、誇張された京都人にも当然違和感を感じる。
まぁ、京都人を面白くコメディ的に描きたいのだろうな、と思って観ていた。
しかし、この漫画家は失礼極まりない。取材というのは、ある程度下調べしてから、聴きたい事を整理しておくべきだ。なのに、それもせずに、自分の聞きたい事だけを相手に押し付ける。
そして、漫画にはかなりの悪意で誇張して描く。
これでは京都人でなくても怒って当たり前。
後半は益々暴走が酷くなる。
また、この映画、何を描きたいか分からない。
京都人の変さをコメディとして描きたいのか?
京都を美しい街として称えたいのか?
地方から来た女性が京都に馴染むため四苦八苦して頑張る姿を描きたいのか?
どれも中途半端だった。
#ぶぶ漬け
ほんま、ええもん、見せてもうたわ。
京都のお人やったら一度も口にしたことも聞いたこともない、あの言葉をタイトルに、スタッフも含めて京都のお人が一人も出んと作らはった京都映画。でも、これがようでけたはる。
舞台となる澁澤扇舗は先史時代からマンモスの皮を剥いで扇子にしていた老舗どす。店には、いつ誰が作ったかわからん扇子がぎょうさん飾ってあって、おくどはんでは未だに薪をくべて火をおこしたはる。
ここの長男と結婚したまどかはん、東京のライターで漫画家の安西ちゃんとコミックエッセイ『京都老舗赤裸々リポート』を作ろうしたはります。でも、築百年の銭湯を改築したカフェも、老舗菓子店で今一番売れているものも興味ないらしい。もしかしたら、京扇も?!。でも、そんなまどかにお義父さんとお義母さんはやさしい。不動産会社の上田社長にそそのかされて、テレビに出ていらんことをして女将さんたちを怒らしても、叱らんと「テレビに出てくれたおかげで、お客さんがよーけ来はるようになったわ」と言うてくらはるし。着物もくらはった。ついでに西村のエーセーボーロもくれたらよろしいのに。「おおきにお義母さん」
京都では、町屋が壊されてマンションがあっちこっちに建って、お義父さんは「京都人のフリをしたヨソさんが京都を乗っ取ろうとしている」と嘆いたはる。そんな時、上田社長が澁澤扇舗をマンションに建て替えようとしていることがわかったんや。しかもこの上田、京都人やのうて、葛飾区出身の江戸っ子や。そこで、まどかはん、私が京都を守るんやと『京都老舗赤裸々リポート』で攻撃。ケチョンケチョンにいわして、上田に「町屋の売買から手を引きます」とまで言わしてやった。
京都人のフリをしたヨソさんが京都を乗っ取ろうとしているのを阻止したまどかはん。でも、このあと、トンデモナイことが起こるんや。京都大作戦のTシャツ着て警察に引っ張られるお義父さん。それを「お父ちゃん腰が悪いねん、やめて!」と叫ぶしかないお義母さん。そして、自称14代目女将まどかの一言。お義父さんの嘆きはほんまになってしもたわ。
何かが足りない
納得の面白さ
もっとシニカルな京都文化を観たかった!
深川麻衣・若葉竜也の共演が『嗤う蟲』以来で観れるということと
京都人のシニカルな遠回し表現がテーマだろうと思い、楽しみにしていた。
が、深川麻衣演じる澁澤まどかがエキセントリックすぎて、
悪い意味で驚いたし、『翔んで埼玉』レベルの笑いに振り切ってよかったんじゃないかと
思うのだが、全然京都人がFeatureされていない、いや、されているものの物足りない。
俳優の演技、特に松尾貴史と室井滋は秀逸な面白さを醸し出していたが、
もっとも面白かったのは、若葉竜也演じる中村先生だ。
中村先生の喋りが最高!この人が一番面白くてツボだった。
それにしても、主人公 まどかに全く共感できないし、老舗の扇子屋を継ぎたいとの動機も
まったく不明。エッセイマンガのネタにしたいだけだったのでは?
夫に浮気されてブチ切れた!?でも、一緒にマンガを描いている莉子が不倫相手なのに
一緒に仕事を続ける?しかも一緒に住もうとする?
全然理解できんし共感できん。
なんだこれ。
7年かけて脚本を描きあげたって本当!?
