劇場公開日 2025年11月28日

「あの花が咲いたら…」ナイトフラワー ミドレンジヤーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 あの花が咲いたら…

2025年11月30日
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作品としては、裏社会とか、貧困とかを軸に、基本的には「アウトな人々」ばっかり出てくる、私の大好きなタイプ。

「どっちを向いても地獄」という生活の中で、小さな幸せを噛み締める。
でも、それさえもあくまで地獄の中の束の間の光。

主人公たちを取り囲む世界は、着々と彼女たちを追い詰めている。
それでも生きていかなくてはならない。
そして夜に一度だけ花を咲かせる「ナイトフラワー」。
つまり、昼間の様に見えても、実はここは闇の中なんだ。
もしくはすでにすべてが…。

感涙ポイントはいくつもある。
やっぱり子供が絡むと弱い。

個人的にその中で、ある要素に「子供を巻き込んだ」という点が少し気になってしまった。

食うや食わずの生活の中、主人公がいろんな障害を乗り越えて、大切な子供たちを守り守られながら、清濁併せ呑みながらたくましく生きていく、

それはいい。
しかし、その様々に起きる「乗り越えるべき障害」を、子供に作らせたのがすごく気になった。
(もちろん私の勝手な主観として)一瞬でも、「この子がいなければ…」「この子が原因なのに」と思ってしまったことで、私のこの家族を見守る感じがぼやけてしまった。

この家族を取り巻く最悪な環境で、必死で家族を守ろうとしている主人公に対して我々は気持ちを寄せていく。で、それを壊すのがその子供…。

いや、そういう現実を突き付けられるという意味でこれはさらにリアルな絶望だし、それでも子供への愛情は変わらない、そういう作り手のメッセージも理解する。

理解した上で、こういうクズだらけの話の中で、子供たちには加害側の一端を担わせないで欲しかった。

お話としてはすごく泣けるし、出演者たちも頑張ってるし、観る価値はある作品。
他の方の受け取り方にも興味はあるのでレビューを読んでみたい。

ミドレンジヤー
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