京都人の本音が全然わかんなくてカオスな状態になる映画を期待していたのに
全然違ったけど、深川麻衣と若葉竜也はよかったので、この評価にした。
この二人が出演していなければまず観ていないと思うが、テーマが面白いだけに
実にもったいない作品。
主人公のキャラクター設定が疑問
「嗤う蟲」で初めてお目に掛かった深川麻衣主演作品でした。というか、同作で彼女の夫役だった若葉竜也と、隣家の主婦役だった片岡礼子も出演しており、キャスティングが結構重なっていました。内容的には、「嗤う蟲」はホラー、本作はコメディなのでジャンルこそ異なっていましたが、東京から地方(京都を地方と言って良いかは微妙ですが)に移り住んだ深川麻衣のお話という点では、全く同じ構図であるのも面白い共通点でした。
お話としては、 井上章一氏が著した「京都ぎらい」を思い起こさせるものでした。本音を言わない”いけず”な物言いをはじめ、洛中と洛外の精神的分断とか、”まだ百年しか経ってません”みたいな、へりくだっているようでいて暗に”歴史”を誇示するところなど、吾妻人が持っている京都のイメージを利用して物語を組み立てたのは面白い着想だったと思います。また、ガスじゃなくて薪でご飯を炊く伝統家屋に住んでいる洛中在住のばりばりの京都人が、実はマンションに住みたがっていたなんていう展開も、結構真実なんだろうと想像できて興味深いところでした。
ただ、深川麻衣演ずる主人公の澁澤まどかのキャラクター設定が、どうにも馴染めなかったのが残念でした。16世紀から13代続く扇子屋の14代目と結婚したまどかでしたが、京都を題材とした漫画制作のために夫の実家を中心に京都を取材することに。そんな彼女は、全く周囲の空気を読まず、相手の気持ちを考えない人物として描かれており、別に京都の人ならずとも嫌われる要素がタップリ。そのため、本作で巻き起こる京都の人々との軋轢の殆どが、まどか側に原因があるように思えてしまい、逆に言えば京都の独自性がそこまで際立っていなかったように感じられました。もう少し癖のない人物設定にした方が、京都の特徴をより際立たせることが出来たのではと思ってしまいました。
最後に俳優陣ですが、まどかのキャラクター設定には同意しかねたものの、深川麻衣の演技そのものは中々良かったように思いました。まどかの相棒にして作画担当の安西ちゃんを演じた小野寺ずるは、初めてお目に掛かりましたが、漫画から飛び出してきたようなキャラクターを実に上手く演じていました。また、「嗤う蟲」で深川麻衣の夫役を演じた若葉竜也も、コミカルなセリフ廻しが面白く、普段の深刻なキャラとは違って新境地を観た感じで非常に新鮮でした。
そんな訳で、本作の評価は★3.4とします。
面白かった、けれども
「ぶぶ漬けどうどす」という言葉は、
建前と本音の乖離の例として人口に膾炙しているが、
江戸っ子が「べらんめえ」と言わないのと同じく、都市伝説のようなものではないかとワタクシは思っている。
つまりは「部外者は容易に入れないぞ」というメッセージの、
ひとつの現れにすぎない。
コミュニティのつながりと歴史が
長く強固であればあるほど部外者は入りにくいというのは、
日本中、いや世界中で、共通なんじゃなかろうか。
つまり、京都に限ったことじゃあるまい。
なのになぜ、京都がことさら取り上げられるのか。
三代続かなきゃ「江戸っ子」じゃねえ、なんて話もあるけど、
話題性から言ったら京都の比じゃない。
それはおそらく、
1200対400という圧倒的な「メトロポリス歴」の違いと、
その自覚によるんじゃなかろうか。
* * *
ただいずれにしても、
京都でも江戸でも東京でも、
メトロポリスには、全国から人が集まるのが理の当然。
だから京都の歴史も、1200年にわたるよそ者流入の歴史であったはず。
人口流入がなければ、大都市は維持できるはずがないんである。
今、京都は時代の変わり目にあり、
「老舗」は存続の危機にある。
そこに切り込んだのが、この映画。
なんだが。
「よそさん」が京都を壊す、と言いながら、
実は京都が「よそさん」で成り立っていた、
とのが事実なんじゃないかと、ワタクシは思うんだけれど、
その辺、監督は、今ひとつはっきりさせない。
スタンスが、定まっていない。
* * *
スタッフの顔ぶれを見ると、
脚本家が奈良出身、というのがいちばん近くて、監督は愛媛出身、
そして製作は、東京テアトル、メーテレ(愛知)という名前が連なり、
京都の「き」の字もない。
企画段階で、すでに敗北してるんじゃないか。
しかも、最も京都に近しい奈良出身の脚本家の脚本を、
あろうことか監督は現場で変えちゃったりしたという。
だから、どこまで「京都の真実」に迫れていたのか、というと、
非常に心許ないと言わざるを得ない。
* * *
映画の中で、
東京の全国ネットTV局が京都に取材に来た、という場面がある。
「ぶぶ漬けどうどす」という「都市伝説」を、
主人公へのインタビューの最中に
無理矢理言わせるのがこのTV局なのだが、
言ってみればこの映画全体が、そのTV局の域を出ていない、
と言えるんじゃないか。
* * *
東京から来た嫁が、相棒の描画担当と2人で
ネット漫画で京都を描こう、というのが話の軸だが、
微妙な機微がスルーされて雑な脚本になっちゃってるのは、
果たして脚本家のなせるわざか、
それとも監督が変えちゃったためなのか、
知る術はないけれど、
もうちょっときめ細やかな脚本だったなら、
かなり面白い作品になったんじゃないか、
というのが、非常に残念なところ。
室井滋さんを初めとした芸達者に加えて、
深川麻衣さんの演技もよかっただけに。
京都
京都人じゃなくても怒られると思う
京都のことをよく知らずに暴走する主人公、とのコンセプトですが、あれじゃいくらなんでも失礼が過ぎてて日本全国いや世界のどこでも受け入れてもらえんでしょう(苦笑)
冒頭で14代目が逃げたのもそれを予見してのものだったのかな?w
あの行動に怒るのは当然なのに、これではまるで京都の方は了見が狭いと言いたいかのように映ってしまう…
久々に笑える映画を観たいなぁと選んだ一作なのに声出して笑ったのは0、クスクス笑いも2〜3回程度でたいへん残念…
展開も謎だらけで、特に浮気と逮捕のシーンは余計だったと感じた
途中からはこんな人に振り回される人々が気の毒すぎて、そちらへの共感と同情に走ってしまったほど(笑)
そして一番の謎は……………
オチがない!!!!!
というか、何一つ解決しとらんやないかーい!
せめて最後のぶぶ漬けのとこはもうちょい自然に、且つ明確に、『義母にお茶漬けを食べさせようとする行動』からの「まどかちゃん、それぶぶ漬け勧めちゃってるよ!」みたいな流れにしてほしかった
そんな中、キャストについてはもう室井滋さんの名演に尽きます!もはや巨匠の風格!
それから、中村先生役の若葉竜也さん!
終始一貫した喋り方、最高でした!
ラストは突然『終』でブツっと終了してびっくりした…まるで昭和のN○Kの番組みたいにw
ならばいっそ続編で、中途半端な部分を全て回収してくれることを願って止まない自分がいるのであった(笑)
もっと京言葉を知りたかった
老舗扇子店の長男と結婚し、東京から京都へやって来たフリーライターの澁澤まどかは、450年の歴史を誇る老舗店での暮らしぶりを漫画にしようと、しばらく家に置いてもらい義実家や街の女将さんたちの取材を始めた。しかし、本音と建前を使い分ける京都の文化を知らず、出しゃばり過ぎだ、と女将さんたちを怒らせてしまった。京都を正しく伝えようとするまどかだったが、街中を巻き込み騒動となっていく、そんなコメディ。
ぶぶ漬けでもどうどす、は京都の人が早く帰って欲しい人に対して遠回しに言う言葉、との事で有名らしい。
京都って千年くらい都だったから公家文化、公家言葉が発達し、そのため京都弁は直接的な批判を避け、遠回しな表現を用いることが美徳とされてきたらしい。
特に言葉に含みを持たせる技術が自然に発達したらしく、他の地域の人にはわからない表現を使うという事は知ってた。
京都の洛中でそれも田の字地区に実家のある知人が居るが、絶対標準語を使わなかったし、何を考えてるのか言葉だけではわからない含みのある人だった。
そんな経験から本作を見ると、うーん、浅い。
もっとたくさん事例はあるのに、ほとんど紹介されず終わった。
京都カーストの紹介とか有っても良かったし。
そんな中で夫の浮気の話必要?もめもしなかったし、夫婦喧嘩も無かったし、あれは何?
ラストの義父の警察沙汰も必要??
もっと京言葉の奥深さ、陰湿さを紹介するストーリーの方が良かったと思う。
まどか役の深川麻衣は良かったし、仕事仲間の小野寺ずるも存在感あって良かった。
義母役の室井滋や料亭の女将役の片岡礼子も京都に居そうなキャラで良かった。
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